筋肉量は多いのか少ないのか、基礎代謝がどれくらいあるのか……。人と比べるのではなく、今現在の自分の体の状態を把握しておくことは、ダイエットを行う上でも役立ちます。そこで測定をすることの意味や大切さを、コンディショニングトレーナーの桑原弘樹先生に教えていただきました。
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目標達成に必要な要素とは?
何かを始める前に、自分の現状を把握しておくことはとても重要です。例えばダイエットを成功させたいなら、まずは今の自分の体がどんな状態なのか(体重は? 筋肉量は? 体脂肪率は? など)、しっかり測定しておく必要があります。目標を立てるのはそれからでも遅くありません。みなさんは、自分の体のことをきちんと把握できていますか?
さらに目標を達成させるためには、イメージ力も大切な要素。
「人間は、成功がイメージできることに関しては、すごく達成のハードルが下がると思うんです。だから、何か達成したいことがある人は、その目標を達成するイメージを、常に持つことを心がけましょう。
ただしイメージ力のある人は、失敗するイメージもつくりやすいので注意が必要です」(桑原先生)
そして、何かを好きになる力を持つことができれば、それは大きな原動力になるのだそう。
例えばメイクがきらいな人もいる一方、メイクが好きな人にとっては朝のメイクの時間がたのしくて仕方がないですよね? ファッションが好きなら、どのアイテムを合わせようか考えるのもたのしいはず。しかし、興味の無い人にとってはめんどくさいだけで、それらの時間は苦痛でしかありません。
もしダイエット中の人がダイエットを好きだと思えたら……、今よりもっと頑張れるようになるかもしれませんね。
筋肉量が増えると、いいことたくさん!
自分の体を測定して現状を知った後、どうやって改善していくのか、その解決法を考えることも大切。たとえば「筋肉をつける」という行為は、何一つ悪い影響が出ません。
「女性だから筋肉はいらない」「ゴツい体はイヤだから筋肉を増やしたくない」という考えを持っている人も多いと思いますが、それは間違い。
「筋肉量を増やすということは体内の脂肪を減らすだけでなく、美容面や健康面においても、とても大切なことなのです。もともと女性は男性に比べ、筋肥大が起きにくいと言われています。少しハードな筋トレをしたくらいではゴツくなりませんので安心してください。体に筋肉がついてくると体組成計の数値がよくなってきますので、目安にしてみましょう」(桑原先生)
普段なかなか計測する機会はありませんが、体の糖化も気をつけたいところ。
「糖化とは、体内にあるたんぱく質と過剰に摂取して余った糖が体温に反応して焦げること。過剰に糖質をとると、このように体内で糖化が進みますので注意しましょう。ただし、極端な糖質制限をすると筋肉が減ってしまうのでこちらも注意が必要です。もし、計測する機会があれば、糖化度もチェックしてみるといいでしょう」(桑原先生)
もし糖化度が高いことが分かれば、おやつやお酒の量を減らすなど、食生活を見直すきっかけにもなりますよね。
測定といえば、よくダイエット中の人がやりがちなのは、体重だけを気にすること。もちろん体重を意識することも大切ですが、自分の体の中身を理解しておくことも重要なのです。
「体組成計で測ってみると、私は、普段から体を鍛えているので、体脂肪率は優秀なんです。筋肉量もそれなりに多い。でも、筋肉の質を見てみると、見事な霜降り状態(笑)。実は、内臓脂肪もたっぷりあるんです……。体の細かい部分、すべての値を意識するのは大変ですが、計測することによって『筋肉量が多くても霜降り状態だから、赤身に近づけるように頑張ろう』と新たな目標が見えてくることもあります」(桑原先生)
さらに桑原先生曰く、血圧もこまめに測るようにするとよいとのこと。
「車を運転しているだけで、実は、血圧が180ぐらいまで上がってしまうこともあるのです。長時間イライラしながら運転していると、血圧が常に高くなるので、とても危険な状態に。血圧は自分でも気がつかないうちに上昇している可能性がありますので、こまめにチェックすることをおすすめします」(桑原先生)
きちんと自分の体のことを理解しておくことは、ボディメイクをしやすくするためだけではなく、健康を保つ上でも大切です。みなさんも、測定することを習慣づけてみてはいかがでしょう?
文/FYTTE編集部