週末の予定のキャンセルや延期などで、家にいる時間が長くなり、ついダラダラとご飯やおやつを食べ続けてしまったり、インスタント食品に頼りがちな人も少なくないはず。このままじゃまずい…そう感じ始めた人におすすめしたいのが週末の2日間でできる「週末フルーツ断食」。その効果やくわしいやり方を、ダイエットカウンセラーで管理栄養士の伊達友美先生に教えていただきます。
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「フルーツ断食」でやせる理由は“酵素”にあり!
ダイエットの大きな妨げとなる便秘やむくみは、体内に老廃物がたまっている証拠。その原因は食習慣によるところが大きいと伊達先生。
「食べたものを消化するには酵素が必要。食べ過ぎの人や、ジャンクフードや加工食品をよく食べている人は、体内の消化するための酵素が浪費され、老廃物を排出するための酵素が不足しがち。ダイエットを成功させるには、まずは内臓をいったん休ませて、消化に使われていた酵素を排出にまわすことがカギとなります。老廃物を出して体をリセットすれば、体がやせやすい状態に変わりますよ」
そこで、活躍するのがフルーツの酵素。
「フルーツには、浄化を促す酵素がたっぷり含まれています。さらに、ビタミンやミネラルも豊富で、代謝が促進されます」
また、フルーツ断食は、インスタント食品やスナック菓子など、いわゆる“ジャンクな食品”が続いて、なんとなく体の中に毒がたまっている気がするという人にもおすすめ。
「ふだんからジャンクなものを食べつづけていると、自分では『毒がたまっている』という感覚はないかもしれません。でも、やはり知らず知らずのうちに少しずつ毒はたまりますから、定期的にデトックスするとよいでしょう。
デトックスは、回数とタイミングがとても大切です。回数は年に2回、春先と秋口がデトックスのベストなタイミングです」
暑さや寒さによる気温のストレスが少ない春は、フルーツ断食でデトックスをするのに最適といえそうですね。
いざ実践! 空腹知らずの48時間フルーツ断食
断食というと食事ができず、ひもじいイメージがあるけれど、フルーツ断食は空腹感と闘わずしてできるのが魅力。なんと果物を好きなだけ食べられるのです!
「断食中の2日間は果物と水だけで過ごします。基本的には、自分の好みの果物を好きなだけ食べてもよいので、満腹感を得られやすくなります」
フルーツ断食を実際に行うのは48時間ですが、じつは断食前後の食生活もかなり重要。
「断食前日に『今のうちに食べておこう』と食べ過ぎた状態で断食に入ると、消化が追いつかずに断食効果が薄れてしまいます。逆に、断食前から食事を減らし過ぎるのもNG。体は食べものが入ってこないと、エネルギー消費を抑えてためこみモードに入るため、老廃物が排泄されにくくなるのです。
また、断食中はどうしても栄養不足になるため、しっかり栄養を補っておくことが大切。赤身肉や豆類などをバランスよくとり、代謝を引き上げておきましょう」
そして、内臓を休めた断食後は胃にやさしい食事からスタートします。
「栄養の吸収がよくなる時期なので、吸収したくないものは避けるのが鉄則です。ここで脂肪や糖分の多い食事をとってしまうと、せっかくの断食がムダになるので注意して」
それでは、フルーツ断食のくわしい実践法をチェックしていきましょう。
1~2日目 導入食期:代謝を高めるバランス食で断食効果をUP
断食前にフライングして食事の量を減らしてしまうと、体は省エネモードになり逆効果。肉や豆類をしっかりとり、代謝に欠かせないたんぱく質、ビタミン、ミネラルなどを補給することで、老廃物がスムーズに出ていく体に。
<1>Lカルニチンで代謝力を底上げ
牛、豚、羊などの赤身肉に多く含まれるLカルニチンは、代謝を上げて体脂肪を燃やすのに効果的。ステーキなどをガッツリ食べましょう。
<2>豆類やカレーで内臓機能をUP!
