太ももが張りやすいのは、前と外。今回は前に張り出した太ももが気になる人のためのストレッチ法を紹介します。モデルや美容家から支持されている、パーソナルトレーナーのKAORU先生に伺いました。
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外ももが張るのは、股関節がじょうずに使えず、内ももが機能してないことが、主な原因
外ももばかり張ってしまうのはなぜ?
「外ももが張っている、ということは、外ももばかりがガンバっていて、内ももが使えていないということです。太ももを形成する大腿四頭筋の中でも外側の筋肉がギュッと収縮し、外へ外へと太ももを引っ張ってしまっています。このとき、内ももの筋肉がきちんと拮抗(きっこう・互いに引っ張り合うこと)するように働いていれば、外ももばかりが発達することはありません。しかし、多くの方は内ももが機能してなく、外に引っ張られ続けられているため、張りが目立つのです」(KAORU先生)
そして、外ももの張りがある人のほとんどは、内またでO脚です。
「ひざが内側に入ってるため内ももがきちんと伸びず、その結果、絶えず外ももを使ってしまうので、太ももが外へ張り出します。内側と外側の太もものバランスがとれていないと、ますます外ももが張るばかり…。こういう人がスクワットをしても、張りが大きくなって逆効果。外ももばかり鍛えてしまうので、ますます内ももが伸びなくなり、外ももが発達する…という悪循環に陥るのです。まずは使われていない内ももの筋肉を目覚めさせることから始めましょう」(KAORU先生)
そのためにまず、とり組みたいのが「リリース」です。
これは、こり固まった筋肉をほぐす方法。筋肉を伸ばすストレッチの前にとり入れることで、骨や筋肉を本来のあるべき場所に戻します。眠っていた筋肉が目覚め、体が機能的に動くようになるのです。
「外ももの張りは、直接手でもんでゆるめる方法もありますが、太ももの外側は大きな筋肉のため、ほぐしづらいもの。そこでおすすめが、股関節の起点となる部分をほぐすリリースです」(KAORU先生)
股関節リリースで、外もも張りの原因となる筋肉をゆるめる
内ももと後ろの太ももを使えるようになると、外張りが抑えられるようになります。内側と後ろ側の筋肉を使える筋肉にするためにゆるめるべき場所は、股関節の開きの要となる筋肉です。
「太ももの側面には、大腿筋膜張筋(だいたいきんまくちょうきん)という部分があるのですが、この筋肉は股関節が外旋(がいせん・外に開く動き)するのを抑え、太ももをまっすぐ前方へ振り出す力をサポートします。太ももが外に張っている人は、この部分が固くなり、動きがにぶくなってる状態。ですから、この部分をピンポイントでほぐす必要があります。ほぐして股関節がゆるむと、同時に外側に引っ張られていた太ももの筋肉もゆるみ、自然と太ももの内側の内転筋が使えるように。すっきりとしたレッグラインになれますよ」(KAORU先生)
テニスボールを置くのは、股関節の上の太ももの外側のかたくなっているところ。腰をさわると出っ張った骨(腸骨)に当たりますが、そのやや後ろに位置し、押すと痛みがあります。ただし、ここを無理にほぐすと痛みが出るだけでなく、靱帯がゆるみすぎて骨盤が不安定になってしまうので、やり過ぎには注意しましょう。ボールは転がさず、当てるだけでOKです。
床にボールを置き、その上に体をのせ、片ひじを曲げて体を支えます(体に圧がかかりすぎないようにする)。20秒キープしたら、反対側も同様に。
痛みが強くない人は、寝転がってもOK。気をつけることは、下の脚は上半身と合わせてまっすぐに床に伸ばすこと。上の脚は体の後ろでひざを曲げ、体を支えます。外側に引っ張られていた太ももの筋肉がゆるみ、次から行うストレッチの効率が上がります。