外出を避けて自宅でお酒を口にする機会も増えているかもしれません。飲み過ぎはいけないですが、ほどほどのお酒は心をリラックスさせてくれる効果も感じさせてくれます。そんななかで、ワインとチーズの愛好家には朗報。海外研究から、毎日のチーズや赤ワインにより認知機能の改善が見られたという報告がありました。頭をシャープに保つ、うれしい効果です。
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ワインやチーズを嗜むとお得?
赤ワインもチーズも、銘柄を変えつつ楽しめる食材。好きな人には飽きのこないものでしょう。そんな心を豊かにしてくれる食材ですが、頭を冴えさせるような効果があるのかもしれません。「アルコールは体に悪いのでは」とも思われますが、今回、赤ワインやチーズのよい面をクローズアップするような研究報告がなされました。
米国アイオワ州立大学が、英国で遺伝情報や健康情報を50万人に上る人を対象に調べたデータベース「UKバイオバンク」から、1787人分の成人の情報を分析。食事習慣と知能テストの結果との関係について検証したのです。
食事と飲料をどのように摂取しているかを聞いたうえで、3回のテストを実施しています。最初は2006~2010年の間、さらにその後2012~2013年と2015~ 2016年に2回追加のテストをしました。食事内容については、果物や生野菜のほか、肉類や魚、チーズなどを質問。さらに、飲料についてもコーヒーやビール、ワインなどをどれくらい飲むかについて調べています。
知能テストの結果に関連性
こうしてわかったのは、チーズや赤ワインの摂取が多い場合に、知能テストの低下があまり見られないという関連性が示されたことです。特に認知機能の低下を抑えるような関連性があったのがチーズ。また、赤ワインのほか、ラム肉も認知機能の低下を防ぐような可能性が見られました。ただ、塩分のとり過ぎは問題になる可能性も示唆されました。
チーズと赤ワインを毎日摂取することのメリットがありそうだと研究グループは説明しています。ここで見られたのは関連性なので、そのメカニズムについてはまだわからないこともありそうです。もっとも食べ過ぎ、飲み過ぎはよくないですが、ふだんの生活に適度にこうした心を豊かにしてくれるような食材をとり入れることは、よい効果をもたらしてくれる可能性もありそうです。
<参考文献>
ISU STUDY INDICATES DIET MAY HELP REDUCE COGNITIVE DECLINE
https://www.research.iastate.edu/news/isu-study-indicates-diet-may-help-reduce-cognitive-decline/
Klinedinst BS, Le ST, Larsen B, Pappas C, Hoth NJ, Pollpeter A, Wang Q, Wang Y, Yu S, Wang L, Allenspach K, Mochel JP, Bennett DA, Willette AA. Genetic Factors of Alzheimer’s Disease Modulate How Diet is Associated with Long-Term Cognitive Trajectories: A UK Biobank Study. J Alzheimers Dis. 2020;78(3):1245-1257. doi: 10.3233/JAD-201058. PMID: 33252089.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33252089/
https://content.iospress.com/articles/journal-of-alzheimers-disease/jad201058