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今年の花粉飛散量は昨年の3割増!? 免疫の過剰反応を抑えて、花粉症を和らげる「リカバリー腸活」
2026年春は、花粉飛散量が例年より多くなる予測が発表され、早くから花粉症対策への関心が高まっています。くしゃみや鼻水といったつらい症状は、じつは「免疫の暴走」が原因!? 近年、この免疫バランスを整える方法として定着しつつあるのが、腸内環境にアプローチする「腸活」です。なかでも、免疫のブレーキ役となる細胞をサポートする食習慣が、花粉症対策の新常識になりつつあります。今回は、小児科医で赤坂ファミリークリニック院長 伊藤明子先生に、免疫対策と花粉症を和らげるリカバリー腸活について教えていただきました。
Contents 目次
今年の花粉飛散状況

日本気象協会によると、2026年春の花粉飛散量は、北日本・東日本では平年の1.3~2.5倍と予測され、東北北部では過去10年で最多に匹敵する見込みと発表されています。2025年夏の高温・多照が、スギ・ヒノキの花芽形成に影響したことと、冬の雨不足による乾燥が影響とされています。
スギ花粉の飛散開始は九州から東北で例年並みの2月上旬~3月中旬がピーク。ヒノキの花粉飛散ピークは3月下旬~4月上旬ころ。とくに東海から北海道では前シーズンより「非常に多い」地域もあると予測されており、早めの対策が重要です。
参考元:日本気象協会/2026年 春の花粉飛散予測(第3報) ~まもなく花粉シーズン 暖かい日は要注意 飛散のピークは2月下旬から~ https://www.jwa.or.jp/news/2026/01/32540/
今まで花粉症ではなかった人も、年々増え続ける花粉量によって急に発症する人もいるようなので、日ごろから対策を心がけたいですよね。
ここからは、小児科医で赤坂ファミリークリニック院長 伊藤明子先生に、花粉症が起こる原因と対策について教えていただきます。
花粉症が起こる原因は「免疫の暴走」!?

「花粉症は、体を守るはずの免疫システムが花粉を敵と誤認し、過剰に反応してしまうこと(免疫の暴走)で起こります。このとき体内ではIgE抗体が大量に作られ、くしゃみや鼻水、目のかゆみなどの症状を引き起こします。つまり、問題は免疫の“弱さ”ではなく“バランス”。攻撃側の免疫反応が強まりすぎることが、症状の背景にあります」(伊藤先生)
この過剰反応にブレーキをかけてくれるのが、昨年坂口志文教授らの研究によって明らかにされ、ノーベル生理学・医学賞を受賞して話題になった「制御性T細胞」です。いったいどんな細胞なのでしょうか。
注目されるブレーキ役「制御性T細胞」とは?
免疫には、敵を攻撃する「キラーT細胞」と、新たに発見された免疫の過剰な反応を抑える「制御性T細胞」が存在します。通常はこの2つが絶妙なバランスを保っています。しかし花粉症では、攻撃側が優位になり、ブレーキ役である制御性T細胞の働きが十分ではない状態に。
伊藤先生の話によると、「免疫を強くするのではなく、整えることが大切。制御性T細胞が働きやすい環境作りが花粉症対策の鍵です」とのこと。
でも、制御性T細胞が働きやすい環境作りとは、何をしたらいいのでしょうか。
じつは、すでに実践している人も多い「腸活」からアプローチができるそうです。
免疫対策の新視点「リカバリー腸活」。カギは「酪酸菌」と「発酵性食物繊維」

近年の研究で、腸内細菌が作り出す「酪酸(らくさん)菌」が制御性T細胞を増やすことが明らかになっています。
酪酸菌を増やすには、 酪酸を作る「酪酸産生菌」と、そのエサとなる「発酵性食物繊維」が必要です。つまり、腸内環境を整えることが、免疫のブレーキを育てることにつながるのです。
とくに注目されているのが、腸の奥まで届く穀物由来の「発酵性食物繊維」です。
代表的な食材は、小麦ブランに含まれる、アラビノキシラン。もち麦に含まれるβグルカン。ほか、オーツ麦や玄米など。
そのほか穀物以外で発酵性食物繊維が含まれる食材は、バナナやゴボウ、にんじん、大豆やきのこ類、海藻類です。食事だけで不足する場合は、サプリメントの併用もひとつの方法です。
次に、免疫を支える食べ合わせをご紹介します。
医師おすすめ! 免疫を支え、発酵性食物繊維がとれる食べ合わせ

朝におすすめ「小麦ブランシリアル × ヨーグルト」
ヨーグルトに含まれるビフィズス菌が酢酸を作り、それをバトンに酪酸産生菌が酪酸を生成する腸内細菌リレーが起こります。


主食でとり入れる「もち麦ごはん × 納豆」
いつもの白米にもち麦を混ぜて炊くだけ。納豆などの発酵食品と組み合わせることで、より効率的に腸内環境をサポートできます。
また、穀物由来の発酵性食物繊維と発酵食品との組み合わせも◎!
【伊藤先生アドバイス】
特別なことをするより、毎日の食事に自然に組み込むことが継続のポイント。
まとめ・今日からできる! 花粉シーズンの腸活習慣
「腸内細菌はすぐには変わりませんが、継続することで免疫バランスは整っていきます。花粉を完全に避けることは難しい時代。だからこそ、“外から防ぐ”だけでなく、“内側から整える”対策を。今年の花粉シーズンは、腸から始める新アプローチで、つらい症状に立ち向かいましょう」(伊藤先生)
この記事でご紹介した食材(穀物由来の食物繊維など)を、毎日の食事にムリなくプラスして、発酵食品と組み合わせることで効率もアップします。何より毎日続けることが大切ですね。
【監修者】伊藤明子先生
小児科医・赤坂ファミリークリニック院長。
NPO 法人 Healthy Children, Healthy Lives 代表理事。東京大学医学部附属病院 医師。東京大学大学院医学系研究科 研究員。
文/FYTTE編集部



