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ツラい肩こり・腰痛は「眼精疲労」が原因のことも! 疲れ目を解消する足刺激テクニック
足から全身に働きかけることで健康的な毎日を生み出す「足ウェルネスⓇ」というライフスタイルを提唱している足のひと 鈴木きよみさん。足裏に表れる表情を読み解き不調の原因を見出す、先生の足相診断をレポートします。今回のモニターさんは、肩こりや腰痛があり疲れ目にもお悩みです。足相診断の結果、バラバラの症状に見えるこれら3つのお悩みには、実はつながりのあることがわかりました。ツラい症状を解消するための足刺激テクニックをお伝えします!
Contents 目次
「アクティブでコミュニケーション力が高い人」を表す足相の特徴は?
今回のモニターは、会社員をしている50代前半のTさんです。
Tさん:「肩こりと疲れ目はかなりツラく、月に数日は腰痛もあります」
さっそくきよみ先生に足相を見てもらいましょう!
【Tさんの足相】
Tさんの足相には次のような特徴が見られました。
(1)足裏全体が赤い
(2)角質が左右均等についている(丸囲みの部分)
(3)指のつけ根が細い
Tさん:「今、とてもドキドキしています!」
きよみ先生:「初めての体験で緊張していることもあると思いますが、足裏全体が赤いですね。更年期の影響もあり、ホルモンバランスが乱れやすく、ほてりなどが起きやすいのではないですか?」
Tさん:「たしかに汗をかきやすく、日によっては、ほてりもあります」
これは更年期に見られる症状で、代謝不良によって起こるものだそうです。足刺激を続けると、ホルモンバランスが整いやすくなり、代謝を順調にすることができます。
きよみ先生:「足裏の角質に注目してください。画像の丸囲み部分で示したように、Tさんの角質はまんべんなく左右均等についています。これはかなり運動をしている人に見られる足相なのですが、運動習慣はいかがですか?」
Tさん:「はい、運動はよくします。今朝もピラティスをして、さらに家から駅まで30分ほど歩いてから来ました。ほかにダンスもしています」
きよみ先生:「とてもアクティブな方なのですね! また、指の根もとが細いのも特徴です。下の画像の矢印で示したように、指と指のすき間があいているのは、指先に対して指の根もとが細いからです。こういう指の人は、人懐っこく、誰とでもじょうずにコミュニケーションをとれる人が多いのですよ」
足の表情から、アクティブな毎日を送っていることや、人とうまくコミュニケーションをはかれることまで読みとれることに、Tさんも驚きの表情でした。気になる人は、自分の足にも同じような特徴がないか、チェックしてみてくださいね!
足相で唯一、気になるのは「目のゾーン」の痛み
きよみ先生が、足刺激をし始めると、Tさんいわく「とんでもないくらい痛い」ゾーンがあるようです。
きよみ先生:「ここは目のゾーンです。眼精疲労が強いようですが、頭痛などはありませんか?」
●目のゾーン
Tさん:「目が悪いので、目を使い過ぎると頭の疲れを感じますね」
きよみ先生:「目のゾーンは人さし指と中指のつけ根にあります。Tさんが鋭い痛みを感じているのは人さし指のつけ根のほうですが、ここは視力低下を示すゾーンです。中指のつけ根は眼精疲労を示します。つまり、現在は、視力低下による目の疲れのほうが大きいようですね」
Tさん:「両方とも痛いですが、人さし指のほうがより痛みが強いですね」
きよみ先生:「肩こりや腰痛にもお悩みのようですが、それぞれが深刻な症状ではなく、目の疲れによって引き起こされていると考えられます。目を酷使していることもありますが、人と比べて目が疲れやすい体質ということです。ゾーンの痛みの度合から考えると、特に右目の視力低下がひどいようです」
Tさん:「目がド近眼で、さらに右目だけ乱視がきつい、ガチャ目なのです。疲れやすいのはそのせいもあると思います」
Tさんの腰痛は、両側の腰が痛いのではなく、右側の腰だけが痛くなることがあるのだそうです。これは何が原因なのか、気になりますね。
きよみ先生:「目の疲れが原因で引き起こされる腰痛は、右側のみに痛みが出るのですよ。これは、東洋医学の考え方で目と関係の深い臓器である肝臓が、体の右側にあるからなのです。右腰だけが痛い人は、腰椎の問題ではないと考えられるので、目のゾーンを刺激してあげるといいですよ」
腰のケアをしてもなかなか腰痛がよくならない人は、左右どちらの腰が痛いかをよく観察してみてください。右側の腰が痛い人は、目をケアしたり、目のゾーンを刺激すると、腰痛が軽くなるかもしれません!
