便通をよくしようと、食事、マッサージ、運動など、日々努力されている方も多いのではないでしょうか? もちろん、それも大切ですが、意外と見過ごされがちなのが、便を出すための腸の動き「大ぜんどう運動」。効率のよい排便は、小さなぜん動運動ではなく、最も多くなぜん動運動を引き起こすことが重要なのだそう。今回は、不調改善の指導をしているナイトケアアドバイザーの小林麻利子さんが「大ぜんどう運動」を引き起こす3つのポイントを教えてくださいました。便秘に悩む人はぜひチェックして!
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ポイント1 睡眠時間が十分とれている
私たちの大腸は、24時間、ゆるやかに伸びたり縮んだりするぜん動運動を行っています。「大ぜん動運動」というのは、この動きが何十倍も強く、速くなるもので、これがスムーズな便通のカギとなっています。この「大ぜん動運動」を起こすためには、睡眠中に胃腸など消化器官をしっかり休めてあげることが必要。つまり、十分に眠ることが、便秘改善には欠かせないなのです。理想的な睡眠時間は6時間半から8時間未満。もし、そんなに寝ていないという人は、まずそこから改善していきましょう。
ポイント2 寝る3時間前までに夕食をとっている
睡眠中に消化器官を休ませるためには、夕食をとる時間も大切です。消化がきちんと終わった状態で眠りにつけるように、就寝時刻の3時間前までに夕食をすませることを目指しましょう。
仕事が忙しくてどうしても夕食が遅くなるようなら、「分食」を。小林さんのおすすめは19時ごろにチーズを食べること。ひとかけらでも食べると体内時計が整うのだそう。しかも、やせやすくなるというから、うれしいですね! 家に帰ってからは消化のよいものを軽く食べましょう。この場合でも、就寝2時間前までが目安です。
睡眠中、胃の中が空であれば、朝に覚醒や食欲を促す「オレキシン」というホルモンが分泌され、「おなかがすいた!」と気持ちよく目覚められます。もし、このとき、食欲が起こらないなら、夕食の量が多いのかもしれません。少し控えてみましょう。
ポイント3 朝ごはんをしっかり「噛んで」食べている
朝ごはんも、「大ぜん動運動」のために必須です。そのポイントはよく噛むこと! 噛むことで、幸福ホルモンと言われる「セロトニン」が増えるほか、胃結腸反射という反応が起こって、「大ぜん動運動」が起きるのです。正しく睡眠がとれていれば、食欲もあるはずですから、たっぷり食べましょう。もし、時間がない場合は、バナナ1本でもOK。スムージーにするより、そのまま食べたほうが、噛む回数が増えるのでよいのです。極端な例でいえば、ガムを噛むだけでも全然違うのだそうです。
よく噛んでいると、自然に腹圧が高まって、息まなくてもするっと出てくるはず!
がんこな便秘には朝に冷水
ご紹介した3つのポイントをクリアできれば、腸がしっかり働いてくれるようになり、便秘は自然と改善していくはずです。それでも、便通がないという場合は、起きてすぐコップ一杯の冷水を飲んでみましょう。消化管を一瞬冷すと、胃腸の交感神経が刺激され、ぜん動運動が一時ストップします。そのあと、反動で胃腸の副交感神経が優位になり、ぜん動運動が始まるというメカニズムを利用するのです。
ただし、生理中や冬場は冷える可能性があるので冷水は避け、朝食後、テレビを見るときなどに、和式の便所座りポーズをするとよいでしょう。この体勢も腸への刺激になります。
人によっては便通は毎日があるとはかぎりません。あまり神経質にならないことも大切です。
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