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ピルなしでいられないほど重い生理痛… だけど妊活を始めたい! 子宮ケアに役立つ局所温活法と足刺激テクニック
足から全身に働きかけることで健康的な毎日を生み出す「足ウェルネスⓇ」というライフスタイルを提唱している足のひと 鈴木きよみさん。足裏に表れる表情を読み解き不調の原因を見出す、先生の足相診断をレポートします。今回のモニターさんは頻繁にくり返す膀胱炎と、ピルなしではいられないほどの重い生理痛でお悩みです。妊活の希望を叶えるためにもとり入れたい、子宮の温活方法と足刺激テクニックをご紹介します。
Contents 目次
かかとについた角質は、ホルモンバランスの乱れのサイン!
今回のモニターは、会社員をしている30代半ばのMAさんです。気になっている体調は重い生理痛と、頻尿や膀胱炎だそうです。
MAさん:「生理痛が重く、ここ数年ピルを飲んでいますが、それでもPMSや生理痛の症状が出てしまいます。そろそろ妊活を考えていて、ピルを中断することを検討していますが、生理痛がひどいと仕事もままならないので、なかなか踏み切れません。また、もともと頻尿の体質なことと、最近では頻繁に膀胱炎を発症するようになってしまい、悩んでいます」
さっそくMAさんの足相をチェックし始めたきよみ先生が、MAさんの足相を見て即座に指摘したのは、かかとの角質です。
きよみ先生:「かかとは骨盤の中にある子宮や卵巣の状態をあらわしているのですよ。MAさんのかかとは、角質がついて白っぽくなっています。これはホルモンバランスが乱れているサインです」
●角質で白くなっているかかと
そう話しながら、きよみ先生がMAさんの足の親指をさわると、MAさんが突然飛び上がるようにして「イタッ!」と声をあげました。
MAさん:「すごく痛いです! まだ足刺激をしていないのに、この段階で痛いというのは、まずいですよね…」
きよみ先生:「親指の腹のまん中には、ホルモンバランスの調整をする視床下部のゾーンがあるのです。さわっただけでもこれだけ痛いということは、MAさんの足刺激のテーマはホルモンバランスの調整で決まりですね!」
MAさんは、同じ力でほかのゾーンをさわっても痛くないのに、視床下部のゾーンはとび抜けて痛いと感じたそうです。
MAさん:「今もジンジンと感じるほど痛みの跡が残っています。あまりに痛いのでびっくりしました」
きよみ先生:「MAさんは、ピルが手放せないほど生理痛が重いそうですね。ご自分のお母さんも同じような症状があったと聞いたことはありますか?」
MAさん:「母も生理痛は重かったそうです。当時は妊娠もしにくく、不妊治療をして私を授かったと聞いています」
きよみ先生:「MAさんはかかとの形が細く、足が華奢な印象です。このような足の人は、ホルモンバランスが乱れやすいのですが、その体質は遺伝の要素も多いと思います。おそらく、母親だけでなく祖母の代まで、同じような体質だったと思います」
●かかとが細い人はホルモンバランスの乱れに注意
MAさん:「結婚して1年になるので、そろそろ妊活をと考えているのですが、生理痛が怖くてピルをやめる決心がつかずにいます」
きよみ先生:「妊娠に必要なホルモンが出にくい人や、卵子の数が少ない人など妊娠しにくい体質の人は、かかとが細く真っ白の肌色をしています。MAさんのかかとの肌色はピンク色なので、ホルモンが出にくいというよりも、出過ぎて乱れている傾向にあるのではないかと思います」
MAさん:「生理の経血が多いので、ホルモンが出過ぎなのではないか、という実感は以前からありました」
自分の足裏をチェックしてみて、かかとが細く角質がついている人は、MAさんと同じように生理痛の重さで悩んでいるかもしれませんね。足刺激でホルモンバランスの乱れをケアしていきましょう!
