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免疫力にも影響する「口バテ」とは!? 口臭の原因にもなる口バテ解消テクニック
口臭や乾きなど、お口の中の不調、感じていませんか? 朝晩の寒暖差や疲れで秋バテをしやすい今の時期は、体だけではなく口の中もバテてしまう「口バテ」に注意が必要です。口はウイルスや細菌など病原体の入り口でもあります。口バテを放っておくと、口臭の原因になるだけではなく、免疫力にも影響があり、新型コロナウイルスへの感染リスクが高まる恐れもあります。そんな口バテを解消する方法をご紹介します。
Contents 目次
バテるのは体だけじゃない!「口バテ」あるあるチェック
丁寧に歯磨きをしているのに口臭が気になる。口の中が乾燥してネバネバしている。もしかしたら、それは「口バテ」のサインかも?
以下の「口バテあるある」に当てはまるかどうかチェックしてみましょう。
□リモートワークなどで会話が減った
□ストレスを感じやすい
□口の中が乾燥しやすい
□冷たいものをよく食べたり飲んだりする
□水分をあまりとらない
□うどんやそばなどののどごしのいい麺類が好き
□きゅうりやせんべいなど、かたいものはあまり好きではない
□ガムやグミを食べる頻度が低い
□ヨーグルトや発酵食品をあまり食べない
口バテの主な原因は“唾液力”の低下にあります。
唾液力は気温差による自律神経の不調やストレス、脱水、よくかまない食生活、口呼吸などが原因となって、大きく低下してしまいます。
唾液は1日に1000~1500ml分泌されるといわれ、それより少なくなると自浄作用が低下します。また唾液の99%は水分ですが、残りの1%にIgA抗体やラクトフェリンなど免疫に働く成分が含まれているため、その成分量のバランスを保つ“唾液の質”も重要です。
新型コロナウイルスは口腔が感染部位となることがよく知られていますが、このような口腔内には独自の感染防御システムが備わっており、特にこのIgA抗体は、新型コロナウイルスの侵入を防ぐ働きをすることもわかっています。
唾液量が減り、唾液の質が下がると免疫力の低下にもつながってしまいます。先程のチェックが多くついてしまった口バテ気味の人は、この秋冬に向け唾液力を高める習慣をとり入れましょう。
唾液力を高める!ガムやグミで手軽に「かむ習慣」
うどんなどの麺類のようにのどごしがよく、やわらかい食べものは、かむ回数が減って唾液力が下がりやすくなります。かみごたえのある食べものを選んでかむ習慣を心がけましょう。
中でもおすすめなのが、ガムやグミ。携帯にも便利で、口腔環境を整える機能性を備えた商品もあるので、時間を選ばずに唾液力アップに役立ちます。
ヨーグルトと食物繊維で腸内から口バテ予防!
神奈川歯科大学大学院環境病理学分野の槻木恵一教授らの研究グループの研究によると、唾液中から新型コロナウイルスに交叉性のあるIgAが認められ、唾液中に存在する抗体が新型コロナウイルスの侵入も未然に防ぐ働きをすることがわかっています。
別の研究では免疫成分であるIgAの量は、腸内環境と密接な関係にあり、腸内細菌のバランスが整っていると、腸内のIgAが増え、そして唾液中のIgAの量が高まることも明らかとなっています。R-1乳酸菌を使用したヨーグルトを1日1回、3か月継続してとったところ、唾液中のIgAの分泌速度と濃度が有意に増加したという研究※1もあります。
ヨーグルトと食物繊維で腸内を整えることも口バテ予防に効果的です。
※1 Gerodontology.2017;1-7
気温や湿度が下がり、感染症にかかりやすくなるこれからの時期。手洗いうがいなどの完成症予防と合わせて、食習慣の工夫からも唾液力を高めることができます。
口バテを防いで、口腔内からも免疫を落とさないようにしていきたいですね。
文/庄司真紀