「デリケートゾーンにできものができた。こんなときはどうすればいいの?」「デリケートゾーンのできものは、すぐに病院で確認してもらうべき?」このように、デリケートゾーンのできものについて、不安や悩みを持っていませんか? だれかに相談できればいいですが、ナイーブな話題なだけに、恥ずかしくて自分だけで抱え込んでいる人も少なくありません。そこで本記事では、膣にできものができる原因、受診目安について解説します。
Contents 目次
膣のできものについて
膣のできものはいくつもの種類があり、なかには放置することで危険を伴うものもあります。
膣にできるできものの主な種類は、以下のとおりです。
性器ヘルペス:ヘルペス感染症により起きる。水ぶくれや痛みが伴う。
尖圭(せんけい)コンジローマ:性感染症の一種。性器のまわりにイボ状の小さなできものが複数できることがある。
皮下組織の硬結:摩擦や感染症の治癒後に皮膚組織が固まってできる。
バルトリン腺嚢胞(のうほう):膣口の左右にある分泌物を出す腺が細菌に感染して起きる。膣の入り口横にしこりができる。
軟性線維腫:首やわきにできるイボが膣にもできる。
できものができる主な原因は、細菌・ウイルスの感染、摩擦、デリケートゾーンの蒸れ、ストレスなどによる免疫低下などが挙げられます。細菌・ウイルスの感染は、性行為や自慰行為によって起きます。摩擦やデリケートゾーンの蒸れは、下着の締めつけによる通気性の悪さや、皮膚への接触が原因となって起きます。また、疲労やストレスが蓄積して免疫が低下しているときは、できものや痛み、かゆみなど、さまざまなトラブルを引き起こしやすい状態に。
デリケートゾーンのトラブルは、放置すると不妊症や新生児への感染、症状の範囲の拡大による治療の困難を招きます。妊娠中であれば胎児の健康、そしてなにより自身の健康にも大きく関わるため、デリケートゾーンは常に健やかな状態を保っておきましょう。
受診の目安
デリケートゾーンのできものをチェックするためのステップを解説します。自己診断のポイントは、以下のとおりです。
●水ぶくれ・痛み・外陰部の腫れ・出血の有無
どれかに該当する場合は、性器ヘルペス感染症の可能性が高いです。
●しこり状のできもの
しこり状のできものである場合、バルトリン腺嚢胞や皮下腫瘤、脂肪腫などの可能性があります。
●イボ状のできもの
イボ状のできものである場合、軟性線維腫の可能性が考えられます。
痛みや水ぶくれといった特徴的な症状がないできものは、様子をみても問題ない場合があります。
しかし、「さわると痛い」「徐々に大きくなっている」「症状の範囲が広がっている」といった場合はできものが進行しているため、受診して原因を突き止めなければなりません。
・出血や潰瘍が見られる
・痛みがある
・さわると痛い
・徐々に大きくなっている
・症状の範囲が拡大している
・水ぶくれがある
・しこり状、イボ状のできものである
・できものが破裂した
・膿が出てくる
このような症状が見られる場合は速やかに婦人科で、治療を受けましょう。
できものは、手術で対応するケースが多いです。症状が悪化したり、種類によっては大変な手術になったりすることもあるため、早めに受診しましょう。
デリケートゾーンにできたできものへの対処法
デリケートゾーンのトラブルが起きている場合は、刺激を与えないようにすることが大切です。
柔軟剤を使ったり、石けんを使ってゴシゴシ洗ったり、こするように水分を拭き取ると、それが刺激となって症状が悪化したり破裂したりする恐れがあります。
柔軟剤の使用を控えること、ぬるま湯で洗うこと、トントンと押さえるように水分を拭き取ることを意識しましょう。
痛みを感じる場合は、圧迫しないようゆるめの下着をえらんで使いましょう。また、不快感がある場合は、まずは下着内の通気性をよくし清潔に保つことが大切です。ナプキンを使用している際には、こまめに取り換えることもお忘れなく。
また、原因がわかっている場合であれば、市販薬を使って痛みを抑えたり不快感を軽減したりすることも可能です。原因が不明な場合は、薬の種類によっては症状に合わず悪化する恐れがあるため、必ず病院を受診してから使用してください。
漢方薬を用いたできものの解決方法
膣のできものなどデリケートゾーンのトラブルには、漢方薬もおすすめです。
デリケートゾーンのトラブルに対しては、「ホルモンバランスを整える」「泌尿・生殖器の炎症を鎮める」「血流をよくして栄養を行き渡らせ、デリケートゾーンの皮膚の新陳代謝を上げる」「水分の循環をよくして、老廃物を排出し、おりものを軽減する」といった漢方薬を選び、根本改善を目指します。
漢方薬は、医薬品として効果が認められており、自然由来の治療薬として婦人科や泌尿器科などで処方されています。
<デリケートゾーンのトラブルにおすすめの漢方薬>
・竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう):体力が中程度で、下腹部痛や熱感、痛みなどがある方に用いられる漢方薬です。熱と水を取るのに長けている生薬が配合され、炎症やかゆみに働きかけます。
・当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん):体力が虚弱で、更年期障害や冷え症、貧血がある方などに用いられる漢方薬です。血や水の巡りを促すことで、ホルモンバランスの乱れによる不調に働きかけます。
・温経湯(うんけいとう):手足がほてり、唇が乾燥しやすい人におすすめです。血流を改善して全身に栄養を行き渡らせることで、湿疹に働きかけます。更年期障害や月経困難症などにも用いられます。
ただし、漢方薬を選ぶときには、その人の状態や体質に合ったものを選ぶことが重要です。うまく合っていないと十分な効果を得られず、場合によっては副作用が生じることもあります。
自分にぴったりな漢方薬を見極めるためには、プロの力を借りるのがおすすめ。
「あんしん漢方」などのオンライン漢方サービスに、相談してみるのもいいでしょう。
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膣のできものには無害なものもありますが、放置は禁物です。出産時に新生児に感染したり、症状が悪化して治療が困難になったり、破裂を起こしたりとさまざまなリスクがあります。
大事に至る前に、早めに受診して治療を受けてくださいね。
<この記事を書いた人>
あんしん漢方薬剤師
中田 早苗(なかだ さなえ)
デトックス体質改善・腸活・膣ケアサポート薬剤師・認定運動支援薬剤師。病院薬剤師を経て漢方薬局にて従事。症状を根本改善するための漢方の啓発やアドバイスを行う。
健康・美容情報を発信するMedical Health -メディヘルス-youtubeチャンネルでは、お薬最適化薬剤師として「無駄な服薬はお財布と体の敵!」をモットーに薬の最適な選び方を解説する動画を公開中。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。
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