体を動かす機会が減り、なんだか体が重い。だけど、ウォーキングやランニングをしに外に出るには暑すぎる…! ならば、おうちエクササイズでゆるく運動を始めませんか? 日常のちょっとしたすきま時間を使って、壁一枚のスペースでできる壁ストレッチをバレエダンサーの武田亜希子さんに教えていただきました。
Contents 目次
お尻を鍛える壁ストレッチ
日常生活の中で下半身は動かす機会が少なく、意識して鍛える機会を作らなければ、下垂していく一方。短時間でも鍛える時間を作ることが、ヒップアップの近道になりますよ。まずは、壁を使ってできるヒップアップストレッチをご紹介します。
▽ステップ1
お尻の内側から鍛える壁ストレッチ
<1>両手を壁にそえたら、右脚を手前に、少し間隔を開けて、左脚をうしろにつきます。うしろについた脚は、つま先をのばして少し床から上げておきます。
<2>息を吐きながら軸になっている右脚を、ゆっくりと曲げていきます。
このとき、上げているうしろ脚が床についたりグラグラ動いたりしないように、最初の高さをキープしたまま行いましょう。
しばらくしたら、右脚をゆっくり伸ばして元に戻します。この流れをほどよくくり返して。
次は軸足を変えて、反対側も同様に行っていきましょう。
▽ステップ2
美尻を作る! ヒップストレッチ
ステップ1と同様に、壁に両手をそえたら足もとは肩幅程度に開いておきます。
<1>最初に左脚のひざを曲げて、かかとから足先を直角に折り、この状態のままななめうしろに向かって上げていきます。
<2>このとき、骨盤が前に倒れないよう意識して、まっすぐのまま行いましょう。
正しい脚の上げ方として、上げている脚のひざのお皿が、横向きになるように内ももを上げるのが正解です。
<3>「もうムリ!」というところまで上げたら、そのまま息をハッハッと吐きながら、上げている脚を上下に小刻みにバウンドさせます。目安として10回ほど行いましょう。
終えたら右脚を曲げて反対側も同様に行います。
▽ステップ3
お尻~太ももの裏側に効くストレッチ
<1>壁をお尻側にして、少し間隔を開けてあお向けに寝ます。
脚を腰幅に開いて、ひざを曲げた状態で両足の裏をしっかりと壁につけます。このとき、両腕は体の横に置いておきましょう。ひざを曲げる角度は、やりやすい角度でかまいません。
この姿勢のまま、息を吐きながら骨盤をゆっくり上げていきます。イメージとしては、お腹を引き締め、尾てい骨から徐々に上げるように行います。
<2>「もうムリ」というところまで上げきったら、息を吸いながらゆっくりと元の姿勢に戻していきましょう。この流れをほどよくくり返します。
慣れてきたら、少し早めのペースにしてもOK。
お風呂上がりや寝る前のスマホをいじる時間を、ぜひヒップアップのために置き換えてやってみましょう!
