この夏も連日の猛暑。食欲が落ちてなんとなくだるい。おまけに熱帯夜で寝苦しく、体力は消耗する一方...。
そんな夏バテ気味のときは、食材の力を借りて乗り切りましょう! 管理栄養士の大越郷子先生に、夏バテを撃退するパワフル食材と、効果的な食べ方を教えていただきました。
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疲れを取るにはビタミンB1。たんぱく質もしっかりとって
「疲労回復には、糖質の代謝を助けるビタミンB1が効果的。豚肉や豆・豆製品などに多く含まれます。にんにくなどの香味野菜に豊富なアリシンといっしょにとると吸収が高まり、効率よくエネルギーに換えることができます」(大越先生)
アリシンは、にんにくを切ったときに出てくる、あの強いにおい成分。にらや長ねぎ、玉ねぎなどにも含まれます。夏はエネルギーを作るためにビタミンB1が大量に使われるので、アリシンの摂取も不可欠。ビタミンB1の吸収がアップすることで、疲れがたまりにくくなります。
おなじみのメニューとしては、香味野菜たっぷりの餃子やマーボー豆腐、ソテーした豚肉ににんにくを添えるトンテキなどがおすすめ。しょうが焼きには、玉ねぎをプラスするのが賢い食べ方です。ご飯といっしょに食べれば、スタミナ不足も一発解消!
「また、暑さに負けない体力をつけるには、アミノ酸のバランスがよい、良質なたんぱく質を意識してとることも大事です」(大越先生)
肉なら、豚や牛の赤身、鶏のむね肉やささみがヘルシーでおすすめ。
魚なら、かつお、まぐろなどの赤身の魚を選んで。夏場は発汗により、ミネラルも失われてしまうので、鉄分不足による貧血などのトラブルにも要注意です。赤身の魚には鉄分が多いので、積極的に食べましょう。
旬の野菜やフルーツで水分を補給。夏は生のまま食べるのが◎!
「さらに、野菜や果物から水分を補給することもポイントです。不足すると夏バテを招くカリウムや、ビタミンCなどの栄養もいっしょにとることができ、体のバランスを整えてくれます。野菜も果物も、この時季は生で食べるのが有効です」(大越先生)
トマト、きゅうり、なすなど、旬の夏野菜を生でとると、ほてった体を冷やしてくれる働きも。
柑橘類をはじめ、フルーツ全般に多く含まれるビタミンCも、夏の美肌・美白対策のためには欠かせません。紫外線から肌を守り、体内でのコラーゲンの合成を助け、ハリのあるすこやかな肌作りをサポートします。加えて、鉄分の吸収を高める効果もあります。加熱すると壊れやすいビタミンCは、生で食べるのがいちばん。水溶性で汗とともに排出されやすいので、こまめな補給が大事です。
最後に、夏にありがちな食事スタイルに大越先生がアドバイス。
「夏は料理をつくるのもおっくうで、そうめんなどの麺類でささっとすませることが多いと思いますが、糖質の多い食材だけとるのはNG。ツナ缶や卵、薬味など、簡単なものをトッピングして栄養バランスをアップするのが夏バテを寄せつけないコツです」(大越先生)
取材・文/鹿野育子