ダイエットに夜食は厳禁。夜遅くに食事をとると太ってしまうことは、誰もが経験的に知っていることかもしれません。ではダイエット成功のためには、いつ食べるとよいのでしょうか。このたび、食事のタイミングがダイエットの効果に影響を与えている可能性が、スペインの研究より裏づけられました。
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減量プログラムの効果を検証!
ダイエットをいかに成功に導き、肥満からの脱出を叶えるか、こうしたアプローチはこれまでにさまざまな進化を遂げてきました。1960年代までは、低カロリーダイエットが主流だったのが、1970年代以降は、生活スタイルや食習慣を改善する行動療法が代替医療として主流に。それ以降、多くの研究で肥満治療における行動療法と食事療法の重要性が強調されてきました。ダイエットの効果を左右する主な要素は、減量の方法だけでなく、運動やストレスなどの要素も関係しているとされます。
このたびスペインのムルシア大学の研究グループは、食事のタイミングも重要と考え、検証しました。研究グループは、スペイン各地の栄養クリニックに通う肥満症と診断された420人を対象に20週間の減量プログラムを実施。スペインの場合、メインの食事はランチに食べて、夜は軽食で済ませることが多いため、1日のメインの食事をとるタイミングで対象者を「ランチが遅い」グループと「ランチが早い」グループに分類しました。
研究グループは、体重減少を比べて、食事のタイミングが体内の新陳代謝などにどのように影響するかを調査。肥満にかかわってくる要素として、概日リズム(体内時計)との関連性についても調べました。
いつ食べるかで、体重も変わってくる
すると、午後3時以降にランチを食べていた「ランチが遅い」グループは、午後3時より前に食べた「ランチが早い」グループよりも、体重の減少率が低いことがわかりました。つまり、早めにメインの食事をとるほうがやせやすいというわけです。ランチが遅いグループは、生活リズムがより夜型である傾向も確認されました。
さらに、ひとりひとりの概日リズムに注目すると、夜型で夜にメインの食事をとっている人は、朝型の人に比べて、肥満になる確率が5倍も上昇。朝型の人で午前中にメインの食事をとる人は、肥満になる確率が50%も減少するという結果に。
研究グループは、不規則な食事は概日リズムの混乱を招くために、健康に悪影響が出る可能性があると見ています。仕事などで食事時間が乱れがちな人は参考にしてみるとよいかもしれません。
<参考文献>
Nutrients. 2019 Nov 1;11(11). pii: E2624. doi: 10.3390/nu11112624.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31684003
https://www.mdpi.com/2072-6643/11/11/2624/htm