断続的に断食を行う「インターミッテント・ファスティング(いわゆるプチ断食)」は、ダイエットに効果的なだけでなく、病気予防の効果を高めるようです。このたびオーストラリアの研究グループが、プチ断食がどのように病気の予防につながるのか、そのメカニズムを最新の方法で調べました。幅広い効果が期待できるようです。
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お腹は空くけどそのメリットは?
ダイエット効果から注目されているプチ断食。1日のうちで食事ができる時間を制限する方法や、1週間で日にちを決めて食事を制限する方法などが知られています。最近の研究では、そうした食事を減らす方法が新陳代謝を改善して、病気の予防にもつながる可能性が指摘されるようになっています。
このたびオーストラリア、シドニー大学の研究グループは食事を制限する方法と肝臓の新陳代謝との関係を調べることで、病気を防ぐ効果もあるのかを分析しました。動物実験でマウスに24時間は通常どおりのエサを与え、その後の24時間はエサを与えないというサイクルを12日間くり返し行って、体への影響を調べたのです。11日間食事をいつでも食べられるマウスとの間で比較しています。
プチ断食で肝臓が元気に
こうして判明したのは、1日置きにエサの制限をすると、肝臓のなかでの脂肪の新陳代謝に変化を及ぼし、病気予防につながる可能性があることでした。研究グループが見つけたのは肝臓のなかでの「HNF4-α」という酵素の変化。この変化は健康に役立つ可能性があるとみられました。研究グループによると、この一連の変化はこれまで知られていなかったそうで、プチ断食は細胞レベルでの変化を起こすことが明らかになりました。
今回のような研究がさらに進めば、もっと最適なプチ断食の方法が割り出される可能性もあるようです。ますますインターミッテント・ファスティングが注目されそうです。
<参考文献>
How intermittent fasting changes liver enzymes and helps prevent disease
https://www.sydney.edu.au/news-opinion/news/2020/03/11/how-intermittent-fasting-changes-liver-enzymes-and-helps-prevent.html
Hatchwell L, Harney DJ, Cielesh M, et al. Multi-omics Analysis of the Intermittent Fasting Response in Mice Identifies an Unexpected Role for HNF4α. Cell Rep. 2020;30(10):3566–3582.e4. doi:10.1016/j.celrep.2020.02.051
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32160557/
https://www.cell.com/cell-reports/fulltext/S2211-1247(20)30212-6