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新型コロナウイルスの感染予防にもとり入れたい! 歯科医考案「ブクブクうがい」

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コップを口元にもっていっている画像

全国で緊急事態宣言が解除となり、人の動きも少しずつ活発になってきました。しかし、新型コロナウイルス感染は、ゼロリスクになったわけではありません。引き続き、マスク、手洗い、消毒等の感染予防対策は必須です。さらに、習慣としたいのが、口内ケアです。じつは、口中の環境を清潔に保つことも感染予防につながるのです。そこで、withコロナ時代の口内ケアについて、『歯科医が考案 毒出しうがい』(アスコム)の著者で、歯学博士の照山裕子先生に伺いました。

監修 : 照山 裕子

歯学博士。東京医科歯科大学非常勤講師。日本大学歯学部卒業、同大学院歯学研究科にて博士号取得。口腔および頭頸部のがん手術などによって失われた機能を回復させる「顎顔面補綴」を専攻した臨床経験から、予防医学の重要性を提唱する。「日本人の口腔ケアへの意識を変えるにはどうしたらいいのか?」という課題の答えのひとつとして考案、推奨している「毒出しうがい」が書籍化され、13万部のベストセラーに。現在は大学病院および全国の歯科クリニックにて診療を続ける傍ら、テレビ・ラジオなどのメディアにも多数出演。『日経woman』のオフィシャルアンバサダーも務める。

Contents 目次

口の中の歯周病菌が、新型コロナウイルス感染リスクを高める

マスクをつけている女性画像

全国で緊急事態宣言は解除になりましたが、新型コロナウイルス感染症の収束には、まだ時間がかかるとみられ、私たちはwithコロナの時代を歩み始めました。引き続き、新型コロナウイルス感染予防対策として、密閉・密集・密接という3密を避けながら、マスク、手洗い、アルコール消毒を徹底し、ソーシャルディスタンスを心がける必要があります。さらに、新しい予防習慣として、「口の中の清潔を保つことが大事」と照山先生は話します。

「口の中には、700種類の菌が住み着き、その数は何十億ともいわれています。ほとんどは問題のない常在菌ですが、なかには虫歯菌や歯周病菌のように、悪さをする“悪玉菌”も存在します。口の中に悪玉菌が多いと、感染症にかかりやすくなるのです。これまでも口の中に悪玉菌が多いほど、インフルエンザに感染しやすくなるといわれていましたが、新型コロナウイルスも同様に、感染リスクが高まってしまいます。悪玉菌によって、口の中の粘膜が破壊され、ウイルスが体内に侵入しやすくなるためです。また、新型コロナウイルスに感染してしまった場合、肺炎も重症化するといわれています」

悪玉菌の中でも、特に成人が注意したいのが歯周病菌だといいます。
「高齢者に多い誤嚥性肺炎も、食べものと一緒に口の中の歯周病菌が肺に入り込んでしまうことで起こります。歯周病菌は、歯を支える骨を溶かし、やがては歯が抜け落ちてしまう歯周病を引き起こすだけではなく、こうした感染症や誤嚥性肺炎、動脈硬化、Ⅱ型糖尿病などの生活習慣病、早産などにも関わるタチの悪い菌。注意が必要です」

日本人の口の中は汚い!?

口元を両手で覆う女性の顔画像

口内ケアとして、みなさんも、毎日の歯みがきは欠かさないことでしょう。しかし、「ケアをしているわりに、口の中が汚れている人が多い」と照山先生は指摘します。
「口の中の悪玉菌は、食後8時間でプラークという悪玉菌の塊を作り始めます。歯周病菌や虫歯菌は、このプラークをすみかに、さらに増殖します。歯みがきの目的は、プラークを落とすことですが、これをじょうずにできる人は少ない。プラークができやすいのは、歯と歯の間や歯と歯ぐきの間などは、歯ブラシが届きにくいところだからです」

さらに、「歯みがき後のすすぎも足りない」と言います。
「日本人にはフッ素信仰があるせいか、歯みがき剤に含まれたフッ素を歯に残そうとして、口の中をよくすすがない傾向にあります。しかし、プラークだらけの歯面にフッ素を塗っても効果は得られません。歯ブラシでかき出した汚れを吐き出さずに、口内にためておくことは、体にとってむしろ危険な行為といえます。フッ素を作用させたければ、まずは徹底的にプラークを落としてしっかりすすいでから、再度塗布するように心がけましょう」

口内ケアというと、歯や歯ぐきのケアに意識が向きがちですが、舌にも、悪玉菌や食べかすなどの汚れ=舌苔(ぜったい)がつきやすいので、要注意です。舌のひだのなかにも歯周病菌が潜んでいますから、歯周病対策のためにも舌はクリーンに保ちたいところ。Withコロナ時代の口内ケアは、「うがいと舌みがきが重要」と照山先生はアドバイスします。
「難しい歯みがきに時間をかけるよりも、プラークや舌苔ができないように、悪玉菌のエサとなる食べかすを口の中に残さないようにする、という発想の転換が必要です。おすすめは、ブクブクうがいです。舌は、さらに舌ブラシやガーゼを使ってぬぐうなど舌みがきも行っていきましょう」

ブクブクうがいで、歯周病菌のエサとなる食べかすを増やさない

水が注がれているコップの画像

照山先生が推奨する「ブクブクうがい」は、ブクブクと強く速く歯に水をぶつけたときの水圧を利用して、歯の周りや歯ぐき、舌についた菌や食べかすを落としていきます。
「食後にブクブクうがいを行うことで、食べかすをきれいに洗い流せるので、悪玉菌の増殖を抑えられ、プラークが作られるのを防ぐことができます。また、しっかりブクブクするには舌を使わなければならないので、自然と舌の汚れも取れ、口の中全体を清潔に保てます」
毎日、続けていくことで、歯がつるつるになり、口の中がスッキリしてくるのを実感できるはずです。
「新型コロナウイルス感染症の予防のために、ガラガラうがいをする人は多いと思いますが、ブクブクうがいと舌みがきも習慣化していきたいですね」

やり方は、コチラから。

 

ただし、ブクブクうがいでは、できてしまったプラークを落とすことはできません。また、歯みがきで落としきれなかったプラークは、2~3日後には歯石になりますが、歯石をとるには、歯科医院での処置が必要です。プラークや歯石が気になるときは、一度、歯科医院で歯のクリーニングを受けておきましょう。ブクブクうがいの効果がより高まります。

取材・文/海老根祐子

 

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