秋から冬にかけて1日の寒暖差が激しくなるため、冷えによるストレスや血流の悪化により、胃や腸の働きも弱りがちに。水分補給の量も減るので、1年の中でも、便秘が起こりやすくなります。今回は秋冬に起こりがちな便秘の原因と対策を一般社団法人グルテンフリーライフ協会 フォーブス弥生さんに教えてもらいました。
Contents 目次
秋冬の便秘対策に「水分補給」と「食物繊維」を多めにとろう!
日増しに秋が深まり、朝晩は肌寒さを感じることも多くなりました。秋から冬にかけては1日の寒暖差が激しくなるため、冷えによるストレスや血流の悪化により胃や腸の働きが弱るため、腸への負担が大きくなります。さらに、肌寒くなってくると、体を動かすことが少なくなり活動量も減少します。そのため、水分補給の量も減るので、1年の中でも乾燥する秋から冬にかけてこの季節は体内や腸内の水分も減少し、便秘が起こりやすくなります。
この時期は便秘予防のためには、充分な水分摂取とともに、食物繊維を意識した食事をとることが重要です。腸の動きを活発にすることから、腸活には欠かせない代表的な栄養素は食物繊維です。食物繊維は食べものの中に含まれており、人の消化酵素で消化することのできない物質のことです。さらに、整腸作用など体の中で有用な働きをすることが注目され、第6の栄養素といわれることもあります。
この食物繊維には「不溶性食物繊維」と「水溶性食物繊維」の2種類があります。不溶性食物繊維は、便の量を増やして腸管を刺激し、腸の運動(ぜん動運動)を活発化させ、便通を整える働きをします。きのこ類や根菜類、豆類などに含まれます。一方では、水溶性食物繊維は腸内の善玉菌を増やしたり、便をやわらかくする作用があります。海藻類やナッツ類、大豆などに含まれます。
この2つの食物繊維には、摂取バランスに理想とされる割合があります。理想的なバランスは、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維を2:1の割合で摂取するのが好ましいと言われています。
しかし、皆さん忙しい毎日の中で食事だけで十分な量の食物繊維を摂取するのが難しい場合もあるでしょう。そんな人は、機能性表示食品であるサプリメントから補うのもよいでしょう。機能性表示食品とは、安全性の確保と科学的根拠などの必要事項を消費者庁に届け出した食品です。サプリメントは、粒状タイプからパウダーの粉末タイプまでさまざまな種類が販売されています。ご自身の体調や目的に合わせた商品を選ぶとよいでしょう。
例えば、最近よく聞くようになった「イヌリン(Inulin)」 は、水溶性食物繊維の一種です。イヌリンは、チコリやゴボウ、玉ねぎなどに多く含まれる多糖類の一種です。多糖類とは、糖質の最小単位である単糖が多数結合したものです。また、最近の研究ではイヌリンは胃や小腸でも消化されないため、大腸まで届きビフィズス菌のエサとなり、継続的に摂取することで善玉の腸内ビフィズス菌の数が増えることがわかっています。また、大腸がんの予防にも効果があるとの論文もあります。(参照:日経バイオテク)
主なイヌリンの効果としては、
(1)食後血糖値の上昇をゆるやかにする
(2)善玉菌を増やし、腸内フローラを良好にする
(3)お腹の調子を整えて便秘改善
などです。しかも、イヌリンは基本的にグルテンフリー食品なのもうれしいですね。
なお、サプリメントは医薬品ではなく、健康食品に分類される食品です。飲むタイミングについては決められていませんので、飲みやすいタイミングで摂取するとよいでしょう。しかし、朝食前にイヌリンを摂取することで朝食後だけでなく、その日の昼食後と夕食後の血糖値の上昇も抑えられたという研究が発表されています。
私自身は毎日、朝食前に粉末タイプのイヌリンを飲料に入れて飲んでいます。最近では、腸内環境の調子も整ってきていたと感じています。これから冬になる季節に向けて、毎日の食生活の中に食物繊維をとり入れて腸内環境を整えていきましょう。