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炭水化物のとり過ぎは要注意! 海外研究が注目する口腔マイクロバイオームとお口の健康
世の中では腸活が注目されていますが、“口活”も同じくらい大切かもしれません。甘いものはダイエットやフィットネスではできるだけ避けたい存在ですし、炭水化物のとり過ぎもよくないとされます。でもどうしても口にしたくなる人も少なくないかもしれません。このたび海外研究から、そうした炭水化物をとることが口の健康を悪化させる可能性があると報告されました。問題の理由とは何なのでしょうか。
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甘いものが口に与える影響とは
最近では、腸内細菌への注目が集まり、腸活として腸内のバクテリアを調整する考え方が当たり前になりました。こうしたバクテリアは口のなかにも存在しています。これまでにわかっているのは700種類以上で、平均して1人に250種類以上のバクテリアが生息しているそう。
腸活において食べものが重要であるのと同じように、口にする食べものは、口のなかに存在しているバクテリアに変化をもたらします。なかには健康によい影響を示すバクテリアもいれば、健康にとって好ましくない影響を及ぼすバクテリアもいます。これらは「口腔マイクロバイオーム」と呼ばれることがあります。
このたび米国バッファロー大学の研究グループは食べるものによって口腔マイクロバイオームがどのように変化するのかを分析しました。対象にしたのは口の健康状態が悪くなりやすいと考えられる高齢の女性1204人で、歯や歯肉の周囲に付着しているバクテリアを採取して分析しました。
口腔マイロバイオームに特に影響した炭水化物
こうしてわかったのは、口腔マイクロバイオームが特に炭水化物の影響を強く受けているということでした。ドーナツや焼き菓子、ソフトドリンク、パンなど、糖分の多い食品の摂取量が多くなるほど、口腔マイクロバイオームのなかに虫歯や歯周病の原因になる細菌が増えることが確認されました。このほかにも炭水化物が増えるほどに増えてくるバクテリアが複数ありました。
腸活では腸内細菌のバランスを整える食事が研究されていますが、口のなかのバクテリアを整える食べものの研究も進んでいます。炭水化物を多く含んだ食品はもともと虫歯によくないとされますが、さらに幅広い意味から好ましくない影響がある可能性もありそう。今回のような研究をこれからの食生活を考えるヒントにしてもいいかもしれません。
<参考文献>
Study: Carbs, sugary foods may influence poor oral health
https://ed.buffalo.edu/news-events/news.host.html/content/shared/university/news/news-center-releases/2022/04/008.detail.html
Millen AE, Dahhan R, Freudenheim JL, Hovey KM, Li L, McSkimming DI, Andrews CA, Buck MJ, LaMonte MJ, Kirkwood KL, Sun Y, Murugaiyan V, Tsompana M, Wactawski-Wende J. Dietary carbohydrate intake is associated with the subgingival plaque oral microbiome abundance and diversity in a cohort of postmenopausal women. Sci Rep. 2022 Feb 16;12(1):2643. doi: 10.1038/s41598-022-06421-2. PMID: 35173205; PMCID: PMC8850494.
https://www.nature.com/articles/s41598-022-06421-2
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35173205/