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教えて、ママ女医ちえこ先生! 気になるニオイ対策やトラブル予防…デリケートゾーントはどう洗えばいいの?
毎日しっかり洗っていると思っても、デリケートゾーンには汚れが残っていることも多いそう。また、自分で自分のデリケートゾーンをちゃんと見たことがない人も少なくなく、じつはきちんとケアできていないことも。そこで、今回は、気になるデリケートゾーンのケアについて、現役産婦人科医であり人気YouTuberのママ女医ちえこ先生に教えていただきました!
Contents 目次
デリケートゾーンのニオイの原因は…?
ちゃんと見てみないとわからない場所なだけに、じつはケアが行き届いておらず、女性器のひだの間に汚れがたまっている人は少なくないようです。一体どのくらい汚れているのでしょうか。
「産婦人科でいろいろな患者さんを診察していますが、デリケートゾーンに汚れがたまっている人は意外と多いです。デリケートゾーンの汚れを恥垢(ちこう)といい、尿やおりもの、汗といった分泌物がたまったもので、ニオイの原因になります。汚れが落とせていない場合、小陰唇と大陰唇の間や陰核包皮の近くに白くねっとりしたものがべったりとくっついているので、見たらすぐにわかります」(ちえこ先生)。
自身のデリケートゾーンを「見たことがない」という人はケアをする前に、一度は見ておいたほうがいいと、ちえこ先生。
「デリケートゾーンの形はそれぞれ。体質や外陰部の形によって恥垢のたまりやすさは異なります。個人差があるので、一度、確認してみるといいですね。自分ではよく見えにくい部分だからこそ、意識しないと気がつかないところです。恥ずかしがらずに、自分の体をもっと見てほしいですね」
お湯だけで十分? デリケートゾーンの正しい洗い方
石けんやボディソープで体を洗う際、一緒にデリケートゾーンも洗う人が大半ではないかと思います。でも、実際にはデリケートゾーンはどう洗うのが正しいのでしょうか。
「いまデリケートゾーンに特にトラブルがないのであれば、石けんやボディソープは使わずに、お湯で洗うだけで十分です。その際、恥垢を取ろうとして爪を立てないように気をつけましょう。小さなひっかき傷だとしても、そこからばい菌が入って感染すると肌トラブルの原因につながります。ひだの間は指の腹を使ってやさしく洗います。また、生理中はアンダーヘアに経血がからみやすいので、しっかりと取り除きましょう」
皮膚表面には、肌の状態を正常に保ってくれる細菌叢があります。そのため、石けんやボディソープなどのアルカリ性が強い洗浄剤で洗ってしまうと、その細菌叢が保っている健康な状態を壊してしまうそう。ただし、恥垢がたまりがちな人や生理中のたんぱく質の汚れはお湯だけだと流れにくいため、弱酸性のデリケートゾーン専用の石けんを使ったほうがいいケースもあります。
「デリケートゾーンが荒れやすい人は、洗浄剤の流し残しでトラブルが発生することも。石けんはしっかりと泡立てて、洗浄剤の成分が残らないように流し切ることが重要です。そして膣内は洗わないことが大切!」とちえこ先生。
暑い季節は皮脂が多く分泌されるので、毎日洗浄剤を使う必要もあるかもしれませんが、洗い過ぎることで起こるトラブルもあります。ちえこ先生によると、皮膚科医のなかには、「洗浄は2~3日に1回でよい」という先生もいるそう。汚れが垢としてたまってしまうのはよくないですが、洗い過ぎもよくないということ。自分のデリケートゾーンの状態を把握して、自分にとってのベストなケア間隔を探ってみるといいですね。
やっぱりデリケートゾーンにも保湿は必要?
基本的なケアは、きれいに洗って皮脂をためないようにすることです。洗ったあとのケアについても聞いてみました。
「トラブルがない限り、基本的にしっかり汚れを落とすという毎日のケアだけで十分です。もし乾燥が気になるようであれば、肌の状態を保つために保湿をしてもOKです。その際も、デリケートゾーン専用の保湿剤を使うのがオススメです」
デリケートゾーンの皮膚は、顔の皮膚などとは成分の吸収率が異なるため、ほかの部位では問題がなくてもデリケートゾーンにだけ過敏反応が出るケースもあるといいます。まずは少量で試してみて、問題がないことを確認しましょう。
「デリケートゾーンのケアで大事なのは、洗い過ぎずに清潔に保つこと。そしてかゆみなどのトラブルがなければ、基本的には皮膚の状態を正常に維持できればよいので、特別なことをする必要はありません。排尿時にはこすらず押さえるように水分を拭きとり、排便時はデリケートゾーンに汚れがつかないよう、お尻側から手をまわし、前からうしろへ拭き上げるなどして、肌トラブルの原因をつくらないよう心がけましょう。日常のちょっとした習慣に気をつけてケアにつなげるのがいちばんです」
いかがでしたか?
体の一部だけど、意外にケアが行き届いてないこともあるデリケートゾーン。さっそく、ケアを習慣にしたいですね。
参考書籍/
『子宮にいいこと大全 産婦人科医が教える、オトナ女子のセルフケア』(KADOKAWA)
取材・文 番匠郁