FYTTE

Healthcare
CATEGORY : ヘルスケア |不調

気のせいじゃなかった! 疲れによる老け顔は、実際に老けている証拠?!

Share
疲れた表情の女性画像

人の疲れはすべて、脳の疲れです。運動しているときや仕事で集中力を発揮しているとき、ストレスを感じているときなどは、脳の自律神経の交感神経が過度に興奮するため、自律神経が疲れてしまうのです。さらにくわしい疲労のメカニズムを、疲労研究の第一人者で、東京疲労・睡眠クリニック院長の梶本修身先生に伺いました。

監修 : 梶本 修身

東京疲労・睡眠クリニック院長。医学博士。2003年より産官学連携「疲労定量化及び抗疲労食薬開発プロジェクト」統括責任者。ニンテンドーDS『アタマスキャン』をプログラムして「脳年齢」ブームを起こす。『世界一受けたい授業』(日本テレビ系)など、メディアでもおなじみの疲労研究の第一人者。著書に『すべての疲労は脳が原因』『すべての疲労は脳が原因2〈超実践編〉』(集英社新書)、『隠れ疲労』(朝日新書)など多数。

Contents 目次

活性酸素で自律神経の細胞が傷ついて、働きがパワーダウン

頭を抱える女性の画像

「自律神経が疲れる」とは、どういうことなのでしょう。もう少し、疲れのメカニズムを掘り下げてみます。

「交感神経の興奮した状態が続くなど、自律神経の活動量が増えると、細胞は多くの酸素を必要とします。その結果、大量の活性酸素が発生します。すると、活性酸素によって、細胞がさびて傷つくという酸化が起こります。それが疲れの正体。細胞が傷つくことで自律神経の働きがパワーダウンしてしまうのです」

一方で、自律神経の細胞がさびて傷つくと、それを修復するメカニズムも同時に動き始めます。
「自律神経の細胞がさびて傷つくと、疲労物質というものが発生しますが、体内で疲労物質が増えると、それに反応して、疲労を回復させる物質も発生します。それが、細胞のさびをとって、ダメージから回復させてくれるのです。たとえ激しい運動をしても、1~2日経てば、その疲れがとれるのは、この物質が働いてくれるからです。

しかし、仕事や運動などで活動量が多くなれば、細胞が傷つき酸化する量が修復される量を上回り、疲れがたまってしまいます」

疲れた人は、老け顔になりやすいい!?

鏡に向かう年配の女性

さて、ここからは、疲れは、美容にも影響するというお話です。

「疲れている人は、なんとなく老けてみえるものですが、実際に老化が進んでいるのです。老化も、細胞の酸化が原因です。活性酸素によって、一時的に細胞が傷つくのが疲れで、その傷が修復されずに傷ついたままになるのが老化です。
疲れがどんどんたまっていくと、傷ついた細胞の修復が間に合わず、肌の新陳代謝にも影響。肌がくすんだりして、老け顔になってしまうのです」

疲労を回復させる物質の出る量やその働きは、加齢とともに衰えていくそうです。年をとって、肌荒れが改善しにくい、疲れがとれにくいと感じるようになるのは、これが原因です。残念ながら、気のせいではないのです。
「自律神経の働きを示す指標に『パワー値』というものがありますが、パワー値と体力は、ほぼイコールといわれています。つまり、自律神経が老化すると、体力も落ちるというわけです」

取材・文/海老根祐子

連載・関連記事

関連記事

  1. Healthcare人気書籍『なんとなく不調をととのえるスープ』の著者に聞く! 食養生のコツとおすすめスープレシピ

    人気書籍『なんとなく不調をととのえるスープ』の著者に聞く! 食養生のコツとおすすめスープレシピ

    36
  2. Healthcare人気書籍『なんとなく不調をととのえるスープ』の著者に聞く! 心身を見つめ直す、滋味スープの原点

    人気書籍『なんとなく不調をととのえるスープ』の著者に聞く! 心身を見つめ直す、滋味スープの原点

    54
  3. Healthcare感染症リスクを低下させる栄養サプリメントは? 海外研究からわかったこと

    感染症リスクを低下させる栄養サプリメントは? 海外研究からわかったこと

    32
  4. Healthcare大腸からアプローチ!  専門家が教える「秋冬の感染症対策」&「免疫強化のお手軽レシピ」

    大腸からアプローチ! 専門家が教える「秋冬の感染症対策」&「免疫強化のお手軽レシピ」

    27

おすすめの記事PICK UP