豆類やターメリックを含むカレーには、肝臓や腎臓をキレイにする働きが。内臓機能を高めておくことで、デトックス効果もアップ。
3~4日目 断食中:2日間果物だけで体をしっかりデトックス
果物をとる頻度に制限はありませんが、1日3食+間食のペースでとると、食事のリズムが整いやすくなります。固形のほうが食べ応えはありますが、ジュースにしたほうが消化吸収にエネルギーが使われないため、断食効果があります。
旬の果物は栄養価も高くておすすめです。果物は、好みのものをおいしく食べるのが、ストレスもなくていちばん!
5日目 復食期:効果をキープするため胃腸にやさしい食品を
断食後は栄養の吸収がよくなる時期。脂質や糖質の多いもの、小麦加工品、乳製品、カフェインなど、体に吸収したくないものは避けましょう。断食中に休んでいた胃に、負担のかからない、消化のよいメニューを少しずつ食べるようにして。
<朝・昼>果物+おみそ汁で胃を慣らす
断食直後からごはんなどの主食をとってしまうのは、まだちょっと胃にはヘビー。果物におみそ汁など、汁ものを1品加える程度に。
<夜>炭水化物は消化のよいものに
夜は炭水化物を解禁。ごはんを食べられる人は食べてもOKですが、おかゆやぞうすい、日本そばなど、消化のよいもののほうがベター。
フルーツ断食のルール
リバウンドせず健康的にやせるために押さえておきたいのは、フルーツ断食のルール。実践するときには4つのルールを必ず守って行いましょう。
<ルール1>期間は2日を厳守。それ以上は行わない
いくらラクだからといって、48時間以上続けるのはNGです。必要な栄養が入ってこない状態を体がガマンできるのは、48時間が限界。それ以上になると、体は防御の態勢に入り、栄養をとろうと食欲に火がついてしまいます。こうなったら食欲はもう誰にも止められず、ドカ食い&リバウンドへ一直線。断食期間は48時間を厳守してください。
<ルール2>断食中は果物と水ならいくら口にしてもOK
酵素は加熱により壊れるため、生でとること。基本は好みのものを食べればOKですが、南国産の果物は体を冷やすため避けたほうがベター。水分は水やノンカフェインで無糖のハーブティーなどを選んで。
<ルール3>午前中にとる果物は1種類のみ
いろんな種類を同時に食べると、果物に含まれる複数の酵素が反発し合い、効果が薄れてしまいます。体内の排泄と浄化が高まる午前中は、酵素のパワーを最大限に活かすため、1種類だけに。
<ルール4>断食中はできるだけ体を休める
ふだん通りに生活してOKですが、体に負担のかかる激しい運動はNG。せっかく体を浄化しているのに、さらに疲労物質をためこむことになります。
また、生理中や体調の悪いときは避けて行いましょう。
断食中にもってこい! 酵素たっぷりフレッシュジュースレシピ
フルーツ断食中におすすめのフレッシュジュースレシピをご紹介。カリウムや食物繊維が豊富な果物を使ったドリンクで、断食効果をアップさせます。ただし、果物を2種類使っているものは、午前中は避けましょう。炭酸を加えたり少し食感を残したりすることで、断食中でも満足感が得やすくなります。
ぶどうスカッシュ(1人分59Kcal)
【材料】(1人分)
ぶどう(巨峰)…100g
炭酸水…適量
【作り方】
(1)ぶどうは種があればとり除いて、皮ごとミキサーにかける。
(2)(1)をグラスに入れ炭酸水を注ぐ。
グレープフルーツとオレンジのジュース(1人分81kcal)
【材料】(1人分)
グレープフルーツ…1/2個
オレンジ…1個
【作り方】
(1)グレープフルーツとオレンジは皮をむき、小房に分ける。
(2)(1)を薄皮ごとミキサーにかけてグラスに注ぐ。
桃とアプリコットのジュース(1人分106kcal)
【材料】(1人分)
桃…2個
ドライアプリコット…2個
【作り方】
(1)桃は皮をむきひと口大に切る。アプリコットはぬるま湯につけてやわらかくしておく。
(2)(1)と水50ccをミキサーにかけて、グラスに注ぐ。
インスタント食品やお菓子ばかりを食べてしまった…と食生活が乱れがちな人は、ぜひ2日間のフルーツ断食にチャレンジしてみはいかがでしょうか!
文/FYTTE編集部