夏を迎え、連日の暑さで体がだるい、夏バテぎみで食欲がない…と感じている人は多いですよね。この時期の体調不良は、一般的に真夏の気候や気温による自律神経の乱れによるものと言われていますが、慢性的でなかなか改善しない場合は別の病気が隠れているかもしれません。
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食生活を見直そう!症状が多い人ほど、体調不良が軽減する!?
本格的な猛暑の到来ですが、毎日どのようにお過ごしでしょうか。連日の暑さで、体がだるくて疲れが抜けにくい、夏バテぎみで食欲がないという人も多いのではないでしょうか。この時期の体調不良は、一般的に真夏の気候や気温による自律神経の乱れによるものと言われています。このように一時的な症状であれば回復するのですが、改善しない場合は食生活の見直しが必要かもしれません。
近年、欧米でグルテンフリーが広く浸透した背景のひとつは、SNSやインターネットの普及により不特定多数の人が情報発信できるようになったためだと考えられています。個人の悩みや体験を共有することで、自らも実践して体調の変化を感じられた人が多くなったのでしょう。
一般的にグルテンフリーの食生活が必要な人は、セリアック病やグルテン過敏症(グルテン不耐症)と診断された人です。しかし、国内では診断できる病院や医師はとても数少ないので、診断されることはかなり少ないかと思います。ちなみに、アメリカのシカゴ大学セリアック病センターによると、セリアック病の人が病気と判明したのは4700人に1人という割合です。また、症状のある人がセリアック病と診断されるまでに平均11年ほどかかると報告されています。(拙著(2016年)では平均4年と書かせていただきましたが、情報更新されていました)診断がとても難しい病気のため自分の食生活を改善していくことで、体調不良が軽減される人が多いのが現状です。
セリアック病やグルテン過敏症の症状には、200以上もの徴候や症状があると言われています。主な症状では、消化器系ならばくり返される腹部膨満感や腹痛、慢性的な下痢、便秘、腹痛、嘔吐などがあり、ほかにも慢性的な疲労感、貧血、関節の痛み、皮膚疾患、精神障害、不眠など多岐に渡ります。このようなことから、病気の診断がとても難しくなっているのです。
また、病気に関係なく、グルテンフリー生活は、体によさそうだから、やってみたい。でも大変そう、お金がかかる、面倒くさい、おいしくない、つらいというマイナスなイメージがあり、なかなか一歩をふみ出せない人が多いのも事実です。実際に当協会がインターネット調査(2021年)を実施した際には、グルテンフリー食生活を実践したことがある人(n=417)は、13.4%のみでした。しかし、コツさえつかめば非常に簡単に実践できます。「とりあえず2週間」と期間を区切って、チャレンジしてみてください。期間を区切ることで、気持ちがラクになります。
グルテンフリー生活を実践しようとすると、どうしても「小麦をやめる!」と大きな決断になってしまい、精神的な負担が増えます。まずは、1食1食小麦を食べなくてもすむメニューを考えていくようにすることです。最近では、米粉を使用したグルテンフリー商品も手に入りやすくなってきました。14日間小麦を口にしない食事を実践してみて、はじめる前と今の体調や心の状態を観察してみてください。
体調変化の現れは人によって異なります。セリアック病やグルテン過敏症の人は、たった3日間で劇的な変化が感じられるでしょう。セリアック病やグルテン過敏症でない人であっても、14日間続けるうちに、お腹の張りがなくなる、肩こりが消える、体のむくみが解消される、疲労感が薄らぐ、肌が整うといった変化を感じられると思います。そうした体の声に耳をかたむけてください。
もし、特に体の変化がなかったら、グルテンフリーではなく、別の食生活を試してみてください。慢性的な体の不調から抜け出すためにも、今の自分に合った食事方法をぜひ見つけてください。