「休みの日はお昼過ぎまで起きられない…」ということはありませんか。それは疲れがたまっている証拠。特別に疲れるようなことがなくても、“見えない疲れ”は脳に蓄積されてしまいます。今回は、バレエダンサーの竹田純さん考案の脳と体の疲れをとるストレッチ 「バレックス」をご紹介します。ダンサーにとって、パフォーマンスを上げるうえで疲れを翌日に持ち越すのはタブー。誰でも簡単に脳や体をリラックスさせるメソッドです!
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脳と体をリラックスさせるなら「寝っころがり」が決め手
寝っころがった状態(仰向け姿勢)で自律神経と呼吸との関連を調べた実験によると、座った状態よりも、副交感神経の働きを促し、逆に緊張を示す交感神経が低下。
元の状態にもどっても、 20分程度は副交感神経の作用を維持できることが確認されています。
立ったり、座ったりの状態だと、体を支えるために筋肉は絶えず働いています。すると神経は緊張し、一見休んでいるように見えて、交感神経が働くためリラックスはできていません。
一方、寝っころがって背中を床に預けると、副交感神経のスイッチがすぐ入ります。
その上、寝っころがったままストレッチを行えば、筋肉から余分な力が抜けて血流がよくなり、脳と体の疲れを同時にとることができます。
寝っころがった姿勢でできる骨盤周りのバレックス
寝っころがったまま、疲れが蓄積しやすい骨盤や腰のストレッチを実践!
座りっぱなし、立ちっぱなしが続いた時の疲労解消になります。
【骨盤&腰の疲れ】
骨盤が後に傾いたまま座りっぱなしの姿勢が続いたり、重い荷物を持った日には腰に疲れがたまりやすくなります。放っておくと疲労が蓄積して腰痛の原因に。
腰に違和感を覚えたら、床に寝っころがって腰回しを行いましょう。腰周りの硬くなった筋肉がほぐれて、血流が良くなり、腰の痛みが軽くなります。
<1>仰向けでひざを立て両手を横に開く
<2>両手で両ひざをかかえ、胸に引き寄せる
<3>2の姿勢から両手でひざを支えて右に5回まわす
<4>反対側も同じように両手でひざを支えてひざを左に5回まわす
大きくまわさなくても、腰が気持ちいいと感じられればOK。骨盤は仙骨と副交感神経とつながっており、床の上で揺らすことで自律神経のバランスを整えます。
【骨盤を整える】
骨盤の疲れは老化速度をスピードアップさせる原因に。疲れやすくなったり姿勢が悪くなり体型崩れも起きてきます。疲労回復や美しいボディラインに欠かせない骨盤のストレッチを行います。
<1>両ひざを引き寄せ、ひざの内側に手を当てる
<2>ひざを曲げたまま両脚を左右に大きく開く
<3>お尻でゴロンと右へ転がる
<4>お尻でゴロンと左へ転がる
両手の重みを使って両脚をできるところまで大きく開き、左右へゴロンと動かします。
伸びを感じながら、骨盤周りを調整します。
副交感神経に着目した竹田さんのバレックス。バレエダンサーが準備運動として行う「床バレエ」から疲れに特化したポーズをアレンジしたものです。
今回、ご紹介した骨盤や腰回りのバレックスは負荷のかかる動きではないのに縮んだ筋肉が伸びて、疲れが取れ、すっきりリフレッシュできます。
参考書籍
竹田純著『疲れとりストレッチ バレックス』世界文化社
監修/倉恒弘彦(関西福祉科学大学健康福祉学部 医学博士)
文/庄司真紀