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心地よい眠りにつくための、4つのポイント
では、より良質な眠りを得るために、日常生活の中でどんな工夫をしたらいいのでしょうか。
<ポイント1> 「眠りを妨げるNG集」を作成しよう
寝つきが悪いという人は、寝る直前に脳や体が覚醒してしまうような行為をしていることが多いのです。これは眠りを妨げているなと思われるものを一度、書き出してみましょう。「刺激の強いテレビ番組を観たり音楽を聴いたりしている」「コーヒーや緑茶などのカフェインを飲んでいる」「熱すぎるお風呂に入っている」などなど…。
「書き出したら、その中の3つを、まずやめましょう。1日で禁止するのではなくて、寝る直前だけやめるんです。それでかなりスムーズに眠りに入れるようになるはず。その際、無理にたくさん削除するのは禁物。生活の大幅な変化もまた、睡眠にとっては悪影響だからです。これなら自分がガマンできるなということを3つだけ。さっそく試してみてください」(桑原先生)
<ポイント2> 「寝室は聖域」という意識を持とう
寝室をできるだけ快適な空間にすることを心がけましょう。どんなにだらしなくても寝室だけはきれいに保ち、寝具は清潔なものを。枕はぜひ自分に合ったものを探してください。空調も大事なポイント。
「例えば冬は部屋を暖かくしたほうが眠れると思っている人もいるかもしれませんが、一晩中暖房を入れて暖めすぎるのは、眠りにとってはあまりよくないのです。布団の中を暖かくして、室温は低めというのがおすすめ。湯たんぽなどを上手に活用するといいでしょう」(桑原先生)
<ポイント3> ぬるま湯の半身浴+ホットミルクがおすすめ
睡眠は体温と大きく関連していて、人間は体温が下がったときに眠気が起こります。寝る前にぬるま湯の半身浴を行って体温を少し上げておくと、就寝時のタイミングでちょうどよく体温が下がり、ぐっすりと眠りにつけます。
「この半身浴の後におすすめしたいのが、ホットミルクを飲むこと。体を温めてくれるのはもちろんですが、牛乳にはトリプトファンというアミノ酸が多く含まれていて、これはセロトニンという脳内伝達物質の材料になります。セロトニンは心身を安定させ、寝つきをよくする作用があるんです」(桑原先生)
<ポイント4> 朝はすぐに光を浴びて体内時計をリセット!
実は、睡眠の質というのは朝起きた瞬間から決まります。目覚めたらまず最初に、太陽の光を浴びましょう。人間の持つ体内時計は、目の網膜が光を感じることでリセットされるのです。体内時計は一般的に25時間といわれていて、1日の24時間とは1時間のズレがあります。そのため、毎日その時差を修正していかないと、睡眠にとってはマイナスになります。
「前述のセロトニンは、この体内時計とも深い関係があり、体内時計が正常に働いていると、夜、眠りが深くなる時間帯に分泌されやすくなっているのです。ですから、朝目覚めてもしばらく暗い部屋で活動していたりすると、体内時計が狂ったままになってしまい、セロトニンがうまく分泌されず眠りの質が落ちます。冬の間は起床時、外もまだ暗いかもしれませんが、その場合は部屋の電気をすぐつければOKですよ」(桑原先生)
桑原先生が開発に携わるサプリメントの中には、眠りの質を高めてくれる商品もあるとか。そういったサプリメントを活用するのもひとつの方法かもしれません。
自分のライフスタイルをよく見直して、成長ホルモンやセロトニンを分泌させやすい、より快適な睡眠が得られる環境をつくっていきましょう。
文/鈴木みずほ