目の疲れを癒して、肩こりや腰痛を軽くする足刺激テクニック
肩こりや腰痛の症状を軽くするためにも、Tさんには、目の疲れを解消する足刺激テクニックがおすすめです。ゾーンを刺激して痛みを感じるときは、老廃物が滞っています。痛みが和らぐまで念入りに刺激してみてください。
【腎臓~輸尿管~膀胱のゾーンをプッシュ】
はじめに、足裏の反射区の基本的な部位である腎臓・輸尿管・膀胱のゾーンを流れで刺激します。体の不要な毒素を排出する働きを高めることで、全身の巡りをよくします。オイルやクリームをつけ、指圧棒を使ってしっかりと刺激しましょう。
●腎臓・輸尿管・膀胱のゾーン
【目のゾーンをもみ上げる】
人さし指と中指のつけ根の部分には、目のゾーンがあります。目のゾーンは、足の左右とは交差していて、左足に右目のゾーン、右足に左目のゾーンがあります。つけ根から指先に向かって、もみ上げるようにして刺激します。しっかりと刺激すると、1時間ほどたってから視野が広くなるのが感じられます。
【そけい部のゾーンを刺激する】
両足首の正面の中心部分にはそけい部のゾーンがあります。長座したときに足首を曲げると、穴のようにくぼむ部分がそれです(下の画像のオレンジ色の点)。この部分を押すと強い痛みを感じる人は、股関節がかたくなっており、腰や体全体への負担がかかりやすい状態になっています。そけい部のゾーンを親指の腹や、指圧棒の先でしっかりと押して刺激しましょう。
●そけい部のゾーン
そけい部のゾーンは、くぼみの穴がしっかりとへこんだ状態になるのが理想です。へこみがわかりにくい人は、ゾーンを押すことを習慣にしてみてください。
【足首を回す】
足刺激の仕上げに、両足首を左右にぐるぐると回しましょう。股関節をやわらかくすることができます。また、足刺激によって血流がよくなっているので、さらに全身の巡りを促すことができます。足刺激前と比べると、足首のやわらかさや回しやすさがアップしていることもわかるはずです。
足刺激のあとは、巡りがよくなり血色がいい足に
足刺激前と比べて、Tさんの足相はどうなっているでしょうか? チェックしてみましょう。
●足刺激前
●足刺激後
足刺激前は赤みが強すぎる印象の足色でしたが、足刺激後は全体的に自然なピンク色になりました。
目のゾーンの変化は、見た目にはわかりませんが、Tさんによると徐々に足刺激の痛みが変化していったそうです。最初は声を上げてしまうほどの鋭い痛みでしたが、しばらくすると同じ力で刺激しても、痛みが薄れていったとのこと。足刺激によって、ゾーンにたまっていた老廃物が流れ、その滞りがなくなると痛みが和らぐのだそうですよ。
最後に、Tさんに足相診断を受けた感想を聞きました。
Tさん:「足相診断では、本人も忘れているくらいの細かい体調のことなど、色々と言い当てられたのでかなり驚きました。まるで占いのようですね! 足刺激のあとは、体重が減ったのかと感じるくらい、体が軽く感じました!」
これから3週間の足刺激を行って、目の疲れが軽くなっていくといいですね! 次回の記事でその後の体調や足相の変化をくわしくお伝えします。
取材・文/牧内夕子 イラスト/湯沢知子
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