「お腹を凹ませたい!」からといって、ひたすら腹筋をガンバっていませんか? じつはお腹やせに、腹筋は不要。ハードなトレーニングをしなくても、姿勢を正せば、スッキリへこみます。そこで今回は、姿勢を整え、くびれを作るために効果的なストレッチを、整体エステ「ガイア」を主宰する・南雅子先生に伝授いただきました!
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猫背が、お腹太り、お尻の出っぱり、腰痛を招く
南先生によると、「お腹ばかりにお肉がつく……」、そんなお悩みをもつ人には、猫背と出っ尻も共通しているそうです。
「猫背で前かがみの姿勢が続くと内臓下垂になり、下半身は上半身の重みをバランスよく受け止めることができず前のめりになり、腰に過度の負荷がかかります。それに耐えようとするため、お尻が出っぱり、腰まわりには硬い肉がつきます。それこそが、出っ尻とお腹太りのはじまりです」(南先生)
さらに、腰に負荷もかけているため、腰痛も引き起こすことが多いそうです。
背骨のつまりが解消されると、ウエストにくびれができる
背骨は33個の骨が連なり、その間には関節があります。猫背が続くと、この関節の間がつまってしまい、骨盤と肋骨の距離が狭くなってしまいます。これも、くびれのない寸胴体型やぽっこりお腹を招いているそう。
「骨盤と肋骨の間が狭くなっているのは、上半身の内臓が本来の位置から押し下げられているからです。すると、ウエストのくびれがなくなり、下腹の内臓を圧迫し狭い場所に収まりきらない内臓が、前にお腹を押し出します。それが、ぽっこりお腹の原因にもなります。背骨のつまりが解消されれば、骨盤と肋骨の距離がすっと広がるため内臓も元の位置に戻り、自然とお腹はへこみます」(南先生)
ぽっこりお腹を解消するためには、猫背を改善することが先決。そのためには、股関節にアプローチをして骨盤の位置を戻すストレッチや、正しい姿勢を維持する筋肉を鍛えることが大事です。それらに効果的な2つのストレッチを紹介します。
ひざ裏たたき
ひざ裏の筋力が衰えると、立ったり歩いたりする際にひざ関節が曲がってしまいます。すると姿勢が崩れ、お腹太りを招くことに。ひざを伸ばす動きで、ひざ裏の筋肉を鍛えましょう。
<1>
壁に背中につけて座り、両脚を前に伸ばします。足はこぶし1つ分開き、足指をまっすぐ上へ向けます。
<2>
右手を熊手のようにして、右のお尻の下へ入れます。その手でお尻の肉を下から上へ持ち上げます。
右手はそのままに、今度は左手を左のお尻の下に入れ、同様に引き上げます。
このように両方のお尻を引き上げると、自然と背すじが伸びます。
<3>
背すじが伸びた状態で、手をお尻から離します。右手は右太ももの上に添え、左手は姿勢をキープしやすいようにお腹に当てておきます。この体勢で、右ひざを軽く曲げる、伸ばすをリズミカルに繰り返し、ひざ裏で床をトントンと5回たたきます。
5回を1セットとし、3セット繰り返したら、手を入れ替えて左脚でも同様に行いましょう。
このストレッチは、ひざを曲げることよりも、床でひざ裏を伸ばす動きがポイントです。
股関節まわし
股関節や骨盤周辺の筋肉をほぐし、骨盤を正しい位置に戻すストレッチ。骨盤位置が整えば、自然とウエストはくびれます。腰をまわすのではなく、骨盤の下にある股関節のそばの座骨と恥骨をまわすことが大事です。
<1>
足を肩幅よりやや広く開き立ちます。両足の指を持ち上げ、かかとに重心をかけます。両手は指をそれぞれの脚のつけ根に添え、目線は正面へ向けます。
<2>
脚のつけ根を右、後ろ、左、前へと時計まわりに3回まわします。このとき、腰をまわすのではなく恥骨をまわすことが大事です。骨盤は上下に揺れず、水平に動きます。
<3>
次に、<2>と同じ要領で反時計まわりに3回まわします。
時計まわりに3回、反時計回りに3回を1セットとし、3セットくり返しましょう。
腹筋よりもずっとラクなうえ、根本的な原因に効くストレッチです。ハードな動きは苦手という人でも手軽にできるので、ぜひ楽しみながら実践してみましょう。
撮影/山上忠 モデル/成田沙季(ニュートラルマネジメント)ヘア&メイク/斎藤節子 文/柿沼曜子 衣装協力/アディダス