冷え体質で膀胱炎になりやすい人は、局所温活で温めよう
次に、MAさんのお悩みである頻尿と膀胱炎になりやすい体質についても、きよみ先生に伺っていきます。
MAさん:「膀胱炎になると内科に行き抗生物質を処方してもらいますが、あまりに頻繁なので、薬を飲むことに抵抗があります」
きよみ先生:「膀胱炎になりやすく、頻尿でもあるのは、子宮の状態とも関わっています。膀胱炎の原因が細菌感染によるものと思っている人が多いと思いますが、それだけでなく、膀胱のすぐ後ろにある子宮の冷えが原因でもあるのですよ。デリケートゾーンが冷えていると、細菌に感染しやすくなるのです。
子宮の温度を上げると膀胱の温度も上がるので、子宮を温めれば膀胱炎になりにくくなるはずです」
MAさん:「以前から運動もよくしていますし、お風呂で温まったり、靴下をはいて冷やさないようにしたりと、冷え対策はいろいろしているのでこれ以上何をすればいいのかわからなくて…」
きよみ先生:「もともとの冷え体質を変えていく必要がありますね。カイロを貼って、常に物理的に温めてあげるといいですよ。体の弱い部分を集中して温める局所温活が効果的です」
きよみ先生にお聞きした、局所温活法のやり方がこちらです。
●よもぎ蒸しパッドなどでデリケートゾーンを温める
●腎臓のある部分(腰よりこぶしひとつ分、上の背中の部分)にカイロを貼る。手のひらでこすって摩擦で温めるのもよい。
●足首のうしろ側にカイロを貼る
きよみ先生:「東洋医学では、腎臓は子宮とつながっていると考えるので、腎臓を温めることも子宮を温めることにつながります」
MAさん:「背中の腎臓に当たる部分にカイロを貼ったことはないので、試してみます。よもぎ蒸しもよさそうですね!」
きよみ先生:「よもぎ蒸しもいいですね。子宮や腎臓など弱っている部分をダイレクトに温めるのがおすすめです」
きよみ先生も、ふだんから足首のうしろにカイロを貼っているそうですよ。
きよみ先生:「スパッツやレギンスの上から足首のうしろにカイロを貼って、その上から靴下をはいて温めていますよ。体のエネルギーの通り道である経絡のうち、腎臓と関わりが深い経絡は、足首のうしろを通っています。足首のうしろを温めると全身が温まりますよ」
冷え対策をしていても、なかなか冷えがとれない人や、MAさんのように膀胱炎や頻尿の症状に悩んでいる人は、カイロを使った局所温活法を試してみてくださいね!
ホルモンバランスを整える足刺激テクニック
【腎臓~輸尿管~膀胱のゾーンをプッシュ】
はじめに、足裏の反射区の基本的な部位である腎臓・輸尿管・膀胱のゾーンを流れで刺激します。体の不要な毒素を排出する働きを高めることで、全身の巡りをよくします。オイルやクリームをつけ、指圧棒を使ってしっかりと刺激しましょう。
●腎臓・輸尿管・膀胱のゾーン
特に腎臓のゾーンは、指圧棒の先でぐいっと押し上げるようにして、しっかりと刺激しましょう!
膀胱炎や頻尿の症状が気になる人は、膀胱のゾーンをピンポイントで押してしっかり刺激しておきましょう。
●指で示した膀胱のゾーンをプッシュ
【親指の腹を刺激】
親指の腹にはホルモンバランスの調整に関わる視床下部(下垂体)のゾーンがあります。指の親指の先を立ててしごくように刺激したり、指圧棒の先を使ってごしごしとこすったりして刺激しましょう。
●視床下部(下垂体)のゾーン
●指の親指の先でしごくようにして刺激
【かかとの内側面を刺激する】
かかとの内側面には子宮のゾーンがあります。手をグーにして、指の関節の角を当て、ゴシゴシとこすって刺激しましょう。
●子宮のゾーン (左足)
●指の関節の角を当て、こすって刺激
働きが弱いゾーンは、ビックリするほどの強い痛みを体感
きよみ先生が腎臓のゾーンを刺激すると最初はかなり強い痛みがあったようです。
MAさん:「いたーーーい! びっくりしました! 左のほうが痛いです」
きよみ先生:「明らかに腎臓が弱いことがわかりますね。左の腎臓のほうが悪いです。親指の腹の視床下部のゾーンも痛いですよね」
働きの弱い部分のゾーンを刺激すると、驚くほど痛みを感じることがあります。クリームやオイルをなじませてから刺激するとすべりがよくなり、痛みが和らぎます。また、先に入浴して体を温めてから足刺激をすると効果的です。イタ気持ちいいと感じられるようになるまで、根気よく刺激しましょう!
MAさんの足色は、もともとピンク色をしていましたが、足刺激後は足裏全体の血色がよくなり、さらに明るいピンク色になりました。
●足刺激前
●足刺激後
MAさん:「足の色が全然違いますね! ゾーンによって刺激の痛みがこんなに違うなんて驚きました。妊活を考えている今のタイミングで、子宮ケア対策がわかってよかったです」
このあと、足刺激を3週間続けると体調はどのように変わるでしょうか? 次回の記事でくわしくお伝えします。
取材・文/牧内夕子 イラスト/湯沢知子
鈴木きよみ先生の足相学が1冊にまとまりました! 足をチェックするときに欠かせない、ゾーンMAPをはじめ、足の形、色、しわ、温度などのチェックポイント、各症状別の足相、そしてそれを解決すべきゾーンセラピーの方法などがわかりやすくまとまっています。初めてご自分の足裏を見るという方にも、足裏のケアを続けてきた方にも、すぐに役立つ1冊です。ご自身の体調管理を、足裏から始めてみてはいかがでしょうか。全国の書店、ネット書店で販売しています。
『すべての不調は足裏をみればわかる!』(ワン・パブリッシング刊)