難しい知識が必要というイメージの薬膳ですが、じつは身近な食材で簡単に実践できます。なんとなくそのときの気分で選びがちなコンビニ食も、使われている食材に注目して目的に合わせて選ぶと、あっという間に薬膳メニューに。不眠解消に効果的な、焼きそば+レモン汁は夕食のメニューにおすすめ。
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眠りの質を左右する「心(しん)」を元気に!
気温が上がってくると寝つきが悪い人や眠りが浅くなる人が増えるそう。そんなときは、「心の不調」「精神不安」「熱がこもっている」などが考えられます。
「中医学でいう“心(しん)”とは、血流や精神の安定、思考能力や鮮明な意識を司る臓。血液を全身に巡らせる役割がありますが、心が元気でないと頭に血がのぼらなくなって、頭が働きにくく、もの忘れが増えたりということも。心の不調により血流がうまくいかないと、動悸や精神的不安の原因にもなるんです。その結果、不眠につながることも。心を元気にする食材を積極的にとり、夏に浅くなりやすい眠りの質をアップしましょう」
不眠を解消したいときは…【焼きそば+レモン汁】
焼きそばの麺に使われる小麦には、「心」をいたわり精神を落ち着かせてくれる作用があります。また、レモンには「清熱」といった作用があり、体にこもった熱をとってリラックスさせてくれます。「心」が弱って、精神的に不安定になるなどの不調を感じるときは、これらの食材が使われたメニューを選ぶと◎。寝る前の心と体をゆったりと落ち着かせてくれます。
<さらに眠りの質をアップするワンポイントアドバイス>
熱は活動の源。体に熱がこもると意識も覚醒するといわれています。最近眠りが浅いなと感じるときは、夕食にスパイスや香辛料、辛いものを食べるのは控えましょう。また、直前までスマートフォンを見たり、激しい運動をしたり、明るい電気で過ごしたりするのもNG。できるだけ頭は使わず、気持ちをゆったりと落ち着かせ、眠りに入る準備をして。ノンカフェインのハーブティーを飲んでリラックスするのも◎。
これから気温も上がり、眠りの質が低下しやすくなる季節。食事や習慣を見直して、ぐっすり快眠を目指しましょう。
イラスト/伊藤ハムスター 文/高野瞳