コーヒーは日常の飲み物。朝、昼食後、休憩時間など、いつもカップを手にしているという人も多いかもしれません。妊娠中は飲んでもいいのでしょうか。コーヒーなどにはカフェインが含まれますから、その影響などが気になるところです。最近の海外研究では、妊娠中に摂取したカフェインは子どもの脳の発達に小さな変化をもたらす可能性があると報告されました。どうやら控えたほうがよさそうです。
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妊娠中のカフェインは大丈夫?
妊娠中は、口に入れるものも気になりがち。自分自身の健康はもとより、赤ちゃんの健康に影響しますから当然でしょう。たとえば、気になるものとして、コーヒーや緑茶などカフェイン入りの飲み物があるでしょう。カフェインは赤ちゃんによくない影響を与える可能性もいわれます。飲むのを避ける人も多いでしょうが、実際のところどうなのでしょう。
このたび英国ロチェスター大学の研究グループは、脳の発達に注目して、妊娠中のカフェインの影響を調べています。対象はお腹にいる赤ちゃんではなく、生まれてから年月の経過した9~10歳の9157人です。MRI検査による脳の画像データのほか、子どもの母親が妊娠中にカフェインを摂取していたか、もししていた場合にはどれくらいの頻度で摂取していたかのデータを収集しました。そのうえで、カフェインの影響が、成長した子どもの脳の画像データに表れているのかを確かめたのです。
妊娠中のカフェインは…
ここからわかったのは、妊娠中のカフェイン摂取量が多くなると、生まれたあとの子どもの脳の画像データにもわずかに変化が見られることでした。変化があるからといって、脳や神経の働きに深刻な影響があるわけではなかったのですが、注意力の低下や落ち着きのなさといった行動の変化につながる可能性はありました。注意欠陥多動症(ADHD)に通じる特徴が見られており、長期的には気になる結果となりました。
研究グループによると、胎児はカフェインを分解できる酵素をもたないそう。神経に作用するカフェインの影響を赤ちゃんは受けやすいため、脳の発達にも影響が及ぶ可能性があるといいます。研究結果からいえば、成長後にも脳にその影響が残る可能性はあるわけです。
研究グループによると、医学的なガイドラインではすでに妊娠中はカフェインの摂取は制限するように求めています。多くてもコーヒー1日2杯まで。長期的な影響についてはまだ研究が必要になりそうですが、データを踏まえると、妊娠中はカフェインの摂取は回避したほうがよさそうです。
<参考文献>
Brain changed by caffeine in utero, study finds
https://www.urmc.rochester.edu/news/story/brain-changed-by-caffeine-in-utero-study-finds
Christensen ZP, Freedman EG, Foxe JJ. Caffeine exposure in utero is associated with structural brain alterations and deleterious neurocognitive outcomes in 9-10 year old children. Neuropharmacology. 2021 Jan 30;186:108479. doi: 10.1016/j.neuropharm.2021.108479. Epub ahead of print. PMID: 33529676.
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0028390821000332
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33529676/