パーソナルトレーナーとして活躍する八木知美さんに、家でもできる手軽なトレーニングを部位別に教えてもらう今シリーズ。今回のテーマは「背中」です。長いおうち時間の合間に、過ごしやすくなった秋の夜の時間に、ぜひチャレンジしてみてください!
Contents 目次
正しい姿勢じゃないと、背中は使われない
鏡や写真で見る自分の姿にびっくりしてしまうほど、いつの間にかお肉がついてしまっている背中。当然、「いつの間にか」お肉がつく理由があり、八木さんは「背中はお腹の2倍トレーニングをしてほしい!」といいます。
「立っていても座っていても、正しい姿勢でいると、背中の筋肉は自然と使われます。でも、猫背になると、背中は使われにくい状態に。デスクワーク中はまさにこの姿勢になりがちで、背中に脂肪がたまっていってしまいます」(八木さん)
サボりがちな背中は意識してトレーニングを!
「私たち日本人は農耕民族なので、前屈み姿勢になりやすく、背面の筋肉は前面の筋肉に比べ日常生活で使われにくいのです。なので、背面は、前面の2倍トレーニングすることをおすすめしています。背中を鍛えることで、姿勢も美しく変わっていきますよ!」
この秋から冬の間にしっかりとトレーニングして、インナーからのハミ肉が怖くない、美しく締まった背中を作りあげましょう。
背中で手のひらタッチ
最初にご紹介する「背中で手のひらタッチ」は、仕事や家事の合間にもできるメニューです。簡単な動きですが、くり返すうちに背中が重だるくなっていき、「背中を使っている!」と実感できるはず!
<1>
足を軽く開いて立ちます。
ひじを伸ばしたまま、両腕を背中側にもっていきます。手のひらは内側に向けておきます
<2>
ひじを伸ばしたまま腕をできるだけ体から離したら、左右の手を近づけ、タッチします。手をタッチできない人は、まずは左右の手をできるだけ近づけてみましょう。
<1>に戻り、これを20回。2セット行います。
<これはNG!>
肩が上がると背中の筋肉を使いづらくなります。肩は「下げる」ことを意識し、上がらないように注意しましょう。
グッドモーニングプルダウン
続いてのトレーニングは、泳いでいるときのように腕を大きく動かし、背中を刺激します。胸を開いたり、体を起こしたりする動きが姿勢の改善にも役立ちます。
<1>
足を軽く開いて立ち、両手を下ろしておきます。
上体を前に倒しながら、両腕を頭の方向にもっていきます。
顔は床に向けて。
腕は大きく横に広げながら、前方へ動かします。
<2>
腰が90°になるくらいまで上体を前に倒し、両腕を頭の方向に伸ばします。
手のひらを床に向け、両手を横に合わせます。
ひじは伸ばし、二の腕が耳の横あたりにくるように。
お尻は少し後ろに突き出し、背中はまっすぐキープ。
<3>
上体を起こしながら、ひじを曲げて左右の肩甲骨を寄せます。
手のひらは前に向けて。
ひじを伸ばしながら<1>、<2>と戻り、これを10回。これを2セット行います。
<後ろから見ると…>
上体を起こし切ったときに、両腕で「W」の文字をつくるイメージで腕を動かしましょう。
<これはNG!>
<2>のときに、背中が丸まるのはNGです。お尻を後ろに少し突き出し気味にし、腰〜手の指先はできるだけまっすぐ水平に。
アップドッグフロウ
背筋を使って体を起こし、さらに腕をゆっくり上げていくことで、背中への負荷を高めます。最初は、少しでも腕が上がればOK。少しずつ、高く上げていきましょう。
<1>
うつ伏せになります。
ひじを曲げてわきを締め、肩の下より少し前あたりで手をついたら、あごを少し床から離しておきます。
<2>
手で床を押して、上体を起こします。
ひじを伸ばし、顔は正面に向けましょう。
<3>
<2>の姿勢の状態で、右手を床から離して腕を正面に伸ばします。
手のひらは床に向け、腕が床と水平になる高さを目指しましょう。右腕を下ろして<2>に戻り、同様に左腕を正面に伸ばします。左右交互にこれを10回くり返し、2セット行います。
<これはNG!>
持ち上げた腕と反対側に体や頭が傾いてしまうのはNG。
顔と胸は正面、左右の肩のラインは水平をキープしたまま、腕を上げます。
撮影/我妻慶一 中田悟 取材・文/馬渕綾子 ヘアメイク/斉藤節子