最近、肩が動かしにくくなったと感じませんか。パソコンやスマホ作業でも肩周りのこりがひどくなりますよね。運動指導者の坂詰真二先生によると、いわゆる四十肩、五十肩には肩そのものだけではなく、おなかの柔軟性の低下が深く関わっているそうです。今回は、おなかと肩や腰の不調の関連についてお伝えしていきます。
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「おなか伸ばし」ストレッチで肩や腰のケガを防ぐ
まず四十肩や五十肩について、「動きにくい肩関節を無理に動かすことで小さなケガが生じ、それが元となって炎症が広がるものです」と坂詰先生。
このような肩のケガにも、肩そのものだけでなくおなかの柔軟性の低下が深く関わっています。
「腹筋がかたくなってろっ骨が下がると、肩関節の位置も前に傾いてしまうため、腕を高く上げにくくなるのです。腹筋のかたさとろっ骨の下がりを放置したままで無理に腕を上げようとすると、肩関節に大きな負担がかかるのでケガをしやすい、というわけです」(坂詰さん)
腹直筋をストレッチすることで、ろっ骨を引き上げれば、肩のケガは予防できるそう。
ギックリ腰など腰のケガも同様で、腹筋がかたくなって、骨盤が後傾していると股関節の動きが悪くなります。そうすると、前屈をするときに背骨を強く曲げることになり、その結果腰を痛めやすくなるのだそう。
おなかの柔軟性をチェック!
立って腕を上げてみよう
腹筋がかたいとろっ骨が下がってしまい、その結果腕が上がりにくくなります。すると腕を動かすときに肩関節に大きな負担がかかってケガをしやすくなります。腹筋をやわらかくすればろっ骨が上がり、腕を上げるのがスムーズになります。
座って前屈してみよう
腹筋がかたくなって骨盤が後傾していると、腰を軸に前屈するので動きが小さく、腰に負担がかかります。腹筋がやわらかいと、骨盤が前傾するので前屈が容易になり、腰に負担もかかりません。
このチェックで、おなかが硬いと感じた人は、肩や腰のケガの予防のためにも、「おなか伸ばし」を習慣化させましょう。もちろん、お腹周りをスッキリとするスタイルアップ効果も抜群!
両ひざを床について腹直筋を最大に伸ばす「レベルアップのおなか伸ばし」
(1)ひざをついて座り、つま先を反らし、左右のかかとを持って両腕を伸ばす。骨盤を前傾させ、胸を高く引き上げておく。
(2)骨盤を前傾させて、腕で体を支えたまま、上体を反らせてラクに呼吸をしながら10秒キープ(1)(2)を3セット行う。
目線は上に胸を高く引き上げること。上体を伸ばしたまま後ろに倒すと腹直筋は伸びないので注意して。
前回の「おなか伸ばし」ストレッチよりも少し難易度の高いポーズです。肩も後ろにぐっと寄せられ、肩周りもほぐれます!
撮影/我妻慶一 モデル/古谷未城 文/庄司真紀
参考書籍/『簡単ストレッチですぐにペタ腹!10秒おなか伸ばし』