ウォーキングしたりランニングしたり、ヨガやダンスをしたり…そうして体を動かしていると、屋内でじっとしているよりも気持ちが晴れやかになるもの。フィットネスは体を鍛えるばかりではなく、心も軽やかにしてくれます。そこで米国の研究グループが心の病を防ぐためにどれくらい運動をするとよいのかを検証。目安となる時間を割り出しました。
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運動は気分を軽くしてくれる?
研究からも、体を動かすことがメンタル面でプラスの効果をもたらしてくれることは示されるようになってきています。たとえば、憂うつな気持ちを軽くしたいと思ったときには、なすすべがないわけではなく、体を動かすのがよいと考えられるようになっています。
このたび米国ハーバード大学の研究グループはフィットネスの心への影響に着目し、分析しました。体を動かすことが実際にうつ病を防ぐことができるのか。あるいは因果関係が逆で、メンタルが落ち込んでいる人が、体を動かさないだけなのか。運動でうつ病を防ぐことができるとした場合に、どれくらいの運動が必要となるのかを検証することにしました。
やっぱりエクササイズでうつ病は減る
そうしてわかったのは、体を動かすこと自体がうつ病を防いでくれるということ。1日35分を目安にすると、効果が現れるようです。もともとうつ病になりやすい傾向があったとしても、それを打ち消すような効果もあると見られました。
研究グループによると、遺伝的にうつ病になりやすい人がいるようなのですが、生活データを2年間にわたって膨大に収集して分析したところ、身体活動が多い人では遺伝的にうつ病のリスクがあったとしても、実際にうつ病になることが少なくなることがわかったのです。うつ病を撃退するために有効な運動の時間は1日35分と算出。日ごろのランニングやトレーニングなど、体を動かすときにはそんな心の健康への効果も意識しておくと、運動の意義をより実感できるのかもしれません。
<参考文献>
Lower risk of depression with elevated exercise https://news.harvard.edu/gazette/story/2019/11/physical-activity-may-protect-those-at-risk-for-depression/
Depress Anxiety. 2020 Feb;37(2):106-114. doi: 10.1002/da.22967. Epub 2019 Nov 5. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31689000
JAMA Psychiatry. 2019 Apr 1;76(4):399-408. doi: 10.1001/jamapsychiatry.2018.4175. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30673066