運動を行う目的は、ダイエットや美容などさまざま。こうしたメリットは短期的に得られますが、長期的な効果も見逃せません。エイジングや病気予防に役立つのも大きなポイント。そして、最近、注目されている重要な効果のひとつが、心臓へのメリットです。これは研究から明らかになっており、心臓のトラブルによる突然死、病気の悪化を防ぐことが証明されてきているのです。
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注目される心臓へのメリット
スポーツ庁の発表した「スポーツ実施状況等に関する世論調査」によると、ふだんから運動に取り組んでいる日本人(成人)は、50%強。2018年のデータでは、週1日以上スポーツをしているのは男性で57.6%、女性で53.0%となっていました。運動をしている人、していない人はほぼ半々。定期的な運動は美容やダイエットなどの短期的に現れる効果のみならず、長期的な健康にも及ぶことがはっきりしているだけに、できれば取り組みたいところです。
そして、運動の効果としてどんどん解明されてきているのが、心臓への効果です。世界保健機関(WHO)によると、世界の死因の3割超を占めているのが心臓や血管が関係した病気。最近、欧米の研究からは、これらの病気を防ぐためにウォーキングやジョギングなどの有酸素運動をはじめとした運動が重要であることが、続々と発表されています。
運動によって突然死が減る
こうしたなか、研究で明らかになった効果のひとつが突然死を防ぐ効果。心臓のトラブルによる突然死は日本でも少なくありません。2019年、米国とスペインの国際研究グループが、ウォーキングやジョギングといった運動に突然死を防ぐ効果があるかについて、世界中の研究を調査。運動に取り組むことで突然死が防ぐことができたと報告しています。
また、同様に今年、フランスのブルゴーニュ・フランシュコンテ大学の研究グループが、心臓の病気になった人への運動の効果が十分に証明されていないことから研究を実施。心臓が弱っている人は、運動することがむしろ悪い可能性もあるわけですが、体力テストや認知機能検査の結果から、恩恵が大きいという結果を導き出しました。
健康なときはもちろん、何か病気になったとしても医療機関に相談したうえで、運動に取り組むことは重要といえそうです。
<参考文献>
スポーツ庁「スポーツ実施状況等に関する世論調査」
Prog Cardiovasc Dis. 2019 May – Jun;62(3):279-287. doi: 10.1016/j.pcad.2019.05.003. Epub 2019 May 8.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31075278
Sports Med Open. 2019 Sep 3;5(1):39. doi: 10.1186/s40798-019-0211-2.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31482208
Adv Exp Med Biol. 2017;999:269-286. doi: 10.1007/978-981-10-4307-9_15.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29022268
Can J Cardiol. 2019 Oct;35(10):1353-1358. doi: 10.1016/j.cjca.2019.05.038.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31601414
Regular exercise is good for your heart, no matter how old you are!
https://www.sciencedaily.com/releases/2019/10/191008083117.htm