脳や体の疲労をリセットするために必要な睡眠。よく眠れた日は、朝の目覚めもよく、体も軽く感じますよね。私たちが眠っている間、体の中では一体何が起こっているのでしょう? コンディショニング・トレーナーの桑原弘樹先生に、睡眠の仕組みについて教えていただききました。
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眠りの2大要素とは?
まず、眠りには大きく分けて2つの要素があります。1つ目は、「睡眠の長さ」。
「統計学上6時間眠れば、ほとんどの疲労が回復すると言われています。ちなみに、一番長生きすると言われる時間は7時間です」(桑原先生)
ショートスリーパーと呼ばれる、睡眠時間が短くても疲労がたまらないという特異体質の人もいるようですが、ひとまず1日6時間、睡眠時間を確保することが理想です。
そして、睡眠の質に大きく関わってくるのが、2つ目の要素「睡眠の深さ」です。
「睡眠中は、浅い眠りと深い眠りを繰り返しています。みなさんも聞いたことがあるかもしれませんが、浅い眠りを『レム睡眠』、深い眠りを『ノンレム睡眠』といいます。
『レム睡眠』のREM(レム)は、R=Rapid(早い)、E=Eye(目)、M=Movement(動き)を略したもの。眼球がグルグルと活発に動き、夢を見るのもこの『レム睡眠』のとき。
そしてよい睡眠のためには、この『レム睡眠』と『ノンレム睡眠』のバランスが大切です」
睡眠中、脳と体は交互に働いています。よく、寝返りは眠りの浅いときに打つものだと思われがちですが、それは間違い。
脳が眠っているときは、体が動くような仕組みになっているので、寝返りは眠りの深いときに打っているのです。体は動かないのに、脳が覚醒していることで起こる金縛りは、きちんと脳と体が交互に休めているという証拠。
霊現象ではありませんので、ご安心を!
さらに、眠り始めてから90分~120分で、どれだけ深く眠れたかということも重要になってきます。
それにより、同じ睡眠時間でも、朝起きたときの疲労感が大幅に変わってくるのです。
昔よりも眠りの質が悪いと感じる人は、もしかしたら、ぐっすり眠れていたころよりも眠り始めの睡眠の深さが浅くなってしまっているのかもしれません。
では、なぜ眠り始めの睡眠の深さが大切なのでしょう?