食欲の秋の到来で、おいしいものを食べられる幸せと、このままではお腹の脂肪がマズイ……という思いの狭間で揺れている方に、とっておきの朗報をお届けしましょう。ずばり、東大名医が開発した“好きなだけ食べても太らないダイエット法”です。
食べたらそのぶん太るのが体のメカニズムとして当然だと思いますよね。でも、あなたの周りにもたくさん食べるのに太らない人、あまり食べていなくても太りやすい人がいるのではないでしょうか? その理由は、体質というより「血管」の状態の差によるものだったのです!
今回は高橋亮先生の著書『東大名医の血管若返りダイエット』(三笠書房)から、ダイエットを成功させるための秘訣を2回にわたってお伝えします。
Contents 目次
ダイエットのカギは、「血液サラサラ」よりも「血管のしなやかさ」
ダイエットの敵とされる、糖分や脂肪分。こうしたものを食べ過ぎると、血液がドロドロになることをご存じの方も多いでしょう。お酢や玉ねぎは、血液をサラサラにしてくれるので、ダイエットに有効な食材といわれたりもします。
でも、今回注目したいのは、血液の状態ではなく、血管そのものの状態。いくら血液をサラサラにしても、血管の状態が悪ければダイエットはうまくいかないのです。
では、どんな状態の血管が理想的なのかというと、やわらかくてしなやかな血管。反対に、状態が悪くなると血管は硬くなり、余分な脂肪をため込みやすくなります。
血管が硬くなることを専門的には動脈硬化といいますが、これは加齢にともなって誰にでも起こります。ただし、どんな生活を送っているかによって、血管が硬くなるスピードは人それぞれ。だから、同じ年齢で同じものを食べたとしても、太る人と太らない人がいるのです。
血管が若々しくてやわらかい状態ならば、体のすみずみまで血液がスムーズに流れるので、体温が高く代謝がいい状態を維持できます。少しくらい食べ過ぎても太らないし、栄養が行き届くので、肌には透明感が出て、髪もツヤツヤになるのです。
あなたはやせ体質?それとも太りやすい? 血管の状態をチェック
それなら自分の血管の状態はどうなのか気になりますよね。体の中にある血管の状態を直接見るのは難しいですが、さまざまなことが血管の状態と関係することがわかっています。あなたの血管がしなやかな状態か、それとも硬くなってしまっているか、チェックしてみましょう。(1)~(5)のチェックに当てはまるものが多いほど、血管が硬くなっている、つまり太りやすいといえます。
(1)1週間の運動時間が、トータルで30分以下 ☑
(2)前屈をしたときに、指先が床につかない ☑
(3)手の爪を5秒間押してパッと離すと、しばらく白いまま ☑
(2秒以内に爪が赤く戻らない)
(4)タバコを吸ったことがある ☑
(5)日焼けとは無関係なシミ・シワが増えた ☑
それぞれが、なぜ血管の状態と関係するのかを簡単にご説明しましょう。
(1)の運動不足が続くと、エネルギーの燃焼量が少なくなるため、血中に脂質があふれ出て、動脈硬化を起こしやすくなります。
(2)は体の硬さをチェックするもので、体の硬さは血管の硬さに比例するという報告があります。
(3)の状態になるのは、血流が悪い証拠。血管がしなやかさを失い、血液が末端まで十分に届いていないと考えられます。
(4)喫煙すると体内で活性酸素が大量に発生し、動脈硬化を起こします。
(5)シミの面積、目尻のシワの面積、目の下のシワの本数は、動脈硬化と関連しているという研究報告があります。
体の硬さや肌のシミ・シワなど、意外なことが血管の硬さと関係していることに驚かれたかもしれませんね。でも逆に言えば、血管若返りダイエットをすれば、血管がやわらかくなって太りにくい体になれるのはもちろん、体も今よりやわらかくなり、気になるシミ・シワも目立たなくなるということ。
次回は、血管若返りダイエットの具体的な方法をご紹介します。
【参考書籍】
『図解でやせる! ズボラでも体重10㎏減、続々! 東大名医の血管若返りダイエット』(三笠書房)
【監修】
高橋 亮
医師、医学博士。東京大学医科学研究所所属。外科専門医、内科認定医、麻酔科標榜医、移植学会認定医、内視鏡学会専門医など、多数の専門医資格を保有。2020年、未公開の薬剤を用いた実験で、がんの転移を抑制できることを世界で初めて証明。がん再発のメカニズムの解明に取り組む過程で、血管および血管壁の重要な役割に気づき、そのパワーを多くの人の健康に役立てるために「血管若返りダイエット」のノウハウを考案した。
文/出雲 安見子