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かかと体重®で歩くとスリムな脚に! 2020年美脚大作戦vol.2~脚の悩みが改善する理由~
Contents 目次
「かかと体重®」で歩くと、脚の疾患に効果がある
かかとの上に重心位置を置くと、重力に対してまっすぐ立てるようになり、骨格のアライメント(構造・バランス)が整います。
具体的には、傾いていた骨盤が正しい位置に戻ったり、関節の可動域が広がったりなど。
さらに、股関節のアライメントが整うことで、それまで骨格のゆがみによって圧迫されていた鼠径部(そけいぶ)の血管やリンパ管がもとの状態に戻り、脚や腹部の血流が改善され、筋肉のこわばりがゆるみ、代謝機能も向上します。
その結果、股関節やひざの負担が減り、歩いていても疲れることがなくなるのです。
荷重する位置が前から後ろに移動することで、体全体のバランスも整い、ゆがみや猫背の改善にもなり、骨格が本来の正しい位置へと戻ります。
■かかとの上に重心位置を置いている状態(左)と置いていない状態(右)のアライメント例
効果の実例としては、次のような方がいます。
●腰が曲がり、歩行器がないと歩けなかった88歳の女性が、3カ月後、まっすぐの姿勢ですたすたと歩けるようになった
●変形性関節症で手術が必要だった女性が、半年間続けたところ、つぶれていたひざの関節が改善された
●脳性麻痺で「歩くことが困難」と医師から言われた男の子が、しっかりとした足どりで歩行できるようになった
さらに最近では、乳がんの患者さんの術後のむくみ改善策として、この歩行方法がとり入れられています。
■O脚の改善例
「かかと体重®」で歩くことがむくみや下肢静脈瘤に効く理由
下肢静脈瘤の原因は静脈の弁が壊れることにあります。
弁が壊れるのは、ずっと立ち仕事をしている人に多いのですが、立ち方・歩き方を変えれば弁が壊れるのを防ぎ、下肢静脈瘤やむくみを改善できるのではと考えました。
かかとに体重を乗せて立っていれば、くるぶしから太ももまでがまっすぐで、地面に対して垂直になります。すると、股関節の角度も正常に保たれ、下肢静脈瘤になりにくい、もしくは改善につながります。
しかし、つま先に体重をかけた前傾姿勢でいると、重心の位置がズレるため、バランスをとろうとして骨盤が倒れ、股関節も曲がってしまいます。すると、鼠径部で血管とリンパ管が圧迫されて、下肢の末端までの血流が悪くなります。これにより、むくみを引き起こします。
さらに血流が悪くなると、弁が壊れやすくなります。弁が壊れると血液が逆流して、血管が膨らみ、さらにほかの弁も壊れやすくなることがわかりました。そして、それがひどくなると下肢静脈瘤を引き起こすのです。
ですから、立つときも歩くときも、骨盤を立てて股関節をまっすぐ伸ばすことが重要です。
姿勢を美しく見せようとして、腰を反らせたり、胸を張ろうとしたりする人がいますが、これはNG。どこかが突き出ると、重心の位置をもとに戻そうとして他の部位をずらしてバランスをとるため、骨盤や脚を地面に対して垂直に保てなくなってしまいます。猫背やひざを上げて歩く歩き方も同様です。立つときも歩くときも、骨盤を立てて股関節をまっすぐ伸ばすよう、心がけましょう。
次回は、この考え方をベースに、ウォーキングに必要な身体の使い方をお伝えしていきます。
かかと体重®で歩くと血流がよくなり、
むくみや下肢静脈瘤が改善されるプロセス
1.かかとの上に体重を乗せて立つ・歩く
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2.骨格のゆがみが整って筋肉の緊張がとれる
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3.血管・リンパ管の圧迫がとれる
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4.血液やリンパの流れが改善される
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5.代謝機能が改善され、むくみや下肢静脈瘤が改善される・なりにくくなる
<参考書籍>
『かかと体重®で歩くと脚の悩みは9割解決する』(ゴマブックス)
撮影/国井美奈子 取材・文/垣内 栄 イラスト/鳥光芳樹 モデル/鈴木 優(バウンドプロモーション)