バストの下垂を食い止める! 壁ストレッチ
続いては、バスト編。
若かりし頃はバストのボリュームが悩みだったという人も、年齢を重ねるうちに下垂や離れバストなど、悩みの内容も変わってくるもの。とくに、ワイヤー入りブラジャーを着けることをやめてしまった人のなかには、下垂が深刻化している場合も…。しかし、手遅れだとあきらめることはありません。これから紹介するバストの下垂を食い止めるストレッチをぜひ行ってみてください。
▽ステップ1
バストの筋力集中ストレッチ
<1>壁に対して横向きに立ちます。壁側の右腕を後方に伸ばしたら、手のひらを壁に添え、逆側の左手はバストの前を通り壁に添えます。
<2><1>の姿勢のまま、壁に近づくように圧をかけます。余裕がある人は、最初から壁に近づいていってもOK。
<3>肩をしっかりと下ろして、前肩、腕のつけ根がストレッチされて伸びていく感覚があれば正解。ほどよく圧をかけて十分にストレッチできたら、今度は反対側も同様に行いましょう。
▽ステップ2
グッと上がる! バストに効くストレッチ
<1>今度は壁と向かい合わせになり、壁から離れたところに立ちましょう。両手をハの字にして、肩幅より少し広めに開いて壁につけ、足もとはかかとを上げます。
<2><1>の姿勢のまま、お腹を引き締めて体をまっすぐのままキープ。
<3>息を吐きながら腕を曲げていきます。このとき、ひじを外に張りながら行うと、より効果的ですよ。
しばらくしたら、ゆっくりひじを伸ばします。この流れをほどよくくり返しましょう。
ツラい人は、かかとを下ろしてもかまいません。
▽ステップ3
サイドバストに効くストレッチ
<1>ステップ2と同じように、壁に向かい合わせに立ちます。
<2>両手は壁を押すようなイメージで手のひらを壁につけます。このとき、高さはウエストの位置、指先が外向きになるようにして腕を伸ばしましょう。両手の間隔はなるべく広めにとるのが◎。
この状態のまま、ひじを曲げます。二の腕で空気を下に押すようなイメージ。10秒ほどキープしたら、ひじを伸ばして元の姿勢に戻ります。この流れをほどよくくり返しましょう。
ストレッチの最中は呼吸を止めがちです。呼吸は自然に行いましょう
お疲れボディも解消! 代謝を上げる壁ストレッチ
寝ても疲れがとれない…むくみがいつまでもとれないなど、体の回復力が遅いなと思ったら、それが代謝の衰えのサイン。
壁を使ってできる代謝アップのためのストレッチをぜひ始めてみてくださいね。
▽ステップ1
全身の代謝アップに!
<1>壁と向かい合わせの状態で立ちます。脚は肩幅くらいに開いて両手は壁につき、上半身を前に倒します。このとき、背中は床と並行になるよう、まっすぐの状態に。
<2>息を吐きながら背中全体を伸ばすように丸めます。お腹をへこませて、腰まで丸めるようなイメージで行って。
しばらくしてから、上半身をゆっくりまっすぐの状態に戻し、息を吸います。
<3>今度は、息を吐きながら背中全体を反らします。とくに腰のあたりを意識して反らしましょう。ゆっくりと骨のひとつひとつが動くようなイメージでするのが正解。この流れを、ほどよくくり返しましょう。
▽ステップ2
下半身の代謝アップ
<1>壁に向かい合わせになります。両手は壁にそえて。足もとは、ムリのない角度に開いておきます。右脚のひざを曲げ、少し床から上げましょう。
<2>右脚を左脚の上にクロスさせるようなイメージで、反動をつけて左ななめ前へと振り上げます。
<3>振り上げた右脚の股関節の力を抜いて、自然にひざを曲げたまま、右側へと移動させます。このとき姿勢はまっすぐのまま行いましょう。
10回を目安にリズミカルに脚を振り上げたら、反対側も同様に行って。
▽ステップ3
+αに行いたい! ハードな代謝アップストレッチ
<1>最後は、お尻が壁側に向くようにして、あお向けになります。
両脚は天井に向かって上げて、お尻と脚の裏側が壁につくように寝てください。このとき、両足首は直角に曲げておきます。
両手は頭のうしろにそえて。余裕がある人は、頭を上げてみましょう。
<2>両脚を左右に開いていきます。ムリのない角度でかまいません。
<3>開ききったら、お腹や内ももを使って、その脚を再び中央に寄せて閉じます。
そして息を吐きながら、閉じた脚を天井方向に伸ばし、骨盤をグッと上に持ち上げます。ほどよくキープしたら、ゆっくりと下ろして元の姿勢に戻して。
この流れを1セットとして、ほどよくくり返しましょう。
ツラい人は、頭を下ろしたままでもいいですし、脚の開閉だけでも大丈夫です。
取材・文/高田空人衣