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トレンドは吸水ショーツなどのアイテムから始まった!?「生理を語るタブー」を乗り越えるきっかけに【FYTTEフェムケア座談会 前編】
ヘルスケア分野でのトレンドを予想する「FYTTEヘルスケアトレンド」。2022年に始まった本企画は今年で3年目を迎えます。そのなかで、FYTTEが2022年からずっと追いかけているテーマのひとつが“フェムケア”です。この2年間で社会にも私たちの意識にもどのような変化があり、そして2024年はどのような展開が予想されるのでしょうか? FYTTE編集部によるフェムケア座談会では、これまでのトレンド企画でとり上げたフェムケア特集を振り返りながら、2024年の展望を語り合いました! 2回に分けてレポートします。
Contents 目次
フェムケア→リアル・フェムケア→みんなのフェムトレへ
FYTTEヘルスケアトレンド2024特設サイト https://fytte.jp/trend2024/
『みんなのフェムトレ』解説 https://fytte.jp/trend2024/keyword.php?keyword=1
トレンドワードは、その年にFYTTEが注目しているテーマを表現したもの。
これまでにフェムケアをテーマにして掲げたトレンドワードは、2022年『フェムケア』、2023年『リアル・フェムエア』、そして今回2024年が『みんなのフェムトレ』です。
毎年、少しずつ表現が変わっていますが、どれも根底にあるのは“女性特有の不調をいかにケアして快適に過ごすか”を考え、実践していくこと。
今年のトレンドワード『みんなのフェムトレ』の注目ポイントを考えるうえで、まずは過去の2022年、2023年の動きからひも解いていきましょう!
吸水ショーツに脚光。2022年は“フェムケアデビュー”に焦点
(鈴木)
いまでは私たちメディアも「フェムテック*」「フェムケア」という言葉を頻繁に使いますが、海外で盛り上がりを見せていたフェムテックが日本でもとり上げられ始め、急激に話題に上るようになったのはここ数年でしょうか。生理痛や更年期など女性の不調についてオープンに語れる雰囲気になったことに、正直、驚いています。
*フェムテック:女性特有の不調をテクノロジーで解決するモノやサービスのこと(Female・女性とTechnology・テクノロジーをかけあわせた造語)。
(森下)
そうですね。日本では2020年がフェムテック元年といわれますが、一気にフェムテック、フェムケアという言葉が注目されたのは2021年にナプキンの代わりにもなる吸水ショーツが脚光を浴び、大手メーカーも参入するなど企業側の動きがあと押しとなった印象があります。
(大島)
また、デリケートゾーンも肌と同じように洗ったり、保湿したりとケアすることが大切だということで、専用のソープやオイルなどのケアアイテムが店頭に増えてきたのもこの頃でした。
(鈴木)
こうした市場の動きはインパクトがありましたし、この動きを深堀りすることで、あらためて女性特有の健康課題に向き合うきっかけになるという期待もありました。FYTTEの場合は、テクノロジーを使わないケアも含めて広い意味でとり上げていきたいと考えて、『フェムケア』を2022年のトレンドワードに決定したんですよね。
“フェムケアって何?”からのスタート
(大島)
ただ、この頃は生活者側から見るとまだ「フェムケアって何?」「吸水ショーツってどう使うの?」っていう人が大多数だったと思います。当時、FYTTE編集部のなかでも、吸水ショーツやデリケートゾーンケアなどのアイテムを使っている人はほとんどいませんでした。
(森下)
そこで、2022年は編集部も読者も一緒にそもそもフェムケアって何ぞや?ということから学んでいこうというのにフォーカスしたんですよね。特集記事では“フェムケアデビュー企画”として、FYTTE読者を巻きこんで吸水ショーツなど生理用品のお試し企画などを展開しましたが、特に私が印象的だったのが、月経カップのお試しです。
(水谷)
生理用品は身近なものなので“フェムケアデビュー”にはピッタリですね。でも、月経カップは膣の中にシリコン製カップを装着するのに抵抗があったり、慣れるまでにザセツしてしまったりという人も多いそう。私自身は快適に使用していますが、海外に比べて日本はデリケートゾーンにふれるのはもちろん、ましてや膣内に装着するというのは文化的にも慣れていないので、そういう意味でもハードルが高い印象が個人的にはあります。
(森下)
そうなんです。吸水ショーツはとり入れやすいアイテムでしたが、月経カップは試行錯誤する人が多く、装着に苦戦した人が目立ちました。また、煮沸が必要だけど家族と同居なので気を遣うといった声までさまざま。やはり実際に使ってみないと自分が使いこなせるかどうかわからないし、快適で利便性があるかの判断も人それぞれだと思ったケースです。
(鈴木)
私が吸水ショーツを活用したのはこのお試し企画がきっかけでした。最初は自分の経血量がわからないので、どのような吸収量のショーツを選べばいい? ナプキンをつけないでも本当にもれない?みたいな不安があって。自分なりの使い方を見つけるまでは試行錯誤でしたが、とはいえ、基本、ショーツをはくだけなので、月経カップよりは断然気軽にチャレンジできました(笑)
(水谷)
いまでは吸水ショーツひとつとってもさまざまな素材や形状のものがあり、フェムケアアイテムは選択肢が増えました。ほかにもいろいろな生理用のアイテムがどんどん出てきて、おかげでタブー視されていた生理を語りやすくなったと思います。また、ときには自分に合うアイテムを見つけたり、使いこなせるかを見極めたり…まさにトレーニングも必要に。2024年のトレンドワード『みんなのフェムトレ』にも通じるものがありますね!
(大島)
その通り! じつは2024年のトレンドワード『みんなのフェムトレ』にはそんなメッセージも込めているんです! くわしくは後半でふれたいと思いますが、年々、フェムケア関連のアイテムやサービス、情報が多岐にわたってくるなかで、生活者側も“自分に合うものを選ぶ力”というのがさらに必要だと実感しています。
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次回、後編は2023年の1年間の動きを追いながら、FYTTEが考える2024年の展望や注目ポイントについてレポートします!
文/FYTTE編集部