運動がおっくうという人でもできそうと、いま話題なのがラジオ体操。
「ラジオ体操は、実はさまざまなやせ効果を持つ、優れた体操なんです。ラジオ体操は1~13番までの体操に分かれ、ひととおり行うと、有酸素運動、筋トレ、ストレッチ、バランス運動と、総合的な運動ができる内容になっています。ですからきちんと行うと、脂肪の燃焼が促進し、筋肉が鍛えられ、姿勢も整うなどといった効果が。血行もよくなり基礎代謝もアップ。誰もがやったことがある体操だから、運動が苦手な人でも音楽を聴くだけで自然と体が動き、ムリなくできるはず。続ければやせ効果が期待できます」(スポーツトレーナー・坂詰真二先生)
そして、ダイエット効果をより高めるには、行う時間にポイントが。
「1日で、体温が最も高いのが夕方16~18時ごろ。朝行うのもいいですが、体温が高いときはより体が動かしやすく、消費カロリーも高くなり効果が高まります」(坂詰先生)
夕方にちょこっとラジオ体操をするだけなら、運動が苦手でも続けられるはず。さっそくトライ!
※この記事のラジオ体操は、ラジオ体操第一を指します。
Contents 目次
やせ効果【1】なじんだ動きだから続けやすい
「運動が苦手な人が、いきなり難しい運動をしようとすると、動きを覚えるのだけでも大変で、そこでザセツしがち。でもラジオ体操は、誰でも子どものころにやっていた体操なので、音楽を聴くだけで自然と体が動いてくるもの。さまざまな効果のある動きが含まれていますがカンタンにでき、時間もたったの3分10秒なので毎日続けやすいはず」(坂詰先生)
やせ効果【2】いろいろな運動を含む総合プログラム
「ラジオ体操は1~13番までの体操で構成され、腕を回す運動や、胸を反らす運動、体を横や前後、斜め下に曲げる運動、跳ぶ運動などいろいろな動きが含まれます。そのため有酸素運動、筋トレ、ストレッチ、バランス運動とさまざまな運動に。脂肪燃焼や筋力アップ、姿勢の改善など多くのうれしい効果が得られます」(坂詰先生)
やせ効果【3】ムリなく体にやさしいプログラム
運動不足の人が突然激しい運動をするとケガをしたりなど、体に負担になる場合が。でも順序よく運動刺激を与えて筋肉をほぐし、血流をよくしてから刺激を加えると、強めの刺激でも適応できます。ラジオ体操はこの理論をもとに考案され、じょじょに運動強度を上げていき、後半で再び負荷が軽めの運動になるので、疲れが残らない体にやさしい体操なのだそう。
- 1~3番:日常よく使われている腕と脚を使い、全身の筋肉刺激を高め、血行を促進。
- 4番:体幹部の運動で、初めに呼吸器官の働きを高めます。
- 5~10番:体幹にじょじょに刺激を加え、脊柱の柔軟性を高め、筋肉を伸展、強化して、各部位が連動して動きやすくします。
- 11~13番:腕と脚の運動で、筋肉をほぐし、呼吸の調整を行います。
やせ効果【4】骨格筋を鍛えて血流をよくし、代謝をUP
ラジオ体操は、体熱の産生や姿勢の保持などに重要な役割をする“骨格筋”の筋力アップにつながる運動なのだそう。骨格筋は体重の40%を占める最も多い組織なので、意識的に動かすことで心臓から全身に血液を送り出す筋ポンプ作用が活発になり血行が促進。その結果、代謝アップにつながるのです。
骨格筋を鍛えると、血液を全身へ送る心臓のポンプ作用が高まります。酸素や栄養素も体のすみずみに届いて代謝アップ!
やせ効果【5】背骨や骨盤を安定させ、姿勢を整える
人間の脊椎は、引き伸ばしたS字状に湾曲しているのが正常な状態。でも背中を丸めた姿勢が続くとS字がくずれがち。ラジオ体操は脊椎を矯正して、正常なS字湾曲を保ち、背骨や骨盤を安定させる働きもあるのだとか。
「体のバランスを保つ動きも多いので、姿勢が安定し、キレイな姿勢になります」(坂詰先生)
やせ効果【6】ねじる、曲げる、反る運動でぜん動運動を促進
ラジオ体操には、体をねじったり、曲げたり、反ったりといった運動が含まれます。これらの動きを行うことで、消化器官が刺激されるので、ぜん動運動が活発に。そのため、消化吸収がよくなったり、便秘が改善しやすくなったりといった効果も期待できます。便秘がちでぽっこりおなかが気になる人にもおすすめです。
監修/坂詰真二、取材・文/和田美穂