食べ過ぎで、胃がお疲れモード。そんなとき、薬膳の考え方では大根と昆布が胃の疲れを助けてくれるのだそう。これなら安心して食べられそう…とちょっとホッとする薬膳レシピをご紹介します。
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ダイエット、まずは消化機能をアップするところから
食べたり飲んだりする機会が多かった連日。久しぶりに体重計に乗ってみたら大ショック! なんてことになっていませんか? ダイエットは、女性はもちろん男性にとっても大きなテーマといえるでしょう。
では、いったい何から手をつければよいのか…。
手っ取り早くカロリーを抑えればいいと思いがちですが、その前に、暴飲暴食で調子を崩した消化機能を助けてあげる必要があります。そのメカニズムを、中医学的に考えてみましょう。
中医学では、食べ過ぎたり飲みすぎたりしたあとは、消化機能をつかさどる「脾」「胃」の働きが衰え、体の中を流れる気が滞ると考えます。気が滞れば、食べたものを消化する力が停滞し、消化物がスムーズに下に降りてくれません。その結果、胃がもたれたり、逆に胃の働きが亢進しすぎて食欲が抑えきれなくなったり、さらには大腸の機能が低下して便秘に陥ったり。
この状態を放置しておくと、やがて体はため込みやすい体になり、健康的なダイエットは難しくなってしまいます。
日々の食事で不要なものを取り除く力を助ける!
そこで、薬膳の考え方で、消化機能の滞りを取り除いていきましょう。まずおすすめしたいのが、冬の野菜ですが大根です。大根は、薬膳では、消化を促し、胃で初期消化したものをスムーズに下に降ろす働きのある食材。食べ過ぎてしまったときや、お腹が張っているときなどに食べると消化機能の助けになります。
それに組み合わせてとりたいのが昆布。中医学では、お酒や脂肪分の高い食事をすると、消化機能をつかさどる脾の働きが鈍り、水分の巡りが悪くなると考えるのですが、昆布やのりなどの海藻類には、水分代謝の滞りを取り除く働きがあります。昆布と大根。和食に欠かせない2つの食材を組み合わせることで、胃の働きを補いながら、代謝と排出を助けることができるのです。
栄養学的にも、大根は消化酵素が豊富、昆布は食物繊維がたっぷり。両方を合わせてとれば、胃と腸の両方の助けになります。しかも、どちらもカロリーが低いというのもうれしい! 煮ものや汁ものにするのもいいけれど、つくるのが面倒なら、コンビニのおでんを買ってくるというのも悪くないでしょう。
ほかにも、消化を助ける食材には、かぶ、オクラ、麹などが◎。排出を助け便通を促す食材には、こんにゃくや豆乳などがあります。これらの食材を上手に取り入れ、働きすぎた胃腸をサポート!
スッキリとした、ため込みにくい体をつくって、毎日元気に過ごしましょう。
大根と昆布のおすすめの一品
大根、昆布、里いものアツアツおでん<1食分 324kcal>
<材料(2人分)>
大根 1/2本
里いも 4個
がんもどき(小) 4個
昆布 15cm
だし汁 4カップ
薄口しょうゆ 大さじ2
みりん 大さじ2
和からし(好みで) 少々
<つくり方>
(1) 大根は厚さ2cmに切り、皮を厚めにむく。里いもは皮をむき、塩もみしてから洗い、ぬめりをとる。それぞれ下ゆでし、がんもどきは熱湯をかけて油抜きしておく。
(2) 昆布はバットなどの容器に入れ、ひたる程度の水に30~40分浸し、やわらかくなったら食べやすい大きさに切り、結ぶ。
(3) 鍋にだし汁、しょうゆ、みりんを入れ、そこに大根、昆布を入れて中火で約20分煮込み、里いも、がんもどきを加えてさらに15分煮る。
(4) 器に盛りつけ、からしを添える。
写真(料理)/安井真喜子