女性に人気の高いふんわりモコモコ肌ざわりのパジャマ。見た目もかわいく着心地もあたたかいため冬の定番かと思ったら、夏向きの“ふわモコ”パジャマもあるんです。生活習慣改善サロン「Flura」を主宰する小林麻利子さんにうかがう、【睡眠のお悩み解決】。今回は、パジャマの選び方についてアドバイスをいただきます。
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<お悩み>
ふわふわモコモコの肌ざわりが大好きで、パジャマも“ふわモコ”素材。あたたかい季節も夏用の“ふわもこ”を見つけてオールシーズン着てますが、気持ちいいからOKですよね?
小林先生のお答え
快眠のために心地よさ重視、汗の吸収力も考慮して。
パジャマは、汗を吸収できる素材を
肌ざわりが心地よく感じると、副交感神経が刺激されてストレスホルモンが減少するという研究報告があって、肌ざわりでパジャマを選ぶのはよいことです。ただもうひとつ、睡眠中はしっかり汗をかくことも大事。
深い眠りを得るためには、深部体温がどんどん下がることが重要で、手足をはじめ体表面から汗をかいて体の外に熱を逃がすのですが、その“ふわモコ”パジャマはしっかり汗を吸い取ってくれるでしょうか。あたたかい季節だけではありません。冬だって必ず深部体温が下がるときに汗をかいています。
もし、汗を吸収できず蒸れた状態になっていたら、本来は明け方4時頃に深部体温がもっとも低くなるはずなのですが、あまり下がらずによく眠れていないかも。
私としては、肌にふれるパジャマは綿などの天然素材100%ものが吸水性もあって、肌ざわりもいいのでオススメです。代わりに“ふわモコ”のタオルなどを顔の近くに置いて、ちょっとふれる程度にしておくとよいかもしれませんね。
心地よいパジャマや寝具が、快眠のきっかけに
ただ、その“ふわモコ”パジャマを着てよく眠れて、朝はスッキリ目覚められ、日中の眠気もなく体調がいいということであれば問題ありません。
なぜなら睡眠の質はほかでもなく、正しい入浴法で深部体温をしっかり上げてから眠りにつくといった生活習慣によって作られるものだからです。パジャマや寝具は、あくまでそのサポート役。絶対にこれでなければというものではないんです。
一方で、人間にはこのパジャマを身に着けるとすぐに眠りに入れるとか、この寝具を使うとぐっすり眠れるといったように、心理的な気の持ちようが行動に結びつくことが確かにあります。心地よいお気に入りのパジャマや寝具を見つけて眠りにつきやすくなったり、睡眠の質を高めるきっかけにするのも、快眠のための手段のひとつになります。
綿100%なら通気性よく、汚れも吸着
私はふだん綿100%のパジャマを着ています。通気性がとてもよく、ガーゼ素材のやわらかいものは肌ざわりもいいです。シルク製も持っていますが、わざわざ手洗いしなくてはいけないので、子育て中にはなかなか着ていられません。
綿100%のパジャマなら汚れも吸着するので、パジャマさえ着替えればそれほど寝具を頻繁に洗わなくても大丈夫。
余談ですが、わが家は家族みんなのシーツに「パシーマ」という製品を使っています。脱脂綿をガーゼで包んだもので、肌ざわりが心地よいだけでなく、ホコリが立ちにくくてアレルギー対策にもなります。洗い勝手がいいのも魅力なのです。
文/宮下二葉