暖かい日が少しずつ増え、木々の緑が若草色に色づく季節になりました。一方では、花粉症の人にとってはつらい時期になってきました。今回は、花粉症とグルテンの関係について、一般社団法人グルテンフリーライフ協会のフォーブス弥生さんに教えてもらいました。
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花粉症とグルテンの関係
皆さんは花粉症をお持ちでしょうか。花粉症とはスギやヒノキを代表とする花粉によって鼻水、鼻づまり、くしゃみ、目のかゆみ、充血、皮膚のかゆみなどを引き起こします。人それぞれ症状が異なりますが、つらい症状であることには変わりありません。
有識者による東京都の公表では今年の花粉の量は去年の2.7倍、過去4番目に多い数値と報告されています。鼻アレルギーの全国疫学調査(2019年)によると、現在の日本ではスギ花粉の人は38.8%となり、ほぼ3人に1人がスギ花粉症と推定されています。
花粉症とグルテンの関係については、直接的な関係はありません。花粉症とは、植物のスギやヒノキを代表とする花粉に対する免疫反応によって引き起こされるアレルギー疾患です。一方、グルテンとは小麦や大麦、ライ麦などに含まれるたんぱく質の一種です。グルテンは、小麦アレルギーや自己免疫疾患であるセリアック病を引き起こす原因物質です。
しかし、食物アレルギーやアレルギー症状に関する研究によると、アレルギー反応を引き起こす物質には、体内の炎症反応を増幅させる可能性があるため、アレルギー症状が重くなる場合があります。一部の研究では、グルテンの摂取により炎症を増幅させる可能性があるとされています。免疫細胞の半分以上が腸に存在しています。そのためにも、腸内環境を整え、免疫システムを正常にする働きを保つことが、花粉症対策にも有効だといわれています。
花粉症の症状緩和が期待される食品
花粉症の症状緩和が期待される食品には、乳酸菌を含むヨーグルトやEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸 )を含む青魚、ポリフェノールを含むチョコレートなどが効くといわれています。
●乳酸菌
ヨーグルト、納豆、キムチ、みそ汁や漬け物などに含まれる乳酸菌は、腸内細菌のバランスを整えて便通をよくするなど、健康に役立ちます。免疫機能にも深く関わっており免疫の過剰反応を抑える働きがあるため、花粉症の症状緩和に役立つといわれています。
●オメガ3脂肪酸(EPA・DHA)
青魚などに含まれるオメガ3脂肪酸(EPA・DHA)は血液中のコレステロール値や中性脂肪値を下げ、動脈硬化や心臓病などの生活習慣病の予防に効果があります。また、体内の炎症反応を抑制し、花粉症などアレルギー疾患の症状を緩和する効果も最近は注目されています。
●ポリフェノール
緑茶に含まれるカテキン、大豆に含まれるイソフラボンやチョコレートに含まれるカカオポリフェールなど、その種類は5000種以上もあります。人間の体の中に入ると抗酸化物質として有効に働くことが明らかになっています。また、ある種のポリフェノールには鼻水や目のかゆみなどを抑える効果があることがわかっています。
グルテンフリー食生活が花粉症の症状に直接的に効果があるわけではありません。まずは偏った食べ方を避けて、自分にあったバランスのよい食事を習慣づけましょう。続けることで、免疫力を高めることができ、花粉症の症状の緩和につながる可能性があるとされています。