大きく脚を開くことができたり、体を折りたたむように前屈ができたりする「やわらかい体」に憧れている人は多いと思います。でも、体は「やわらかいほどいい」のでしょうか。本当に必要な体のやわらかさについて、プロトレーナーの坂詰真二さんに教えてもらいました。
Contents 目次
私たちの日常の動きは、すべて「前後」の方向
「たとえば、180°の開脚ができる人を見ると『体がやわらかい』と感じるかもしれませんが、正しく股関節を動かすためには、90°の開脚ができるやわらかさがあれば十分です。というのも、歩く、座る、立ち上がるという私たちの日常の動きの方向はすべて『前後』方向。『左右』の方向のやわらかさは、私たちの日常生活や姿勢にはあまり影響がないんです」(坂詰さん)
それよりも、体の動きに直接影響を与える、『やわらかくしておくべき』部位を知っておいてほしいといいます。それは、どこなのでしょう。
日常の動きに影響し、現代人が縮みがちな部位をやわらかく
「『前後』の動きに関わる、首の前側、胸、お腹、腰、お尻、太ももの裏側、ふくらはぎの7か所です。座りっぱなしの体勢が多い現代人は、どうしても縮みがちな部位ですが、硬いままだと立った状態の姿勢、日常のさまざまな体の動きに影響が出てしまうだけでなく、関節の変形や歩行トラブルの原因にもなってしまいます」(坂詰さん)
そこで、「必要なやわらかさ」がわかるテストを紹介。3つの動きでわかるので、自信がある人もない人も、「体のやわらかさ」に興味がある人は、ぜひチェックしてみてください!
【テスト1】お尻、太ももの裏側、ふくらはぎといった下半身のやわらかさをチェックします。
足を肩幅に開き、つま先を正面に向けて立ちます。肩の正面で腕を伸ばし、手のひらを床に向けます。
CHECK1
両腕を正面に伸ばしたまま、ひざを曲げ切ってしゃがみます。かかとは床につけておきます。
CHECK2
1ができた人は元の姿勢に戻ります。今度は、ひじを伸ばして背中側で両手を組み、同じようにひざを曲げ切ってしゃがみます。
できない…0点/CHECK1ができた…1点/CHECK 2もできた…2点
【テスト2】ひざ立ちになって反る動きで、お腹のやわらかさをチェックします。
ひざ立ちになり、足を肩幅に開きます。腕はかかとに向かってまっすぐ下ろし、足はつま先立ちにしておきます。
CHECK1
お腹を突き出しながら体を後ろに倒していき、左右の指先でそれぞれの足のかかとに触れます。
CHECK2
1ができた人は元の姿勢に戻ります。体を後ろに倒していき、今度は左右の手でそれぞれの足首をつかみます。
できない…0点/CHECK1ができた…1点/CHECK 2もできた…2点
【テスト3】意外と機会の少ない腕を上げる動きで、肩まわりのやわらかさをチェックします。
壁に背中をつけて立ちます。両足はこぶし1つ分開き、頭、お尻、ふくらはぎ、かかとも壁につけましょう。腕は体の横で下ろし、親指を立て、ほかの指をそろえます。
CHECK1
体の前側で半円を描きながら片側の腕を頭の上に伸ばし、親指の先を壁につけます。左右どちらの腕もできればクリア。
CHECK2
1と反対側の腕も、同様に行います。左右両方の腕でできればクリア。
できない…0点/CHECK1ができた…1点/CHECK 2もできた…2点
合計得点は?
6点…20代
5点…30代
4点…40代
3点…50代
2点…60代
1〜0点…80代
実際の年齢以上の結果が出た人も、あきらめずにストレッチを始めましょう。次回から、「やわらかくしておくべき部位」のストレッチを紹介します!
〇Dr.クロワッサン「何歳からでもカラダはやわらかくなる!」(マガジンハウス)
撮影/徳永徹 モデル/安田七奈 ヘア&メイク/斎藤節子 取材・文/馬渕綾子