栄養がたっぷり含まれたナッツ。手軽なお酒のおつまみとしておなじみですが、最近では美容にも健康にもよいとして、ダイエットにオススメのおやつとしても人気です。このたび、ナッツを食べる習慣は、食事の栄養の質や良好な生活習慣に関連していることが、ポーランドから報告されました。
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ポーランド人1万2946人のデータを調査
ナッツは不飽和脂肪酸や食物繊維などが豊富で、ダイエットにもよいといった効果が続々と報告されています。美容や健康には欠かせない食品のひとつとして注目度は年々上昇。日ごろから積極的に口にするという人も多いかもしれません。
今回、研究報告をしたポーランドのビャウィストク医科大学を中心とした研究グループは「ひとつの食材によって食べるもの全体が健康的になるのでは?」という発想から研究を実施。ナッツを食生活にとり入れることで、実際に食事の質や生活習慣がどのような影響を受けるかを検証しました。
研究グループは、ポーランドの全国栄養調査のデータを使い、食事摂取量調査に回答した1万2946人から、ナッツを食べていると回答した299人と、ナッツをまったく食べていないと回答した1184人をランダムに選び出しました。ふたつのグループの性別、年齢、教育レベルを考慮し、対象者の食べものや健康管理に対する姿勢がより反映されやすいようにして分析を進めました。
ナッツを食べる習慣がある人は…
分析の結果、ナッツを食べていたグループは、食べていなかったグループと比べて、教育、健康、生活水準を示す「HDIスコア」が有意に高いことがわかりました。その差は、7点中1点の差です。ナッツを食べていたグループのほうが、果物や野菜の摂取量が多くて、ポリフェノールや抗酸化成分の摂取量が多いとわかりました。逆に、赤身の肉の摂取量は低くなっていました。さらに、ナッツを食べていたグループでは、鶏肉の摂取量も多い一方で、加工肉の摂取量は少なくなっていました。全般的に、動脈硬化を防ぐような効果をもつ食品が多く食べられていたといいます。
研究グループは、ナッツを食べていたグループでは、肉の食べ過ぎが心臓やがんにはよくないという認識が高いからではと推測します。そのほかの特徴としては、健康やダイエットへの意識が高く、運動に積極的に取り組んでいるということがわかりました。
研究グループは「ナッツを食べる人は、ナッツを食べない人に比べて食習慣がより健康的」と結論づけています。ナッツのように、ひとつの食材の影響に注目して、複合的に健康的な生活を実現するアプローチが注目されるかもしれません。
<参考文献>
Nutrients. 2019 Jun 22;11(6). pii: E1410. doi: 10.3390/nu11061410.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31234530
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6627533/