消えたウエストライン、厚みを増した背中、たくましくなった太もも…etc。老け見えボディに直結する、いちばんの原因が体型の崩れです。そこで、ボディメイク・メソッド「タテ伸びモーション」を提唱するパーソナルトレーナーの日高靖夫先生に、加齢によって崩れたボディラインにメリハリがよみがえる方法を教えてもらいました。
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■部分やせトレーニングは、ボディバランスを崩す!?
ウエストや二の腕、太ももなど、気になるパーツのみを効率よく細くしたいと願う女性は多いもの。でも、部分やせを目的としたトレーニングを行うことで、かえってスタイルが悪く見えてしまうこともあるそう。
「スポーツクラブやトレーニングジムなどでは、胸、腹部、太もも前面、太もも裏面など、パーツを細かく分けた筋肉トレーニングのメニューが用意されていることがよくあります。でも、体は本来すべてつながっていて連動して動くもの。なので特定のパーツだけを一生懸命鍛えると、骨や筋肉にアンバランスが生じてボディバランスを崩すことに。その結果、スタイルが悪く見えてしまうことがあります」(日高先生)
とくに女性は、全身のバランスがキレイに整っているとスタイルがよく見えて若々しい印象に。そう、こだわるべきはパーツではなく“ライン”なのです!
■「伸ばす×縮める」筋肉の拮抗(きっこう)作用がボディメイクのカギ
「ウエストライン、ヒップライン、レッグラインと表現されるように、ほどよく引き締まった女性らしい美ボディを手に入れるには、パーツではなく、ラインを整えていくことが大切。そのためには、体を縦に伸ばすことで現れるウエストラインのくびれや、ほっそりとしたレッグラインを体に形状記憶させて、美しいボディラインを叶える『タテ伸びモーション』が効果的です」(日高先生)
「タテ伸びモーション」は、アウターマッスルを鍛える筋トレとは異なり、体の深いところにあるインナーマッスルを強くするエクササイズ。そのため、体のコアが引き締まった女性らしいシルエットのボディラインを作ることができるのです。このメソッドをベースに、さらにボディラインに磨きをかけたい人におすすめなのが、ストッキングを利用してストレッチしながら筋肉を鍛える「ストッキング伸ばし」。
「体の動きは骨や関節まわりの“筋肉を伸ばす×反対側の筋肉を縮める”という拮抗(きっこう)する働きによって成り立っています。この筋肉の働きを利用し、体の一方を積極的に伸ばしてストレッチ×反対側の筋肉を積極的に縮めてトレーニングするエクササイズが『ストッキング伸ばし』です。これを行うことで、ストレッチする側は老廃物が流れてボディラインがしなやかに整えられ、トレーニングする側は効率よく筋肉が鍛えられ、引き締め効果がUP。結果的に、しなやかに引き締まったメリハリのある美ボディになれるのです」(日高先生)
では、さっそく「ストッキング伸ばし」を実践! その効果を感じてみましょう。
■「ストッキング伸ばし」でメリハリボディを再生!
ストッキングを利用して、ストレッチ&筋トレを同時に行うハイブリットエクササイズが「ストッキング伸ばし」です。筋肉を「伸ばす&縮める」感覚に意識を向けながら行いましょう。
●「上下伸ばし」で、くびれたウエストライン&背中引き締め
わき腹〜わきの下をストレッチしながら、背中の筋肉を引き締めましょう。ウエストにくびれを作るとともに、背中のたるみを撃退します。
1、両脚をそろえてまっすぐ立つ。ストッキングの両端を手に巻いて固定し、片手を頭上、もう一方の手をお尻の真下にセット。息を吐きながら上下に引っ張り、伸びきったところで5秒キープ。
2、反対側も同様に5秒キープ。これを5往復行う。
●「胸開き」で、美しいバストライン&肩まわり引き締め
肩甲骨を寄せながら、胸元をストレッチ。デコルテ〜バストラインにハリがよみがえり、肩まわりの丸みをスッキリ解消!
1、両脚をそろえてまっすぐ立つ。ストッキングの両端を手に巻いて固定し、ストッキングを背中側に回す。ひじを伸ばして両手を左右に引っ張り、胸を開く。
2、「フッフッフッ」とリズミカルに呼吸しながら、鳥が羽ばたくイメージで両手を前後に30回動かす。
●「左右倒し」で、ほっそりサイドライン&体側の引き締め
年齢とともに横に広がっていく体のサイドラインを整えるエクササイズ。続けるうちに、細身のシルエットがよみがえるように。
1、脚を腰幅に開いて立つ。ストッキングの両端を手に巻いて固定し、頭上で左右に引っ張る。左脚に体重をのせ、体の側面で「C」のカーブを描きながら5秒かけて上半身を右へ倒し、ストッキングを床と垂直にする。
2、反対側も同様に。これを左右5回ずつ行う。
「ストッキング伸ばし」はいかがでしたか? ストッキングだと、イマイチ気分が上がらないという人は、楽体(らくだ)という、フィットネスリングなどを利用してもOK!
衣装提供:GapFit モデル/ヤハラリカ 撮影/山上忠 ヘア&メイク/斉藤節子 取材・文/野口美奈子