いくら寝ても疲れが取れない、寝つきが悪くて眠りも浅い…。これらは睡眠の質が低下している証拠。世の中にはたくさんの快眠メソッドがありますが、理学療法士の矢間あやさんが考案した「ゴロ寝リセット」は、“眠れない体”を“眠れる体”に変化させていくというもの。著書の『ぐっすり眠れる体に生まれ変わるゴロ寝リセット!』から、まずは眠れなくなってしまう理由をみていきましょう。
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眠れなくなるのはなぜ?
大人になるにつれ、「あまりよく眠れなかった…」ということが増えてきます。どうしてうまく眠れなくなるのでしょうか。
それは「体がうまくゆるまなくなっているからです」と矢間さん。
「無意識のうちに体に余計な力が入って、いつもかたくこわばった体になっています。そうするとうまく眠れなくなるのです」とのこと。
今よく眠れない人でも、子どもの頃、「うまく眠れない」なんて考えたことはなかったはず。子どもはぐっすり眠って、朝起きたら、前日動きまわった疲れは消えて、次の日も元気いっぱい。眠ることにおいては、子どもは「理想的な体」といえます。
「理想的な体というのは、動くときは思いきり動き、休み時は力が抜けてゆるむことができる体のこと。大人になるとうまくゆるまない体になってしまい、寝ていても脳と体が“緊張モード”のまま、リラックスできず、よい眠りを得にくくなります」
体がうまくゆるまない理由は?
どうして「うまくゆるまない」体になってしまうのでしょう。
「それはもともと筋肉は“ゆるむのが下手”という性質があります。筋肉は“縮む・力を入れる”は得意ですが、“力を抜く”ことは不得意。それに加えて、日中の姿勢の悪さも原因です。そもそも正しい姿勢なら、筋肉は余計な力を使わなくてすみますが、姿勢が悪いと本来使わなくていい筋肉を余計に使わなくてはいけなくなります」
日中同じ姿勢を取り続けると、同じ筋肉を使い続け、また反対にサボる筋肉が生まれ、筋肉にクセがついてしまうのです。
「『体をゆるめて筋肉や骨を正しい位置に戻すことができない』=『カタくてゆるまない体』こそ、疲れや慢性的な肩こり・腰痛、睡眠の質の低下といったあらゆる不調の原因。そこを解決しないことには、どんな施術も意味をなしません。
しかし、日本人は休み下手の人が多く、体は常に緊張状態にあるため「力を抜く」という感覚がわからなくなっているのです」
睡眠の質が上がると、健康はもちろん、心が安定してやる気もアップ。仕事や家事のパフォーマンスが上がり、生活が思ったようにまわり出します。
それでは次回、眠れる体をつくる「ゴロ寝リセット」の方法をご紹介していきます。
文/庄司真紀
参考書籍/ 『ぐっすり眠れる体に生まれ変わるゴロ寝リセット!』(飛鳥新社)
監修/矢間あや(やざまあや)
理学療法士、ボディーコンサルタント、未来コンディション代表。茨城県生まれ。妊娠をきっかけに動く楽しさを知り、マタニティービクスを経てヨガに傾倒。動きには正しい動き方や動かし方があることを知り、また哲学・思想を学びメンタルの大切さも学ぶ。医療現場で見たものは、多くのビジネスパーソンが病気になるという悲しい現実だった。日常生活の些細な習慣が大きな病気に繋がる事を伝え、その改善と自分で自分のカラダをメンテナンスする方法の指導・普及に努めている。著書に『カラダをゆるめて最高の睡眠を手に入れる』(エクスナレッジ刊)。