「最近つまずくことが多くなった…」「電車が少し揺れるだけでも、グラついてしまう…」など、体の衰えを感じることはありませんか? 多くの人は、トレーニングはスポーツのパフォーマンスを上げるためのもの、または理想のボディを手に入れるためのものだから自分には関係ないと思いがち。ですが、体を機能的に使えるようになれば、日常生活を送る上でもいいことがたくさんあるのです。そこでコンディショニングトレーナーの桑原弘樹先生に、体の機能をアップさせるトレーニングを教えていただきました。
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ファンクショナルトレーニングの利点とは?
ファンクショナルとは、機能的という意味。一般的な筋トレは筋肉を増やすために行いますが、ファンクショナルトレーニングは「動ける体を作る」ためのもの。桑原先生によると、ファンクショナルな体を手に入れるためには、コア(体幹)を鍛えることが大切なのだそう。
「今回ご紹介するファンクショナルトレーニングもそうなのですが、プランクやドローイン、腹筋など、自宅でできる自重トレーニングをとり入れることで、専用の器具を使って行うウエイトトレーニングが優位に行えるようになるのです。さらに、ウエイトトレーニングのあと有酸素運動を行えば、脂肪が燃えやすく、成長ホルモンも出やすくなります。ファンクショナルトレーニングは、やり込めばやり込んだぶん、体が動くようになりますので、みなさんもぜひ挑戦してみてくださいね」(桑原先生)
効果を実感するまでに時間がかかるウエイトトレーニングに比べ、ファンクショナルトレーニングは割と早い段階でその効果を感じることができるといいます。それではさっそく5つのメニューを見てみましょう!
フロントブリッジランジ(目安回数:各10回)
体幹を鍛える「フロントブリッジ」の応用編。走るようなイメージで脚を動かすのがポイントです。
両手両足を床に着け、腕立て伏せを行うような体勢になります。右脚を折り曲げながら素早く胸に近づけ、2秒キープしたあと元の状態に戻します。左脚も同様に行いましょう。これを交互に20回くり返し行います。
スクイーズ(目安回数:各10回)
「スクイーズ」には「絞る」という意味があります。手と足を反対方向に倒し、体を絞ることで、腹筋に刺激を与えます。
(1)あお向けになり、手のひらを合わせ、両腕を上に伸ばします。両脚をそろえ、ひざを軽く曲げ、床から浮かせた状態に。
(2)両腕を左側に、両脚を右側に、それぞれ床に着かない位置まで倒します。一度(1)の状態に戻ったら、今度は両腕を右側に、両脚を左側に倒し(1)の状態に戻りましょう。これを交互に20回くり返し行います。
ペンデュラム(目安回数:各10回)
「ペンデュラム」とは、「振り子」のこと。振り子のように脚を大きく動かすことを意識してみましょう。脚の動きにつられて上半身が動いてしまうと効果が半減してしまうため、注意が必要です。
(1)右側の側面を下にして横向きになり、右腕を90度に曲げ、上体を起こします。体を支えるように、左腕は体の前に置きましょう。右脚を軽く曲げ、左脚はピンと伸ばし床から浮かせた状態に。
(2)左脚をうしろに勢いよく引き、(1)の状態に戻します。これを10回くり返し行いましょう。体勢を入れ替え、反対側も同様に10回行ってください。
ファンクショナルスクワット(目安回数:各10回)
通常のスクワットよりもバランス感覚が必要なトレーニング。わざとグラグラするようなフォームで行うことで、脚だけでなく、体のいろいろな部位の筋肉を刺激します。
(1)足を肩幅程度に開き、両手を体の横に自然に置き、立ちます。右脚を大きく1歩うしろに下げ、重心を落としたら、上体を左側にひねります。立ち上がりながら、右脚を大きく1歩前に踏み出し、元の体勢に。
(2)今度は左脚を大きく1歩後ろに下げ、重心を落とし、上体を右側にひねります。元の状態に戻ったら、これをくり返し20回行いましょう。
プランクドローイン(目安時間:60秒)
体幹を鍛える「プランク」と、腹筋に効果的な「ドローイン」を組み合わせることで、腹横筋への負荷がアップします。さらに姿勢の改善にも効果的。
うつ伏せの状態から、腕を90度に曲げ、つま先を立て、体を床から浮かせます。腹式呼吸を行ったあと、息を吸いながらお腹を引っ込め、そのままドローインの状態をキープ。この体勢を60秒間保ちましょう。
★ドローインのやり方がわからないときは…
一度起き上がり、お腹に手を当てて行うとドローインのイメージがしやすくなります。
ボディメイクをする上で大切なのは8割が食の要素、そして2割がトレーニング。もちろん食事だけでいいというわけではありません。しっかりとトレーニングをしていても、なかなか理想の体に近づけない…という人は、食事を見直してみるといいかもしれません。
撮影/我妻慶一 文/FYTTE編集部