下半身全体にバランスよく負荷をかけて美ラインに！

「座りっぱなしや、立ちっぱなしなど、長時間同じ姿勢を続けていると、血液やリンパの流れが滞り、足もとにたまった余分な水分や老廃物を回収することができず、下半身がむくみやすくなります。また、同じ姿勢を続けていると筋肉の動きが少なくなり、代謝が下がるため、それによっても下半身太りを招きやすくなります。そのほか、日常動作のクセや習慣などで、一部の筋肉だけが使われてアンバランスに筋肉が発達し、脚が太くなることもあります」（山口先生）

山口先生考案の美コア・トレーニングは、その名の通り、〈コア＝体幹〉をしっかり使い、腹式呼吸とラテラル呼吸の２つの呼吸を使い分けながら体を動かしていくのが特徴。そうすることで、筋肉を肥大させることなく、細くて強い、しなやかなボディラインを手に入れることができるのです。

「下半身を美しく整えるには体幹を使いながら、ふくらはぎ、太もも、お尻と下半身全体の筋肉を鍛えるトレーニングを行うのが効果的。ふくらはぎは第２の心臓とも呼ばれ、ここを鍛えることで足もとの血液を心臓に戻すポンプ作用が強まり、むくみを解消できます。また、太ももやお尻の大きな筋肉を強化することによって効率よく代謝が上がり、理想的な美脚を作ることができると同時に、ヒップアップにもつながります」（山口先生）

美脚とヒップアップを叶える美コアトレーニングを動画でチェック！

（１）両脚を伸ばして座り、右ひざを曲げ、左の足先を天井に向けます。鼻から大きく息を吸い、お腹と胸に呼吸を入れて口から息を吐く「腹式呼吸」を行います。

（２）お腹をゆっくり左にひねり、息を吸って吐きながら前屈し、足裏に両手をかけます。両手が足裏にかからない場合は、手がかかるところまでひざを曲げてOK。頭を下ろし、ふくらはぎ〜太もも裏を伸ばしましょう。鼻から息を吸って、上体をゆっくり起こし、反対側も同様に。

（３）両脚を腰幅に広げてしゃがみ、つま先をやや外側に向けます。両手のひらを合わせて合掌し、親指を胸の前につけて胸を開きます。かかとを地面につけてしゃがむのが難しい場合は、まずはつま先立ちで練習しましょう。

（４）「ラテラル呼吸」で息を吸いながら立ち、吐きながらしゃがんで、ひざの内側にひじをタッチ。これを30秒、ラテラル呼吸とともにくり返します。
＊「ラテラル呼吸」とは、鼻から息を吸い、ろっ骨を前と横に大きく広げ口から息を吐きながら、ろっ骨を体の中心に寄せる呼吸法です。難しければ。お腹を凹ませるだけでもOKです。

（４）そのまましゃがんで、ひじをひざの内側にあてます。親指を胸の前から離さないようにして、お尻を上下に小刻みに、30秒動かしましょう。

【POINT！】胸を開いて、背中はまっすぐに
背中が丸くなり、ひじが体の前に出ると体幹を使うことができず、下半身に十分な負荷がかかりません。胸を開き、背中をまっすぐ伸ばすことを意識しましょう。

（５）ひざを伸ばして立ち、脚を肩幅以上に広げます。足先をやや外側に向け、かかとの真ん中に体重をのせます。両手を頭のうしろにあて、「ラテラル呼吸」で息を吐き、ひざを外側に開きながら上体をまっすぐ下ろして30秒キープ。このとき、お尻がうしろに出ないように、骨盤を床と垂直にしましょう。

（６）そのままお尻を左右にスライド。「ラテラル呼吸」をくり返しながら、お尻を左に動かすときは右足先を上げ、右に移動するときは左足先を上げて30秒続けます。お尻が上がらないように気をつけて。

（７）最後に、太もも裏〜ふくらはぎをストレッチ。左脚を伸ばして座り、右ひざを曲げます。「腹式呼吸」でひと呼吸し、吸う息でお腹を左側にひねり、吐く息で前屈。両手を足の裏にかけ、頭を下ろします。足裏に両手をかけるのがキツい場合は、ひざを軽く曲げて。大きく息を吸って、吐きながら上体を起こします。反対側も同様に。

「トレーニングのポイントは、呼吸を止めないこと。そして、30秒くり返す動きは、途中で休まず、動き続けることが大事。そうすることで、美コア・トレーニングの効果をしっかり得ることができます！」（山口先生）

撮影／我妻慶一　　動画撮影／古澤慎也（4th）　　動画編集／しぶちこ　　取材・文／野口美奈子　　ヘアメイク／坂部めぐみ（メイキャップルーム）