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自覚症状なしだけど、どんなふうに悪化するの? 30代以上の約6割がかかっている歯周病とは?

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自覚症状なしだけど、どんなふうに悪化するの? 30代以上の約6割がかかっている歯周病とは?

30代以上の約6割が罹患し、日本人が歯を失う原因の4割を占めるとされる歯周病。初期では痛みなどの自覚症状がなく、一般的なものは、10年、20年という時間をかけて少しずつ進行していきます。歯周病にかかったら早い段階で治療やセルフケアで食い止めることが大切です。今回は、歯周病治療に力を入れる歯科医の亀井孝一朗先生の著書『小さな町で評判の歯科医が解説 歯周病になったらどうする?』からお伝えしていきます。

Contents 目次

日本でも蔓延する歯周病とは?

歯周病菌

歯周病とは、歯と歯茎の間で歯周病菌が増殖する病気です。人類史上最も感染者数の多い感染症がこの歯周病。2001年にはギネスブックに認定されています。

「歯周病というのは、簡単にいえば、細菌によって歯のまわりの歯茎(歯肉)に炎症が起こり、さらに進行すると歯を支えている骨が溶けてしまう病気です。歯周病になると、かたい食物が食べづらくなったり、食べ物を歯で細かく砕くことができなくなったりします。食べる楽しみが奪われるだけでなく、かみにくくなることで栄養が摂取できなくなり、それが老化を早めたり、筋力の低下を招く原因となります」

歯周病菌は、ほかの細菌がつくったプラーク(歯垢)に住み着き、たんぱく質やアミノ酸をエサにして増殖します。嫌気性のため歯肉溝といわれる1〜2mmの歯と歯茎のすき間にできたプラークに好んで住み着きます。

歯周病の進行はゆるやかで、初期段階の歯肉炎から重度歯周炎を経て、末期症状の歯の抜け落ちまで、一般的には15年から30年ほどの時間を要します。

「歯周病で骨が溶けてしまうと元に戻らないため、“不治の病”という人もいるほど。早めに歯科で適切な治療を行うこと、そして日々の生活習慣やケアによってさらなる進行を防ぐことが大切です。また、まだ歯周病になっていない人はそうならないよう予防することが欠かせません」

いくつ当てはまる? 歯周病をチェックしよう!

オーラルケアアイテム

今の自分の歯茎がどのような状態なのか、下記のリストでチェックしていきましょう。次の10項目のうち、当てはまるものはありますか?

1.歯磨きは寝る前と朝だけ。またはそれ以下
2.歯並びが悪く、食べたものが詰まりやすい
3.朝起きると、口のなかに粘り気を感じる
4.歯の表面を指でなぞると、ザラザラした感触がある
5.歯茎が赤くはれている
6.歯磨きをするといつも出血する
7.かたいものを食べると歯の根元が痛い
8.歯茎や歯の根元がムズムズするときがある
9.歯を磨いても口臭を人に指摘されることがある
10.歯が長くなったように感じる

いかがでしたでしょうか? 1~5の項目に1つでもあてはまる人は、すでに歯周病が進行している可能性があり、歯周病の初期症状である「歯肉炎」を発症しているかもしれません。6~10の項目にチェックが入った人は、もっと注意が必要です。「歯肉炎」を通り越し、「歯周炎」に進行している可能性があります。早急に歯科クリニックを受診してください。

歯周病の進行具合は4段階

歯科治療をイメージした模型

歯周病の進行具合は4段階です。歯周病の進行具合を表すのは「P」。数字によって、進行具合が変わります。

【P1 歯肉炎】

歯周炎

歯茎が赤くはれますが、まだ歯周ポケット(歯と歯茎のすき間が深くなった溝)はできていません。ていねいなブラッシングやプラークコントロール(プラークをとり除き、口内環境を正常に保つこと)を心がけることでまだ改善する可能性があります。痛みの自覚症状はありません。

【P2 軽度歯周炎】

軽度歯周炎

歯茎のはれが強くなり、歯周ポケットが形成されます。また、少しの刺激で簡単に出血するようになります。歯が浮いている感覚や歯茎がムズムズする人もいます。口臭の原因ともなり、口のなかがネバついてきます。

【P3 中等度歯周炎】

中等度歯周炎

歯茎のはれが広範囲に及んでいる状態です。支えが弱くなり、歯がグラグラとし始めます。細菌を撃退するために戦った白血球の死骸が膿となり、歯茎にたまります。そのため、口臭も強くなります。

【P4 重度歯周炎】

重度歯周炎

歯茎のなかにある歯槽骨が3分の2以上溶けてしまった状態です。歯茎が下がるため、歯が長く見えます。膿も大量にたまります。そのまま放置すると歯が抜け落ちたり、周囲に感染を広げたりしてしまいます。

虫歯とは違い、淡々と悪化していくサイレントキラーの歯周病。痛みがなくても、出血や歯茎のはれが出てきたら歯周病のサインです。できるだけ歯周病を進行させないようこまめなケアを心がけたいですね。

文/庄司真紀

 

参考書籍/『小さな町で評判の歯科医が解説 歯周病になったらどうする?』(アスコム)

書影

 

著者/亀井孝一朗

亀井先生

かめい・こういちろう 1982年三重県生まれ。大阪大学歯学部卒業後、大阪大学歯学部大学院修了。2016年に三重県名張市で、かめい歯科クリニックを開院。ひとりひとりの気持ちに寄り添った治療が地域の人たちの信頼を生み、今では近郊の都市からも多く患者が訪れる。日本口腔インプラント学会専門医・インビザラインプラチナエリートプロバイダー・ITI学会公認インプラントスペシャリスト

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