幸せそうに見える人、そうではない人。ワクワクと毎日を過ごせる人とそうではない人。その違いは、もしかしたら、幸福ホルモンと言われる脳内ホルモンが出ているかどうかの違いかもしれません。実は、このホルモン、毎日の過ごし方によって変わってくるんです。すぐに実践できる5つの習慣で幸せ体質に変えていきましょう。教えてくれたのは、人気の生活習慣改善サロン「Flura」を主宰する小林麻利子さんです。
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朝、太陽の光を浴びる!
朝、目覚めたら、カーテンをあけ、降り注ぐ太陽の光を浴びる。この習慣をつけるだけて、「セロトニン」という脳内物質が増えます。「セロトニン」は幸福ホルモンと言われ、幸せを感じさせてくれるホルモンのひとつ。このおかげで、体も頭もシャキッと目覚めて、活動モードにスイッチが入り、1日をアクティブに過ごせるようになります。
また、この「セロトニン」は、眠りを誘うホルモン「メラトニン」の材料にもなるため、このホルモンを増やすことは、よい眠りを迎えるためにも大事なことです。
人によって起きる時間も違うので、起きたときから2時間以内にたっぷり浴びることを目指しましょう。このときの「たっぷり」とは、真夏の光なら3分程度、曇の日なら1時間程度が目安。洗濯ものを干すなど家事の時間や通勤時間などをうまく利用するとよいですね。つぎはぎでもOKです。
よく、紫外線は美肌の天敵だからと徹底的に防御する方もいますが、まったく浴びないのもダメなのです。「セロトニン」からつくられる「メラトニン」には、強い抗酸化作用があり、シミや色素沈着を引き起こすと言われる活性酸素から肌を守る働きもあります。
また、「メラトニン」が分泌され、夜しっかり眠れれば、成長ホルモンが体の修復に働き、肌のターンオーバーを促進してくれます。つまり、適度に光を浴びることは美肌に対しても有益なのです。
おやつは噛むものに
よく噛むことも、「セロトニン」を出すのに有効とされています。ですから、おやつは、あまり噛まなくてもつるんと食べられるプリンやムースなどより、アーモンドやピスタチオなどナッツ類、おつまみ昆布やあたりめなど。しっかり噛む必要があるもののほうがおすすめです。
極端な例ですが、ガムを噛むというのもひとつの手。ガムを20分間しっかり噛み続けると「セロトニン」の濃度が増加し、心理テストで緊張や憂鬱感が改善した報告もあります。
3好きな人を思う、触れ合う
人間はときめきを感じると、脳内に「セロトニン」、「エンドロフィン」などのホルモンが分泌されます。ですから、恋人、ご主人、お子さんなど、愛おしい人のことを考えてみましょう。憧れの芸能人でもよいのです。実際に、小林さんのクライアントさんの中には、好きな俳優を見つけたことで、子育て後の無力感から脱却。表情も気持ちも激変した方がいるそうです。
このとき、注意したいのが、寝る直前にはビデオや写真は見ないこと。刺激が強いため、興奮状態になって寝つけなくなる場合があります。それは昼にして、夜は好きな人をぽーっと思うのがよいでしょう。
また、人や動物と触れ合うことも、幸福ホルモンを出すのに有効な手段。たとえば、ご主人が「ああ疲れた」と帰ってきたとき、ハグしてあげれば、幸福ホルモンが出て、ご主人もリラックスできます。幸せが分け与えることができるのです。子どもを抱っこすることでも、同じような効果が得られます。
あたたかい涙を流す
最近、あたたかい涙を流しているでしょうか? 大人になると、泣くのをためらい、我慢してしまうことが多くなってしまうもの。けれど、幸福ホルモンを出すためには、我慢せずに、涙を出すことも大切です。出したいものをぼわーっと出してしまうと、副交感神経が優位になり、心が落ち着いてくるのです。
1週間に1度、ゆっくりと時間のとれる休日などに、感動映画で思いっきり泣くと最高のデトックスになります。日ごろ、どうしても交感神経は高くなりすぎる傾向にあるので、こうやって定期的に下げてあげるのです。
心が動かされることは、脳が活動しているということ。感情にもメリハリをつけると、小さなことにも幸せを感じられるようになります。ちなみに涙は我慢すると、逆にストレスになります。
小さな幸せスイッチをつくる
平坦な生活が続くと、楽しみが生まれず、不調も蓄積してしまう傾向があります。自律神経にもメリハリが必要なのです。昼間はしっかり仕事や家事をして交感神経を活性化する。夜はリラックスして副交感神経を優位にする。1日の中でもメリハリをつけると、心地よい眠りが自然とやってきます。
けれど、ずっと家にいて外出するのは買い物に行くときくらい、という生活スタイルでは、体も頭も疲れないため、眠気も起こりません。人間は、眠りたい欲が満たされたときにも幸福を感じたりするものなので、その意味からも昼間しっかり活動することが大切です。
日々の生活の中に小さな目標を設定し、達成感をいろいろなところで味わうのが、幸福ホルモンを出すことにつながります。
たとえば、小林さんの場合、毎日の目標は「寝る前にベッドにダイブすること」。すべてを終わらせてあとは眠るだけという状況にして、ひんやり心地よいふとんの上にダイブすると、「全部終わった!」という開放感とともに、最高の幸せ感に包まれるのだそうです。
家事を全部終えてソファに横たわるのを目標にするとか、今日は「キッチンの掃除を終わらせよう!」と決めてそれが終わったらデザートを食べようとか、どんな小さなことでもOK。そうやって、日々ちょっとした目標をつくり、クリアしていくことで、体中のキレイをつくるホルモンがあふれるように出てくるようになります。
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取材・文/野上郁子<オフィスhana>