今年、「国民皆歯科検診」が導入されたことはご存じでしょうか? これまで、歯科検診が義務付けられていたのは、学校検診などに限られていましたが、「国民皆歯科検診」が導入されることで、すべての国民に毎年の歯科検診が義務づけられることになったのです。
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どうして日本では歯科の受診率が低いのか
歯の病気である歯周病は、なんと日本人が歯を失う原因の第1位となっていて、35歳以上では8割の人がかかっているとされる、今や無視できない国民病になっているのです。
こんなに深刻な状態になるまで、なぜわからなかったのか? それには歯科の受診率が関係しています。
日本は、歯科の受診率が諸外国先進国と比べて低いのだそうです。理由は、保険制度が充実しており、治療費が諸外国先進国と比べて極端に安いため、安いからこそ歯の調子が悪くなってから歯医者に行こうという意識になっているからなのです。
近年の研究では、歯周病がさまざまな疾患や全身状態に悪影響を及ぼすおそれが指摘されています。なかでも糖尿病との関連性は強く、糖尿病が歯周病を悪化させたり、歯周病が糖尿病を悪化させたりと、悪影響を及ぼし合う場合があります。
そのようなことにならないためにも、定期的な検診を受けるとともに、自分でも予防をしっかりやっておきたいですよね。
歯周病のスペシャリストが教える、生涯自分の歯で過ごすためにできる予防法
歯周病予防の基本は、プラークコントロールです。プラーク(歯垢)がなければ、基本的には歯周病にはなりません。
歯ブラシだけでとれるプラークは、最高60%程度なので、デンタルフロスや歯間ブラシを併用して、毎日の歯みがきを行いましょう。デンタルフロスや歯間ブラシを使うだけで、歯と歯の間の歯垢除去率は最高95%までアップします。
お笑いコンビ・三四郎さんのデンタルケア
相田さん(写真右)は、以前は八重歯があったことで取りはずしができる歯科矯正器具をつけていたそう。
その際、食べものがよくはさまってしまったり、ブラッシングをすると出血したりしていたけれど、だんだんと生活習慣を整えたり、1日2回朝晩のデンタルフロスや歯間ブラシを使っていくことで出血もしなくなり、日々ていねいにデンタルケアをすることの重要性を感じたそうです。
小宮さん(写真左)は、失くした前歯によって、奥歯を酷使していたことが発覚。奥歯がボロボロになっていたのでインプラントを入れたそうです。
歯を失くしたことで、歯があることの幸せを実感するとともに、日々のデンタルケアの必要性を感じたのだそう。今では、歯間ブラシとデンタルフロスを朝と晩で使うようにしているとお話しされていました。
「歯は待ってくれない」。
そう身をもって体感したからこそ、忙しい生活のなかでも時間をちゃんと作って、定期的に歯医者へ行くことの大事さを痛感しているとのことです。
たとえ歯周病になってしまっていても、歯周病専門医に治療をしてもらうと、きちんと治り、痛くなく歯が以前よりもよい状況になるのだそうです。歯科の定期健診がしばらくご無沙汰だなと思ったみなさん、この機会にぜひ受診してみてくださいね。
【取材】
科研製薬
歯周病のスペシャリスト「DUOデンタルクリニック」院長 大月基弘先生
文/高田空人衣