暑さなどで体調や食生活が乱れやすい季節は、口内炎で悩む人が多くなるといわれています。痛みがつねにつきまとい、食事の邪魔をする口内炎は厄介なものですが、さらに困るのは再発をくり返す場合も多いということ。誰もが患う可能性のある口内炎のメカニズムや対処法、予防法について調べてみました。
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「またできちゃった!?」再発をくり返す白い米粒大の「アフタ性口内炎」
口内炎とは、ほおの内側や歯茎をはじめ、口の中の粘膜に起こる炎症の総称です。炎症の原因や症状はさまざまありますが、もっとも多くみられるのが「アフタ性口内炎」と呼ばれるもの。お米の粒ぐらいの白い潰瘍(かいよう)がほおの内側や歯ぐき、舌などにできます。場合によっては、1度にいくつもの潰瘍ができることも。1週間から2週間ほどで完治しますが、その間は痛みをともなう場合が多く、口の中の違和感や味の濃い食事がしみるといったストレスも合わせ、不快な思いがつきまといます。
女性は生理周期にあわせてアフタ性口内炎ができる人もいるようです。基本的には自然治癒しますが、なかなか治らない、潰瘍の数が多い、短期間に再発をくり返す、といったときにはほかの病気のサインである可能性もあるため、病院へ行くようにしましょう。
アフタ性口内炎を早く治す3つのポイント
アフタ性口内炎はとくに治療をしなくても治りますが、やはりあの痛みやストレスを考えるとなるべく早くサヨナラしたいもの。口内炎をはやく治すポイントは以下の3つになります。
ポイント<1>歯磨き&口をすすいで清潔に!
口の中は私たちが思っている以上に、雑菌であふれています。食事をとったあとの歯磨きはもちろんですが、1日数回口をすすいで清潔にしましょう。雑菌を減らすことで潰瘍が新たな炎症を起こすこと防ぎ、潰瘍自体も清潔に保つことができます。
マウスウォッシュで口をすすぐのが効果的ですが、口臭予防を目的としたメントール成分入りのものは刺激が強く、患部や粘膜を傷つける場合も。緑茶に含まれるカテキンは抗菌作用にすぐれていますから、ぬるめの緑茶で口をすすぐのもおすすめです。
ポイント<2>消毒&傷口の保護!
口の中を清潔にし、菌が繁殖して炎症が拡大しないようにしたら、潰瘍自体も消毒、保護しましょう。薬局などで販売されている専用の貼り薬を活用してもいいでしょう。
口の中の違和感や誤飲が心配という人は、口内炎にはちみつを塗る昔ながらの手当てを試してみては。殺菌効果の高いはちみつが潰瘍に浸透し、周辺の粘膜の菌を減らすとともに、傷口を保護してくれます。
ポイント<3>ビタミンB2を意識した食生活!
皮膚や粘膜の健康を維持する栄養素ビタミンB2が不足すると、口内炎や肌あれが起こるとされています。ビタミンB2は体内に蓄えることができないため、毎日きちんと摂取することが大切です。
アフタ性口内炎ができてしまったら、ビタミンB2を意識して食生活を見直してみましょう。ビタミンB2が豊富な食材は、レバー、うなぎ、牛乳、ヨーグルト、納豆、モロヘイヤなどが挙げられます。
とくに若い人に多いとされるアフタ性口内炎ですが、はっきりとした原因はわかっていません。しかし、ストレスや疲労、栄養バランスの偏った食事、睡眠不足などが作用しあって口内炎を引き起こすと考えられています。ポイント<3>で紹介したビタミンB2はもちろん、粘膜を強くし、免疫力をアップさせるのに必要不可欠なビタミンCも意識して食事をとることで、予防効果が高まるといえるでしょう。
監修/松村圭子(成城松村クリニック院長) 文/本間美加子