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CATEGORY : ヘルスケア |腸活

腸が整えば、うつ病リスクも低下する!? 海外研究が示す、発酵乳食品がメンタルを癒す力とは

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ヨーグルト

FYTTEの「ヘルスケアトレンド2023」で挙げられた“腸脳相関”は、腸の健康がメンタルにも影響を与えるということ。腸活がメンタルヘルスの向上につながる可能性も期待されます。そんななかで、海外研究では、ヨーグルトやチーズなどの発酵乳製品をとることが、うつ病のリスクを下げることができると報告されました。“腸脳相関”に関心がある人にとって、研究結果は要注目の内容といえそうです。

監修 : 星 良孝 <ステラ・メディックス>

ステラ・メディックス代表取締役社長 獣医師/ジャーナリスト
専門分野特化型のコンテンツ創出を事業として、医療や健康、食品、美容、アニマルヘルスの領域の執筆・編集・審査監修を担っている。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BP社において「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年に会社設立。YouTubeステラチャンネルでもヘルスケアの話題を発信。
YouTube:https://youtube.com/@stellach

Contents 目次

ヨーグルトやチーズなどの精神衛生への効果を探る

ヨーグルト

ヨーグルトやチーズなどの発酵乳製品は、微生物を使って食品の成分を変化させて作られます。これらの食品には、私たちの健康によい善玉菌が含まれており、病気の予防のためにプロバイオティクスとして推奨されることもあります。

興味深いことに、これらの発酵乳製品は、精神的な健康効果があることがわかってきました。これらの効果を調査するために、多くの研究が行われています。

今回、中国の四川大学の研究グループは、ヨーグルトやチーズなどの発酵乳製品とうつ病リスクの関連に焦点を当てた研究を集め、そのなかから最終的にうつ病の6119人を含む8万3000人以上の参加者を対象とした8つの研究を分析。2023年2月に研究結果を発表しました。

発酵乳製品がうつ病のリスク低減に役立つ

ヨーグルト

こうして研究からわかったのは、発酵乳製品を食べることで、うつ病のリスクが下がることです。具体的には、リスクが11%低下する効果が確認されました。しかし、発酵乳製品を大量に食べても、さらなるリスク低下の効果は得られませんでした。

以上が研究の要点であり、ここではまさに脳腸相関の考え方が支持されたといえそうです。8万3000人以上のデータに基づいて証明されたのは大きなことでしょう。ヨーグルトやチーズのような身近な食品が、精神的な健康に良い影響を与える可能性が示されたのは心強いことです。もっともメンタルヘルスを保つために食べるべき食品の種類や頻度を決定するためには、さらなる研究も必要になりそうです。引き続きこのテーマには注目するとよさそうです。

<参考文献>

Luo Y, Li Z, Gu L, Zhang K. Fermented dairy foods consumption and depressive symptoms: A meta-analysis of cohort studies. PLoS One. 2023 Feb 6;18(2):e0281346. doi: 10.1371/journal.pone.0281346. PMID: 36745637; PMCID: PMC9901789.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36745637/

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