「オジサンの臭い」と思われてきた「加齢臭」ですが、実は女性にも見られるもの。深刻に悩んでいる女性も増えてきています。予防には清潔に保つ、こまめに汗をかくなどがありますが、食生活を見直すことも対策につながるようです。管理栄養士の金丸絵里加先生がその方法を教えてくださいました。
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便秘気味が加齢臭を助長する?
「加齢臭の要因はさまざまです。不潔にしておく、酒量やたばこを吸う量が多い、疲労や寝不足など。胃の不調や糖尿病、脂漏性皮膚炎などの病気がニオイの原因になっている場合もあります。
そのなかで、食生活も加齢臭につながる原因のひとつ。加齢臭を促す食習慣としては、
<1>ニオイのきつい食材をよく食べる(ニラ、ねぎ、らっきょうなど)
<2>アルコールの飲み過ぎ
<3>肉食や揚げものなど、脂の多い食事が好き
などがあげられます」(金丸先生)
アルコールの飲み過ぎは、体内で分解されずに翌日までニオイのもとが残りがちに。また、焼肉やから揚げなど脂身の多い動物性食品や、油を使ったジャンクフードは、皮脂の分泌が促進され、加齢臭の元になるそう。
「また、便秘気味の状態も加齢臭を助長します。腸の中には食べカスがたまり、腐敗すると悪臭をはなちますが、腸の状態がよければ、便といっしょに悪臭も排出されます。しかし、便秘気味ではカスも悪臭もたまっていくので、加齢臭の要因になります」(金丸先生)
加齢臭の原因を減らす食べものは?
「加齢臭を防ぐためには、体内の不要な物質をきちんと排泄する体をつくることがポイント」という金丸先生。そのためには腸内を整える“食物繊維を多く含む食材”をとることが重要なのだそう。
「不溶性の食物繊維 はお腹のなかで詰まってしまい、人によっては便秘をさらに悪化させることもあるので、海藻類やごぼう、こんにゃく、アボカドといった水溶性の食物繊維を含んだ食品がオススメですね。食物繊維は毎食食べてお腹の調子を整えるよう、自分でバランスをとることが大事ですよ」(金丸先生)。
また、「腸内環境を整え、腸の善玉菌を増やす食品として、オリゴ糖や乳酸菌などをとることも大事」と金丸先生。オリゴ糖を多く含む食品はごぼう、アスパラガス、玉ねぎ、大豆など。乳酸菌はみそ、ヨーグルト、キムチ、塩麹などに豊富ですから、これらの食品も意識してとっていくといいでしょう。
さらに、加齢臭の原因とされている体の酸化を防ぐ栄養成分、ポリフェノールやカテキン、フラボノイドなどもとると効果的。
「ポリフェノールやカテキン、フラボノイドなどはお茶や色の濃い食材などに多く含まれていますが、ポリフェノール類は体に貯蓄できないので、毎食こまめにとりましょう」(金丸先生)
食事面で、加齢臭をおさえる最大のポイントは「腸の中にニオイの原因になるものを溜めないこと」。加齢臭が気になる人はもちろん、「まだ大丈夫」と思っているもこれからのために、毎日の食事で加齢臭対策をしてみてはいかがでしょうか。
文/Masuda Yuka