CATEGORY : ヘルスケア |オーラルケア
健康によいお酢もとり過ぎは歯をダメにする!? 専門家が教える、美しい歯を保つセルフケアの基本
Contents 目次
唾液の質を高めるために
歯に悪い食べものといえば、甘いお菓子を思い浮かべますが、それだけではありません。たとえば食物繊維の不足も唾液の質を変化させるため、歯に悪影響があるといいます。
「食生活の改善も歯のメンテナンスになります」と井上先生。
歯の汚れを落とすことと同じくらい重要なのが、口内の菌のコントロール。それには唾液をしっかり出すことが大切です。
「お口の健康を保つために重要な役割を果たす唾液には、じつは“よくない唾液”と“いい唾液”があるのです。よくない唾液とは酸性に傾いた唾液のこと。虫歯などの雑菌が繁殖した口のなかで、よく見られる唾液で、ネバネバしているのが特徴です。それに対していい唾液は中性の唾液で、水のようにサラサラしています」
この“いい唾液”をつくるのが食物繊維質の多い野菜や海藻類。また、「まごわやさしい」といわれる栄養バランスのとれた食材も唾液の分泌によい働きをします。食事の際は意識してとるようにしましょう。
「まごわやさしい」の食材
ま……豆
ご……ごま
わ……わかめ
や……野菜
さ……魚
し……しいたけなどのきのこ類
い……いも類
甘いもののとり方にはコツがある
歯のために「甘いものは極力避けなればならない」というわけではありません。食べてもいいのですが、食べ方にコツがあります。
「食べるものが甘いか甘くないかというよりも、どのくらいの時間、口のなかが酸性に傾いているか、どのくらいの時間、食べカスが残っているかのほうがよほど重要なのです」と井上先生。
甘いものを食べたい場合は、食事の直後に食べるようにしましょう。そしてその後、歯磨きをします。
いちばんよくないのはダラダラと食べ続けること。大切なのは、口のなかを中性に戻して、歯のエナメル質の再石灰化を促す時間を長くするということです。
お酢の飲料は食事と一緒に
健康ブームでお酢を使った飲料が増えています。ところが、歯の健康を考えた場合、必ずしもいいとはいえないのだそうです。
「お酢を使った料理に関してはあまり心配は要りませんが、お酢を大量に飲むようになると、お酢の酸が歯のエナメル質を溶かす『酸蝕症(さんしょくしょう)』の原因になります。
酸蝕症はエナメル質が溶けることによって歯が薄くなり、知覚過敏で歯に痛みを感じたり、虫歯になりやすくなったりする疾患です」
ビネガードリンクはもちろんのこと、クエン酸入りの飲料やフルーツジュース、コーラやスポーツドリンクなども、酸蝕症の原因になるとか。こちらも長時間、ダラダラと飲み続けるのはNG。こうしたドリンク類を飲むのであれば、食事と一緒にとるのがベターです。
健康の土台となるお口の健康。直接的なケア以外にも、食事や飲みもの、歯磨きのタイミングなど、生活の全方面で歯の健康を意識した生活に切り替えることが必要ですね。
次は、「予防歯科」の利用法についてお伝えします。